第266話 デラントとの再会と災難

――――――――――――――――下校途中


家に到着すると・・・広間のテーブルで宿題をやり始め、各自でノートを見たり教科書を見て進めていたのだが。

耀子は宿題のプリントをじっと見つめて深く考え・・・そっと悠一の隣に移動し、由里にゆにくっ付いて問題の解き方を尋ねてきた。


「ねぇねぇ~悠一ぃ~~ココわかんないんだけど、教えて??」

「それは今日の授業で習った所だろ?教科書にも書いてあるから調べてみろよ。」

「そうよ、宿題はできるだけ自力でするものよ???

所で悠一、ここなんだけど悠一の答えどうなったのかしら???」

「えっと・・・その、わからないところがあったら私も手伝うから・・・

どこがわからないの???」

耀子は仕方なく由里の横に移動して問題の個所を尋ねると、由里は分かりやすく問題の解き方を耀子に教えていると―――――――


「ただいまぁ・・・みんな、順調に勉強できているのか??」

「おかえりなさい、涼孤さん・・・何とかなっていますよ・・・アハハ。」

「早く終わらせてグロリアをプレイ・・・ここがこうなって・・・こうだ!!」

「耀子、そこはそうじゃないわよ??

ここは、こうやってから・・・・こうするのよ?わかった?」

「こうやって見ると耀子に姉が2人もいるように見えるな。

さて、俺は宿題終了・・・それじゃ、耀子が宿題を終わらせる前に俺は服を着替えてくるかな。」

そう言って服を着替えて戻ってくると・・・耀子は大の字になって、くたびれていた。


「やっとおわった・・・・2人には感謝してるけどさ?これだけ頑張ってやったらグロリアに回す体力が・・・・」

「へぇ~そう、それだったら耀子はここでお留守番でいいのね??」

「だったら耀子の分まで私たちが楽しまないとね。」

耀子は言われっぱなしで我慢できず・・・2人がやる気ならと、耀子も射的をするためにグロリアにログインすると言いだし。

俺たちはグロリアにログインし、まずはホームに顔を出すことにした。


「お、レイにユキシロたちもみんないるな。

これからユリハ達と新しくできた射的の店に行くつもりなんだが来るか??」

「お帰りなさいませご主人様・・・射的ですか??やったことがないので是非ともやってみたいものです。」

「主殿おかえりなのじゃ!!!

レイレイが行くのならアタイたちも行くのじゃ!!

ファムも前からその射的屋に行きたがっていたのぉ・・・じゃけど、アタイたちもやり方を知らぬからレイレイと一緒に教えて欲しいのじゃ。」

「そういうこと!!!私・・・こういうのちょっと苦手だから・・・よろしくね。」

レイやユキシロたちは前々から目を付けていた店であったらしく、射的の店に行くと言う事で話は決まり。

ユリハ達がホームに来るのを待っていると――――――


「ただいま~お待たせ、ムクロ君。」

「私たちも一緒だよ~~・・・えっと、この様子だとレイたちも行く気満々って事で大丈夫そうだね。」

「なら、話は早いわね・・・早速その射的屋にいきましょ?」

「ですが、ミストはいいのでしょうか?

先程から顔が見えていませんが。」

例の心配するミストの件について話すと・・・レイは納得し、クーリアの案内で噂の射的の店に向かった。


「ここ噂の射的のお店だよ・・・人も何だかいるのかいないんだかなんとも言えないケド・・・商品はロシアのアイテムから色んなものがあるよ。

レア度が高いものほど取りにくくなってるから狙うのは取りやすいモノにした方がいいかもね。」

「いらっしゃい、射的してくかい??

何だか色々知ってる風に話していたが・・・嬢ちゃんは初めての顔だよな??」

店の主らしきプレイヤーがクーリアの前にやって来ると・・・・軽く、この射的の遊び方を説明し始め。

玉は1回5発まで撃て、商品は弾を当てて落とすことができればいくつでも取れると言うシステムであった。

他の客もある程度慣れているのか・・・簡単に取れそうな商品だと連続でゲットしている様子で――――――


「それじゃ、私がやってもいいですか??

