第239話 ラストバトルアラーム

―――――――――――始まりの都:緊急街クエスト


レイの攻撃によって弾かれたドーザーは裏返って身動きができずにもがいていると・・・声が聞こえ、その声の主はミストとファムであった――――――――


「やっぱりムクロたちも参加していたか!!!

で、このデカいムカデはどうやって倒すんだ??」

「私なら自慢の炎で焼いちゃうけど・・・この大きさなら被害が出ちゃうかもしれない・・・」

「2人も参加してたのか・・・これならボスラッシュがもっと楽になるな。

よし、コレで大丈夫だろ??」

「ありがとうなのじゃ!!!じゃがのぉ主殿・・・ミストとファムにレイレイ以外にも皆来ておるのじゃ!!!」

「ハ~イ、みんなぁ~~このクーリアちゃんを呼んだかなぁ???」

「そんなわけないでしょ??ムクロが指名するのは私だけよ。」

「ムクロさんのお仲間さんが援軍に来てくれましたね!!!」

「これは勝ったね!!!さぁ、リィ・・・・みんなに点数を取られないように私たちも頑張るよ!!!」

動けないドーザーに対して、不用意に突撃するロロは・・・ドーザーの反撃を喰らい毒状態になると、クーリアとエリに指示を出し・・・ロロの回収と解毒を任せると起き上がったドーザーとの戦いが再び始まろうとしていた。


「ギシャァァアアァァァァァァ――――――――――」

「本当に中級層のドーザーと同じような行動だな・・・・

って、事は・・・このドーザーも弱点は炎だ!!!

ファムは被害が出ない程度に炎攻撃を頼む!ユリハと俺たちはファムに向いたタゲをこちらに向けさせるように攻撃しつつ回避だ!!」

「了解だよ!!!ムクロ君!!!

―――――――――4連星突きフォースターレイン!!!」

「さぁ、ポイント集めに行くぞ!!

―――――――アークブレイク!!!」

「ぐぐぅ・・・毒は結構効くなぁ・・・ぐぅぅ・・・」

「リィはロロの事を心配せずにやっちゃいな!!!ムクロッちたちが付いてるから大丈夫だと思うから!!!」

「そうね・・・自分の身は自分で守るがムクロの主義だから・・・大丈夫よ、見殺しにしないのもムクロの主義だから。

負傷したら私たちが回収して治してあげるからドンドン前線に向かいなさい!!

そこにいる貴方達もドンドン行きなさい!!!それでもプレイヤーなの!!!

武器を持つのは何のため?勝利を掴むためでしょ!!!」

「フム、今日のコトハは少し熱いですね・・・ですが、そういうコトハも嫌いではないですが・・・さぁ、平凡なプレイヤーの皆々様・・・突撃です!!!」

「あんなこと言われて黙っていられるかってんだよ!!!」

「そうそう・・・それにメイドの姉ちゃんの鼓舞はきくなぁ!!!」

「だな、行くぞ野郎ども!!!死んでもあのムシにくらいつけぇ!!!」

レイとエリによる鼓舞によって他のプレイヤーは負けられない気持ちと共に多人数でドーザーに攻撃を始め・・・ファムは緋炎でドーザーに攻撃すると、やはりと言うべきかドーザーはファムにタゲを集中して攻撃を仕掛けていた。


「きゃぁッ!?この大きな虫は・・・火が相当キライなようだね・・・うわぁッ!!」

「そうだな・・・ファムはそのままドーザーに緋炎攻撃を頼む!!!

さぁて、俺はヤツの背にでも乗って攻撃をするかな・・・」

「えッ!?待ってムクロ君!!そんなことしたら危ないんじゃ!?」

ユリハに危険を承知でヤツの背に行くことを説明すると・・・ユリハも一緒に付いて行くと言い出し、それを聞いたリィも無茶だと知りつつ一緒に行くと言い・・・言い争ってる場合じゃない事もあって、腹下をミストやユキシロに任せると俺たちはレイの剛腕装甲で背中に飛び乗ることに成功した。


