第299話 レンブとの再会と怪しい流れ
―――――――――――――――黎桜館:混浴
女神アステリオンからの特異モブの発見と状況次第では援護と特別依頼として駆除してもらう形になっていることを話すと。
ユリハ達はやはりと言うべきか・・・協力すると言い出し。
ムクロは拒否しようとしたが、強く手を握るユリハの覚悟と真剣な眼差しにミストたちの前と言う事もあって断ることができずに答えると。
ミストたちも同じように参加希望と軽いノリで参加してきた。
「で、ムクロ・・・・その依頼は不定期なの??それとも発見次第駆り出されるの??
はたまた両方?」
「それはまだ何とも言えないところだが・・・・
女神の事だ・・・きっと俺たちをこき使うだろうな。」
「あはは・・・でも。
特異モブの殲滅に選ばれるってムクロ君はすごいね。
クリアしたプレイヤー特権でもあるのかな??」
「どうだろう・・・だが、ムクロがクリアしたと言う情報は女神とごく一部のモノたちしか知らない情報だ。
だからその腕を見込んで選ばれた可能性は十分に考えられると言えるな。
それに、ムクロなら・・・クリアしていなくても選ばれるだけの素質はあると私は思う。
何せ、言う事は聞かないくせに自分の意見は曲げないガンコもので・・・勝負ごとになればすぐに目の色を変えるケモノのような男だからな。」
「そうですね、戦闘中のご主人様のあの野獣のような目は・・・最高にたまらないです。
いえ、狙ったものは逃さない・・・狩れるモノは全て狩ると言う男の目という意味でございます。」
レイは色々な感想を吐き出してから正しく綺麗に言い直すと・・・ムクロは温泉から上がると言って出て行き。
受けつけ前でファムとユキシロの2人と合流すると。
同じように牛乳を飲んで一息つくと・・・
「うぅぅ~~まだくらくらするけど・・・ムクロッち悪かったね・・・
何かベタベタしてたみたいでさ・・・その・・・ワザとじゃないからね??」
「あぁ・・・知ってる。
クーリアはいつもはもっとフレンドリーに触れてくるからな。
あんなクーリアは見たことが無かったから少し新鮮というか以外だったというか・・・ん?どうしたんだ??」
「あぁ~主殿がクーリアを泣かしてるのじゃ~~~」
「ムクロって・・・良いことを言ってる風に言ってるつもりだろうけど・・・これはクーリアにとってはちょっと恥ずかしい事だと思うよ??」
クーリアは恥ずかしそうにあわわとしながら受付でコーヒー牛乳を買うと・・・
グビグビと飲み干し、夜風に当たって気分を変えると言って出て行くと。
ちょうどいいタイミングでユリハ達がやってきた。
「お待たせ~あれ?クーリアは??
さっき先に出て行くって言って言ってたんだけど・・・・」
「それはじゃのぉ・・・こしょこしょ・・・」
「何ィ!?ムクロがクーリアを泣かした!?
おい、ムクロ!!!女を泣かすようなことはするなとどれだけ注意したと思って・・・・」
「ミスト、きっとクーリアの伝え方にミスがあると思うんだけど・・・
さっきクーリアとムクロが話しているのを目の前で見ていたからわかるけど。
恥ずかしさでほろりと泣いてたかもしれないけど・・・嫌な泣き方じゃなかったよ?
何方かと言うと・・・嬉しそうだった。
で、さっき夜風に当たるって外に出て行ったんだよ。」
「そう・・・ファムの証言が無ければ今頃ムクロはミストの件の錆になっていたわね。
ファムに感謝する事ね。」
「いえ、ファムの助言がなくともミストの攻撃はこのご主人様専用メイドであるレイが防ぎ返り討ちにするので問題はなかったのですが。
この手で仲間を傷つけずに済んで良かったとファムに一応感謝はしておきましょう。
それに、物騒なことを言って申し訳ありませんでした。」
レイはぺこりと謝ると、ミストは気にしていないと言い返し・・・クーリアの帰りを待っていると。
風に流されるようにクーリアは受付に戻ってきた。
「みんなも温泉上がったね??それじゃ・・・私たちのホームベースに戻る??」
「そうだな、温泉とモブ狩りはある程度満喫できたし・・・・
あとはキャレットと女神に今後の話をするだけだ。」
「うん!私たちも協力するから!!ちゃんと行くときは誘ってくれないと駄目だからね??」
「ユリハはいつも主殿と一緒じゃなきゃだめらしいのぉ~~
まぁ、アタイもその仲間なのじゃが・・・・」
「それじゃ、早く戻ろうよ!!
