第227話 時間との戦い
―――――――――――――――天世界:導きの間
アドールの様子がおかしく・・・エリのスペルで拘束をして話しかけても反応がなく、
「ムクロ君・・・アドールのプレイヤーを確保したのだけれど・・・・未だにログアウトしていないのだけれど、そちらで何かあった??」
「あぁ・・・アドールを拘束してログアウトするように呼び掛けているんだがする様子がないんだ。
キルをして強制的に戻せるが、それをしたらまた何日間か町や村に入れなくなるからちょっと手が出せないんだ・・・皮肉にもアドールはプレイヤー扱いだからな。」
「アドール・・・この状況で逃げることもできないのにどうしてログアウトもせず自首しようともしないの??」
「ユリハよせ、アレだけ話してフンとしか言わなかったんだ・・・何も答えることはないだろう。
だったら・・・ムクロの代わりになると言うのであれば、私がこの者をキルをして。」
「待って!!それって・・・私たちNPCがキルをしたらどうなるの??」
「そうですね・・・きっと処罰内容が書かれた通知メールが届くはずですが、そのような事例を聞いたことがないので何とも言えません。
ですが、ファムもユキシロも手を出す必要はありません・・・・こうなれば私が剛腕装甲で一思いに―――――――」
「ちょっとちょっと!!ムクロがまだ考えてるんだから急がなくてもいいんじゃない??現実だと身柄を確保して待機している事だし。」
「うんうん、でも・・・このアドールって人・・・なんだかすっごく怪しくない??黙ってこんなことして意味ないはずなのに。
待ってたら何かが変わると思っているのかな??」
クーリアの発言に何かピンと思い当たる節があり・・・グロリアの風景について情報検索を開始すると嫌な方の予想が的中した―――――――
「マズイぞ・・・・みんな、落ち着いて聞いてくれ。
この天空城は俺の予想ではココが中心だが・・・この前ユリハ達と行ったレヴァンの遺品のあった場所も天空城の一部だと思ってリアルタイム画像を検索してみたら・・・この通りだ。」
「これって・・・次元を突き破って落ちてきてるの??」
「見た感じはそうだな・・・だが、どうしてあの天空城が落ちて・・・まさか・・・アドールはコレを待っていたと言うのか!?」
「ハハハハ!!!そうだ・・・そうだそうだそうだ!!!これが私の最終プランである地表の殲滅だ!!!
まずは日本のゴミプレイヤーどもを駆逐し、そこに拠点を作る作戦であったが・・・こうなればと女神に権限を奪われる前に発動しておいたのだよ。
そして、私はただこの安全な場所から見ているだけだ・・・・お前たちの世界とお前たち自身が滅ぶサマを――――――――――」
「どけ、こいつは俺が処刑しておいてやる・・・・お前たちは自分の世界を救いに戻れ。」
多少回復したセレタスはアドールを蹴り飛ばし、天世界内移動用の転送石をファムに投げつけた。
「これは・・・そうか、あの落ちているアレも元々は天世界と同じだからコレであの中に移動できるって事だね!!!
ありがとうセレタス・・・でも、どうして???」
「礼はいい俺はコイツの野望とやらのせいで仲間やファムの大切なモノを気付付けた・・・だが、お前達にはまだ取り戻せる可能性がある。
だから・・・お前たちは全力で全てを救え、全力でだ。」
「あぁ、わかった・・・・そのアドールの処分は任せた・・・それじゃファム、ユリハ・・・それに皆、移動して対処開始だ。」
「な、待て・・・私を早く殺せ・・・・がぁッ・・・・・」
アドールはセレタスに任せ・・・俺たちはファムの手の中にある転送石に手を当てて移動すると、そこはグロリアの地上へと傾きながらゆっくりと近づいている天空城で・・・内部の機械系のモブは昨日が停止しているのか倒れて動かなくなっており、まずは奥のコントロールルームを目指して移動を開始した。
「ここで天使を作る実験をしていたんだな・・・・だが、ルートがイマイチどっちが奥なのかわからねぇな。」
「大丈夫だよ・・・みんな、私についてきて。」
「おい、どうしたんだファム??道でも知っているのか??
