第306話 イベントクエスト再び・・・・

―――――――――――特別イベントフィールド


最後の舞台となる場所は・・・移動してきた海辺の奥で。

他のプレイヤーたちの姿も影もなく静かな場所であったがすぐに静かなワケが分かった。


「これって・・・転送用のポータルだよな??」

「どうやらそのようね・・・きっと2つ以上クリアしていないとたどり着けない仕様になっているのだと思うわ。

それに・・・この転送ポータルの移動先は多分アレよね――――――」

「エリの荒れって言うのが私の考えてるものと違う事を祈るよ・・・・

でも、ここまで来た以上逃げる訳にもいかないし・・・進もう!!!

――――――――――転送ポータル起動!!!」

クーリアがポータルを起動すると・・・海の中に作られた専用フィールドに移動し。

作りや周りを見ただけで何が起こるのかわかる作りをしていた。


「やっぱり・・・・モブとの戦闘じゃんか!?

通りで武器のカーソルが出て来たワケだよ!!!」

「そう言う事だから・・・あのウネウネ動くモブたちを倒しましょ!!

何だかすごくキケンな香りがするわ―――――」

「どうやらこの流れはモブの群れを耐えるウェーブ戦だな・・・・

あちこちから囲むように出現してるから2人とも背後には注意だ。」

2人に背後の注意をするように言うと、ムクロは前からやって来るのモブに目掛けて剣で攻撃を開始し。

クーリアやエリはバフをかけながら範囲スペルで攻撃してモブを倒していると・・・・


「何・・・この揺れ・・・・」

「きっとあれじゃないかしら??」

「ウェーブから見て・・・・ボスクラス!!!」

ムクロは天井を見ると巨大なイカのボス・・・デビルフィッシュクラーケンがズルりとフィールドの障壁をぶち抜いて落ちてきた。


「エリ、クーリア・・・状態異常防護バフと氷スペルを頼む!!」

「了解だぜィ!!!レアボスだし気合入れないと!!!

――――――――――マルチリアクト!!!」

「全くしょうがないわね・・・・攻撃は私がしてあげるわ――――――

―――――――――――ブリザードロック!!!」

クラーケンに氷結魔法が突き刺さり、大きく咆哮しながら氷をたたき割ってムクロを無視して2人に突撃する対応が遅れ・・・・2人はクラーケンの触手に捕まっていた。


「いやぁぁぁ~~~ぬめぬめべとべとするぅ~~~早く助けてよぉ~~~」

「んん・・・こんなの話には聞いていないわよ!

ムクロ!!!早く助けなさい!!!その後、たっぷりとこのイカを魔法で消し炭にしてあげるわ!!!」

「無事で何よりだ・・・もう少しだけ待っててくれ。

すぐに助けるから―――――――――」

ムクロはクラーケンの背後を取る形で移動したが、相手はボス級と言う事もあって一筋縄ではいかず。

ムクロはクラーケンの触手に掴まれて投げ飛ばされた。


「やっぱスキルなしじゃ掴まるか・・・・よし。

――――――――――これならどうだ??

―――――――――――クイックシフト!!!!!」

ムクロは自慢の加速スキルを使用してクラーケンに近づき、エリの掴まれている触手を切り落として救出しながら投げナイフでクーリアの方の触手を切り落とすと。

2人はべとべとの粘液を滴らせながら杖を構え・・・容赦のない攻撃に出た。


「ムクロは少し下がってなさい・・・ここは!!!」

「私たちがやっちゃうから!!!!」

「あはは・・・わ、わかった。」

ムクロは剣をしまって少し下がると・・・クラーケンの触手と水魔法での迎撃を仕掛けるが、不意打ちではないことからこれ以上クラーケンに後れを取る2人ではなく。

2人は強固な守りを展開しながら長いスペルを詠唱し・・・・クラーケンが必死に2人のシールを壊そうと殴りつけている間に詠唱チャージが完了し。

特大のスペルアーツが発動し、クラーケンの体力がみるみる消し飛び。

最後にちょろっと残った体力をエリの踏みつけで消滅させると無事にクエストのクリアのアイコンが出現し。

何やら不思議な台が現れ――――――――


「はいはい!!ムクロッち!!!こっちこっち!!!