「で、ムクロ君・・・この硬い背中をどうやって攻撃する?」

「ファムの緋炎で焦げた部分を狙えば装甲ごと肉体に攻撃できるはずだ・・・こんな感じで・・・・なッ!!!ゼイアッ!!!!」

「ハイ!!ここを・・・剣で・・・攻撃っと!!!えいッ!!!」

「――――――――ギシャァァァァ!?!?」

焦げた部分を攻撃することによって装甲が砕け弱点が露出してダメージが入るとダメージによってドーザーは大きく暴れ出し、腹下から追撃とばかりにプレイヤー達と共にミストやユキシロが攻撃を加えるとドーザーのたり力がどんどんと削れ、トドメの一撃とファムの緋炎を纏った槍攻撃を放つと・・・ドーザーの体力が消滅し息絶え、体が砂のように消え去って行った―――――――――


「おっしゃぁ!!!ポイント1260点GETだぜ!!!!」

「へへん!!俺なんかダメージボーナスついて3890点だ!!!」

「おいおいポイントを競い合ってる場合じゃないぞ・・・あっちを見て見ろよ・・・ヴァレットワイバーンが飛んでるぞ!!!」

「よし、次の獲物はアイツだ!!!さぁいくぞ野郎ども!!!!」

「ムクロ君、リィちゃんお疲れ・・・私たちはこれからどうする?

あのワイバーン狙いに行く?」

「いや、ワイバーンアレの討伐にファムが喜んで向かったからすぐに終わるだろうから・・・・俺たちは休憩して次に備えよう。

で、ロロの容体は大丈夫か??」

「うん・・・少し気持ち悪いけど平気だよ。」

「無理もないわ・・・毒の耐性も微々たる程度しかないプレイヤーが中層クラスの毒を浴びれば気持ちも悪くなるわよ。」

「こういうがエリは気を使って言っておるのじゃ・・・気にしないでいいのじゃ。

じゃが、これから先は強敵が多く出てくると思うのじゃ・・・気を引き締めんと助けてやれぬかもしれぬ。」

「だが、それを無理にでも助けようとするのがムクロだ・・・だろ??」

「そうですね、ご主人様はすぐを助ける変なクセと女性の気持ちを考えず行動する癖を併せ持つのでご注意を・・・・」

レイの発言の度にコチラを睨みつけながら話すと・・・ユリハ達はうんうんと頷き納得した様子を見るとリィとロロはクスクスと笑って立ち上がり準備運動を始めて少しポイントをずらして公園に移動した。


「ここにはまだモブが出現していないみたいだな・・・・俺の予想ではココに最後のモブが出現すると思っているがユリハ達はどう思う?」

「うん、私も同じことを考えてたの・・・・商店街からぐるっと回るようにモブが出現してここだけが未だに出現していないところを見ると・・・ここにもモブが出てきてもおかしくないと思うよ。」

「それもこれからわかると思いますよ・・・ファムが帰ってきました。」

「みんな、ただいまぁ~手間取ったけどワイバーンを狩ってきたよ!!」

ファムが戻ってくると・・・公園の噴水に魔法陣が描かれ、中から水龍が水しぶきを上げて落ちてきた。


「こんなところで上級層のモブは駄目だろ・・・・ん?へぇそうか・・・どうやらコレがこの街イベントのラストらしい・・・ラストバトルの警告だ。」

「うん・・・街中にもアラートが鳴り始めたからすぐに人がやって来るよ!!

で、この水龍はどうやって戦えばいいの??」

「私の予想では・・・全力で攻撃をあの巨体に浴びせるしかないかと。」

「そうね、運営も無茶なモブを出してくれたものね。

このモブを狩るのに昔は30人がかりで戦って生き残りは4人になる程の強敵だったって言うのに・・・・」

「ううぇ~それって戦って大丈夫なの??私たち30人もいないけど大丈夫??」

「だが、水龍はこちらを見ていると言う事は・・・戦う気満々らしいぞ・・・・逃げられないのなら攻めて散るのが花だろ!!!私は逃げず戦おう。」

「わ、私も・・・ムクロさんや皆さんと一緒なら頑張れます!!」

「えぇっと・・・そんなこと言ってる暇はない・・・かもよ??

水龍が全員にターゲット付けて攻撃する気だよ!!!」

「リィ、無茶なことはしないでよ!!!みんながこれだけ言うんだから相当強いよ!!!」

と、ロロが注意した途端・・・水龍の翼から魔法陣が現れ無数の水弾が発射され、辺り一面を貫き砂煙が待っていた――――――――――――


――――――――――――始まりの都:緊急街クエスト

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