第246話 定番のゲームで勝負!?

―――――――――――――――ルゴーの酒場


グラスを片手にコクコクと果実酒を飲み・・・大量に並べられた料理を食べながら立食形式で宴会を各自で楽しむ中・・・ムクロは1人酒場の外で夜風を浴びながら黄昏ていると―――――――――


「やっぱりここにいた・・・ダメだよ?ムクロ君がいないとみんなが大騒ぎになっちゃうんだから。

早く戻らないと・・・がお~って食べちゃうよ!なんちゃって。」

「あはは、相当その衣装が気に入ったみたいだな。

だが、そうだな・・・大騒ぎになるのも面倒だ・・・・さぁ、皆の所に戻ろう。」

と、ユリハと部屋に戻ると・・・・アヤカは酒ですでに完成済みでごろんとしており、ユキシロとファムは互いにモシャモシャと料理を食べおり、クーリアたちはカラオケを楽しんでいた。


「あ、ムクロッち~どこ行ってたのぉ!?

しかもユリハと一緒に帰って来るとか・・・ナニ~2人で甘い密談って事なのぉ?」

「おいおい・・・クーリア・・・そんなに突っかかるなって・・・別に俺とユリハは何ともないから。

俺が外で黄昏てたらユリハが連れ戻しに来ただけであって・・・・なぁ?」

「う、うん・・・ただそれだけだよ!」

「モシャモシャモシャ・・・・2人がそう言っておるのじゃ・・・疑っても仕方のない事なのじゃ!!」

「そうだよね!!!今は食べて飲んで楽しく過ごそうよ!!!モシャモシャモシャモシャ―――――――――」

「2人は一体いつまで食べるつもりなんだ??

いや、そんな事よりも・・・2人が戻ったんだ、じゃんじゃん飲もう!!」

「ふぅ・・・アヤカってばいつも大丈夫大丈夫と言ってすぐに潰れちゃうんだから・・・・あと、ヴァニスもゆっくりお休みなさい。」

「ムニャムニャ~~~もぅのめない~~~スースー」

「う~~目が回るゥ~~~~ふにゃ~~」

「えぇっと・・・それではアレをやりますか・・・・宴会と言えばあのゲーム・・・・・

―――――――王様ゲームを!!!」

レイはどんッと机にグラスの中に入った棒のセットを叩きつけると・・・・クーリアや食べることに夢中だったユキシロたちまでもが首や手をボキバキと鳴らしながらやる気満々な顔で近づき・・・今回はパスしようとすると、逃がさないと言わんばかりにレイ達に囲まれ・・・強制参加となった―――――――――


「さぁ、始めましょう・・・ルールは前回と同じで、王と書かれた棒を取った方が好きな番号に命令して実行するというモノです。

それでは・・・・1回戦・・・・・オウサマダ~レダッ!!!」

「あ、私が王だよ!!王になっちゃった!!!アレ?王ってあんまり美味しくない――――――――――役だったりしない??」

「そんなことないわよ?確率は数字の書かれた棒を引き当てるより難しい事よ?・・・・王は数字の書かれた棒を持つモノに命令を与えられるだけで

王自体は命令内容に参加できないというのがルールだから・・・ファムは数字を言って、命令を私たちに伝えるのよ?わかった?」

エリはファムに王のするべき仕事と数字に書かれた役の運命をファムが握っていることを直接ではなく感じ取れるように話すと・・・ファムは数字を言ってから命令内容を考え、テテーンと思いついたのかパッと手を叩いて思いついたことを話し始めた。


「それじゃ・・・命令は、指定した数字の人同士が・・・からおけ?のデュエットを歌う!!って言うのはどうかな??」

「おぉ~面白そうだな・・・俺はファムの指定した数字じゃないが・・・誰がファムの指定した数字持っているんだ?」

「わ、私が・・・歌を歌うの?そんなに上手じゃないんだけど・・・王の命令を無視すればゲームじゃなくなる・・・わかったわ・・・歌うから相方さんは誰なの?」

「アタイなのじゃ!!!おぉ~エリと一緒とは何だかくすぐったい感じじゃの!!!で、からおけとは・・・何をどうすればいいのじゃ?」

ファムとユキシロはカラオケというモノを詳しい事までは知らず・・・エリが曲の選び方やマイクの使い方を教えると・・・ユキシロはエリに尋ねることなく曲を入れると・・・デュエットの演歌が流れ、歌ったことのない曲の流れにエリはおどおどしながら歌う一方で・・・ユキシロは本当に初めてかという程に上手に歌い上げ・・・・1回戦が終わるとすぐに2回戦が始まった。


「それでは2回戦開始です・・・オウサマダ~レダ!!!」

「――――――――お、今回は俺が王様だな・・・・」

「ふむぅ~主殿は一体アタイたちに何を命令するというのじゃろうか・・・・じゃが、アタイはこんな棒切れがなくとも命令は聞くのじゃがのぉ~」

「あはは・・・でも、ムクロ君は常識があるからマニアックな内容は出ないと思うけどなぁ。」

「そうだな、何を言われてもやり遂げる自信はあるぞ!!!