私たちの真ん中に立って立って!!!」

「ほら、ここよ・・・少し私たちはぬめっているけれど気にしないで頂戴。」

「で・・・この台に乗ってどうするんだ??」

ムクロは不思議そうに語ると・・・台の真ん中にフレームが現れ。

カウントと同時にパシャリと写真が取られるようにシャッターが切られると。

ムクロたちの手元に先ほどの写真が入った写真立てが出現すると。

特別アイテムリザルトに限定イベントの思い出と書かれており詳細を見てみると。

PTプレイした仲間との写真をプレゼントと書かれていた。


「こんなことまでしてくれるんだな・・・で、肝心のアイテムは何がドロップしたんだ・・・・・」

「おおぉぉぉ・・・・深海の涙ゲット!!!やった!!激レアアイテム!!!!

2人ともありがとう!!!コレでまた私のコレクションが2もできちゃったよ!!」

「そうね・・・私もアイテムよりもこの写真がいいコレクションになったわ。

大切に飾らせてもらうわね。」

2人はドロップしたアイテムに笑みが現れているのではなく、ムクロとの思い出の品が作れたことに自然と出た笑みとは知らず・・・ムクロは写真を見てコレはコレでいい思い出になったとアイテムカーソルにしまい3人はホームに戻って行った。


「みんな、ただいま。」

「あ、ムクロ君!!!お帰り・・・何かいい収穫あった??」

「ハイハイ・・・帰って来て早々そう言うやり取りやめてよね??

ムクロッちの代わりに報酬を見せるとこれが最高のレアアイテムよ。」

そう言ってクーリアは深海の涙ではなく写真立てを取り出して見せると。

ユリハは水着姿の3人が写っている写真を見ると・・・クーリアに返し、ムクロにどういうことなのか剣を引き抜くポーズをとりながら尋ねると―――――

後ろにいたエリも写真立てをチラチラさせながらホームに入って行った。


「クーリアたちと行ったイベントクエストをクリアしたらもらえたんだ。

スイカ割りとか水鉄砲で射的したり・・・・ん?どうしたんだ??」

「ムクロ君!?そう言う楽しいイベントにどうして私を誘ってくれなかったの!?」

「ふふ・・・やっぱりこうなったわね。

で、ユリハは今どんな気持ちかしら??」

「どうしたんだ?玄関で騒いだりして・・・・ん??何だこれは!?

エリ!!!その写真の真ん中に写ってるのは・・・もしかしてムクロか!?」

「御名答!!!これはとあるイベントクエストをクリアした人にしかもらえない貴重なアイテムで―――――――――」

「先程から黙っておりましたが・・・そう言う物理攻撃はあまりにも卑怯というものです。

ですからご主人様には私たち全員とこのクエストに行かなければなりません。

どうしてかという顔ですね・・・・その内容はイチイチ聞かなくては分かりませんか??」

レイの強烈なオーラに押し負け・・・ユリハとミストたちは急いでアイテムの整理をし、ムクロとPTを組むとすぐさま先ほどクリアしたばかりのイベントクエストに再度出撃した。


「で・・・この格好に逆戻りか―――――――」

「ねぇ・・・ムクロ君・・・その・・・私の水着・・・水着なんだけど・・・あんまりジロジロ見ないでね―――――――」

「ふむ、のクーリアたちから聞いた噂は本当だったのか・・・・

だが・・・私の水着はどうなんだ??」

「そうですね・・・私が見た所。

それは水着ではなく下着に近いものかと・・・・」

「ん~む・・・面白そうで付いてきたのはいいのじゃが・・・

アタイの格好は変じゃないのかのぉ??」

「ん~大丈夫だと思うよ??タブン・・・・

私は少し胸が苦しいかも・・・」

女子メンバーは岩陰や草木に転移しており・・・・水着の確認をしているのか少し間があり。

ガサガサと草木から出て来たのはファムとクーリアたちであった―――――――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る