どこかにマップでもあったのか??」
ミストはファムにどうして道がわかるのか問いただすと・・・・ファムは笑いながらここを微かに覚えているらしく、記憶があやふやでハッキリとはしていないが大体の道がわかるらしく・・・ファムに導かれるように移動するとコントトールルームに辿り着いた。
「ファムのおかげで何とか間に合いそうだ・・・さぁ、中でコイツを止めれるか自爆させるか何か対処法を探そう。」
「うん、私はあまり機械に詳しくないけどできるだけ調べてみるよ!!」
「さぁ~て・・・最後は情報戦ってワケだねぇ~~それならこの情報アイドルクーリアちゃんにおまかせぇ~~~カタカタカタカタ・・・・・
おっと、なんだかすごい情報ばかり出てくるねぇ・・・天使の作り方だとか趣味の悪い実験場まるだしだね。」
「そんなものはいいですのでとっとと自爆させるなり壊すなりするようにできないのですか??数少ないクーリアの出番ですよ???」
「それじゃ私は外で接近具合を監視してるから・・・何かあれば連絡するわ。」
と、アヤカが出て行こうとした時・・・天空城が大きく揺れ、時間が刻一刻と近づいていることを感じさせ、クーリアも必死に情報を探していると―――――――
「イエス!!あった!!!ムクロッち~~みっけたよ~~~自爆コードだけど。
でさでさ・・・停止方法を一応探したんだけど外部からとこちらからの認証コードがいるらしくてコッチはダメみたいだから自爆させる方が手っ取り早いけど・・・どうする??」
「私の事なら気にしなくていいよ・・・・兄様の遺品も全部なくなっちゃうのは悲しいけど私にはみんながいるから!!!それにこれが地上に落ちる事だけは避けないといけないから。」
「ありがとうファム・・・それじゃクーリア、自爆の設定を頼む。」
クーリアは了解と張り切って自爆設定を行い・・・5分後に起爆するようにセットすると、俺たちは出口の方へ向かい・・・・クーリアのスタートという掛け声と同時に走り出した。
「みんな・・・こっちだよ・・・・アヤカ!!!ここは爆発するから早く逃げないと巻き込まれちゃうよ!!!」
「なッ!?揃いも揃って結局そういうオチになるの!?本当にムクロはしっかりしなさいよね!!!私たちのリーダーでしょ!!!」
「わ、悪かったな・・・探してみたんだがこれしか方法が無くてな・・・・
俺なんかよりファムの方が辛いはずなのにな―――――」
「そうでしょうか?辛い感情もあるでしょうが私はファムが・・・ご主人様とのこれからの道を選んだ風に見えたのでございますが???」
「主殿は女心がわかってないからのぉ~~~その辺は触れないでおくのじゃ~~で、もって・・・早く走らんと巻き込まれて真っ黒こげになるのじゃ~~~」
天空城内に自爆まであと2分と警告アラームが鳴り響き・・・・施設内から出ると、そこは大きなフロアが広がっており地上が見えていた。
「ご主人様、前回と同じようなやり方での移送でよろしいでしょうか?」
「あぁ・・・だが、なるべく早くな。
ここにいる最後の実験体か知らねぇが・・・・また面倒なのが出て来たもんだ。」
「ムクロ君私も手伝うよ!!!みんなは先に脱出して!!」
「そんなこと・・・・・」
「できるわけないっしょ???」
「だって私たちは・・・・運命共同体だからね!!!」
ファムが決めるとこを決めると黒い天使というよりも黒い人型の塊が力任せに突っ込んで来ており・・・・危ないと感じたら地上へと逃げるように指示して全員で黒いヤツとの交戦が始まった―――――――――
―――――――――――――天空城:広間
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