さぁ、どんなハードな内容でもいいからどんとこいだッ!!!」

「ミスト・・・お酒で少しテンションが上がってるね・・・・でも、私だってなんだってやっちゃうよ!!!ホラ、ムクロッち!!!カモーンカモーン!!!」

まずは数字を言い・・・それから命令を考えると・・・頭をよぎった内容を口に出した。


「3番と5番が・・・・可愛いポーズをとって写真撮影なんてどうだ??」

「なッ!?何を言っているのムクロ君ッ!?

私の番号は・・・4・・・てことは―――――」

「ハァ~しっかたないなぁ~私が一肌も二肌も脱いじゃいますか~これはムクロッちの命令だし?仕方ないよねぇ~ユリハ??フフ・・・」

「ふむ、私も違ったか・・・・では、だれが・・・ん?」

「な、ご・・・ごごご・・・ご主人様ッ!?私に可愛いポーズ何てできるはずがないです!!!そんなの・・・今まで一度もしたことないですし―――――――」

「レイレイは嘘を言っておるのじゃ~レイレイはたまに鏡の前で何かしらのポーズをとって・・・・いだだだ!?剛腕でコネコネしたらダメなのじゃ!!!」

ユキシロはレイのしていたことを赤裸々に話すと・・・レイは恥ずかしさと同時にこれ以上話せば違う事も漏洩すると考え、剛腕装甲でユキシロをこねこねし始めると・・・・もじもじするレイにクーリアが手を伸ばしていた。


「初めてなら・・・私が可愛いポーズ教えてあげるよ!!!

レイは可愛いんだからもっと意識しないとダメダメだよ??

ホラ、先ずこうやってみて!!!早くッ!!!」

「こ、こうですか?うぅぅぅ・・・・ご主人様やユリハ達に見られて・・・・恥ずかしい・・・・」

「レイちゃんすっごく可愛いよ~~~はい、チーズ。」

「うむ、私も何枚か写真を撮らせてもらうか・・・・良い記念になりそうだ。」

「私も~~パシャパシャ!!」

「クーリアの写真何て撮っても価値はなさそうだけど・・・記念に一枚くらいは撮っててあげようかしら。」

「たまにはこうやってハメを外すこともレイには必要だよな――――――」

と、色々な角度からフラッシュがパシャパシャと光り・・・ポーズを一通り行うと、クーリアとレイの写真撮影会は終了し・・・3回戦が始まろうとしていた。


「そ、それでは・・・・3回戦です・・・今度こそ・・・オウサマダ~レダ!!!」

「はぁ~次の王様は私ね・・・いつか来るんじゃないかと思ってたけど・・・意外と早かったわね。

それじゃ、私は全てが決まっているからパパっというわよ?

まず、1番と5番が・・・二人羽織で料理を食べてちょうだい。

どちらが食べる役か食べさせる役かは自由でいいわ・・・さぁ私に良いモノを見せて頂戴!!」

エリは悪い顔をしながら番号と命令を伝えると・・・数字で選ばれたモノが出てくると、エリ達の顔が素に戻り―――――――


「えっと・・・本当にムクロたちが番号・・・なの?

ウソよね?あ・・・・言うんじゃなかったわ――――――」

「ドンマイだ・・・エリ・・・だが、ここからは私たちにとって苦痛の時間となるかもしれないな・・・・」

「あはは・・・それじゃ、ムクロ君・・・どっちがいい?」

「俺はどっちでもいいけど・・・ユリハはどうなんだ?」

「イチャイチャしないでとっとやってとっとと離れてくれると嬉しいな~~~」

「ニニンバオリとは何なのじゃ???どうやって遊ぶゲームなのじゃ?」

「それはですね・・・大きな羽織に2人が入り、1人が目隠しをしてから袖から腕を出し・・・2人目の口に料理を運ぶというモノです。

宴会芸で人気のあるゲームらしいですが・・・あの組み合わせはイチャイチャを見せつけているようにしか見えませんね・・・・全く―――――」

と、説明しながら役が決まり俺がユリハの口に料理を運ぶ役になり・・・ユリハの後ろに入ると・・・問題のゲームが始まろうとしていた―――――――――――


―――――――――――――――ルゴーの酒場

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