1回いくらなんですか??」

「そうだな、嬢ちゃんに負けて500リムドだ!!!」

「おい、おつちゃん・・・ソレ割引とか何でもないだろ???

オッス・・・、こんなところで奇遇だな。

それに、何だ??可愛い彼女を沢山連れて・・・見せびらかしか??」

「アンタは・・・か!!いやぁ、あの一件以来だな・・・あれから連絡できずですまなかったな。

連絡するつもりが色々ごたついててできなかったんだが・・・デラントも射的で遊んでるのか??」

久々に出会ったデラントにユリハ達を紹介すると・・・デラントはムクロに肩を組んでコソコソと話をはじめた。


「で、どこのが本命なワケ??でさ?あと・・・スゲー目つきの女アバターこの辺りで見かけなかったか???ちょっと息抜きのつもりがハマっちまってさ・・・」

「スゲー目つきの悪いアバター??いや、そんな目をしたアバターは見かけてないが。」

「ムクロ君!!全然あたんない!!!コレどうやって狙えば・・・・」

「ムム~~アタイも全然ダメなのじゃ~~ファムはどうじゃ??」

「ん~お菓子が2個落ちたくらいかな?あのレアアイテム交換プレートが中々落ちなくて・・・」

「ユリハ、それに皆さん・・・少し離れてください。

1個ずつなんて性に合いません!!剛腕装甲!!・・・・射撃シューターモード!!!

―――――――――――発射!!!」

レイの剛腕装甲が変形し・・・巨大な砲台になり、レイの掛け声と同時に轟音が鳴り響いたと思えば店の中の商品の大半を落としていたが・・・店の主が全力で注意してリスタートをかけ、再び0から始まった。


「アハハ・・・レイちゃん、これはこの銃で狙うゲームだから。

ゆっくり楽しもうよ。」

「私はどうもこういうちまちました作業が苦手というか・・・」

「だからって街中であんなもの発射したらダメだと思うわよ??」

「レイレイはたまにハメを外しすぎるときがあるのじゃが・・・今がそのときじゃな。」

「うん・・・さっきの計算だとお店側は大赤字だよ。」

「ムクロ・・・アンタ、相当な物好きだな・・・久々に街中でスゲェもん見させてもらったよ・・・んじゃ、俺も腕を見せるとするかね。」

デラントは片手で銃を持つと・・・片目を閉じて狙い撃つ姿勢を取ると―――――

連続で3発を撃ち込むと・・・レアの商品を3つ連続で落として見せた。


「どうよ?かれこれ数時間ここで練習した成果だ!!!」

「デラントさんすごいですね!!!私なんて全然・・・まだ一つも当たってないですアハハ・・・」

「銃の腕ならアヤカがきっと一番だと思うけど貴方もなかなかのモノね。

それが戦闘で使えるモノかは別としてね。」

「主殿は射的しないのかのぉ??やってみると意外と面白いのじゃ!!」

「そ~だよ!!私たちだけ撃っててもアレだし、ムクロも一緒に遊ぼうよ!!」

「そうだな・・・デラントに負けてられないしな!!おっちゃん、1回よろしく。」

「あいよ・・・ホラ、弾5発だ。」

店の主から弾をもらうと・・・まずは小手調べとお菓子を狙って銃の性能を確かめることにした。


「よし、現実の射的より狙いやすい・・・それに、アヤカとのガンフィールドでの経験が生かせそうだ。

ここらからだと、この辺りか・・・・よっと。」

「ムクロ君すごい!!!連続でヒットだよ!!!どうやったらそんなにうまく狙えるの!?」

「へぇ~ムクロは剣だけかと思ったが・・・コッチもいける口か。

こりゃ・・・面白くなってきた―――――――」

に射的で遊んでる奴が・・・何が面白くなってきたんだ???デラント!!!ちょっと、こっちに来い!!!話は先輩の前でたんと話すんだな!!!」

と、デラントが目のキツいアバターと言っていた・・・キツイ目をしたアバターであるに見つかり、耳を引っ張られながら俺たちの事を見ることなく本部の方に別れを言う間もなく連行されて消えて行った。


――――――――――――――始まりの都:射的屋


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