私、街に戻ってお肉を沢山食べに行くんだ~」
「え・・・あれだけファムとユキシロは食べておいてまだ食べる気ですか??
その、言い方に問題があるとは思いますが・・・鎧が収まらなくなるのではないでしょうか??その・・・胸辺りか腰回りなど・・・」
レイはファムの体をまじまじと見ながら尋ねると・・・ファムは恥ずかしそうに言われた個所を隠しながら否定し。
すぐに装備を着こむとムクロたちに早く帰ろうと呼び掛けた。
「よし、忘れ物はないな??
少しだけだったが・・・いい温泉と料理をありがとな。」
「いえいえ、お礼を言いたいのはこちらですよ。
ムクロさんたちには本当に感謝しております・・・これであの黒いモブに頭を抱えず他のモブの対処にも悩むことが無く過ごせるのですから。」
女将さんと話してから裏のポータルに移動しているとクーリアが隣にやって来てコソコソと話し始めた。
「でぇ~あの美人な女将さんのことをムクロッちはどう思ってるわけ??」
「ん?美人なのは美人だが・・・何かあるのか??
思うって何を思うって言うんだ??」
「クーリア無駄よ?ムクロにはああいう大人過ぎる美人は恋愛対象に映らないと思うわよ?
だってこのムクロよ?ムクロが大人な女子に興味があると思うの??」
「ご主人様には大人過ぎるのもダメっと・・・よし。」
「レイちゃん・・・何が良しなのかな??
ん~そんなこと言ってる間にみんな着いたよ!!」
「のわぁ~いつも使っておるぽーたるよりも大きいのじゃのぉ~~~」
「そうだね。
こんなに大きなポータルがあるのに中からだと何にも見えなかったよね??
何かトリックでもあるのかな??」
ファムは不思議そうに語るが、その視覚的トリックはまた後日と言う事でムクロたちはアイテムを使ってポータルを起動させ。
始まりの都に戻って行った。
「それじゃ、俺はキャレットに話を付けてくるからユリハ達は戻って・・・・
くれによな・・・・」
「当たり前でしょ??ムクロ君を1人にするといっつも何か面倒なことに首を突っ込んじゃうんだから。
誰かがムクロ君の代わりに話をする人が必要だと思うしね。」
「うんうん・・・と言いたいところだけど・・・私は果実酒の眠気が出てるからログアウトして本格的に睡眠するよ。
それじゃおやす~~~」
そう言ってクーリアはログアウトし、レイは付いて行きたいが天使に慣れていないキャレットたちスタッフの事を考え。
ファムやレイ達をホームに返すと・・・ユリハ達がムクロの補佐として付き添う事となり。
キャレットのいる本部に乗り込んだ。
「あはは・・・キャレット・・・話をしに来たんだが・・・ユリハ達も付いてきたんだが・・・大丈夫か??」
「はぁ~ダメと言ってもここまで来たんだから邪魔だから出てって・・・何て言えるわけないでしょ??
それに・・・どうしたの??なんだかユリハちゃんたちピリピリしてない??」
2人がコソコソと話をしていると・・・ユリハが肩をトントンと叩き振り向かせると。
「ちょっといいですか??
2人でコソコソ話さずに私たちに聞こえる声ではっきりと言ってくれるとすっごく助かるんですけど??」
「うむ、ユリハの言う通りだ・・・何を企んでいるのか知らないが。
単刀直入にムクロに・・・いや、私たちに何をさせる気なのだ??」
「先輩、失礼します。
ムクロの愉快な仲間たちがきていると耳に入りまして・・・この作戦の銭湯チームにこの者たちに務まるのでしょうか先輩??
ムクロの腕は私が認めますが・・・他のプレイヤーは・・・」
そう言ってラボに乱入して来たのは、以前ムクロと共同作戦を行ったレンブであった――――――――
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