第170話 打ち明けられずに・・・
―――――――――――自室
電話をかけると・・・由里は誰かと話中で、間が悪かったと後程に電話をすることにして・・・ブロッサムでネットを開き新しいネタや武器のドロップ等を流し見していると由里から電話がかかってきた。
「もしもし、由里か?
――――――その、どうしたんだ?」
「その、さっきかけてきた時・・・耀子ちゃんと電話中で出れなくてごめんね。
悠一君と今日、互いにあったことを話したいなぁって思って。」
由里の発言に俺はヴァニスの事しか頭になく・・・どの話を切り出せばいいのかと考えていると・・・・
「ねぇ、悠一君?大丈夫?
―――――その、今日はみんなで部屋の家具を揃えて・・・部屋を完成させたんだよ!それで、悠一君の部屋だけまだ家具が揃って人だけど・・・どうする?
自分で家具揃える?それとも私たちが揃えようか?」
「あぁ、ごめん由里・・・ご飯食べたからボッーーーとしてた。
その、ユリハ達に任せたいのはやまやまだが・・・少し悪戯を仕込みそうな連中がいるから俺が揃えるとするかな―――――」
俺が苦笑いをしながらそう言うと、由里も苦笑いをして笑っていた。
「それにしても、ファムの部屋は何とかならなかったのか?
あれは・・・部屋と言うより食糧庫じゃないか?」
「ふふ、耀子ちゃんと同じこと言ってるよ~悠一君。
でも、ファムはファムで考えて作った部屋だからいいんじゃないかな~
それに、皆・・・楽しそうに作ってたよ、悠一君がいつ帰ってきてもいいように掃除も皆でしたしね。」
由里が場面を思い出しながら笑って話すと、俺もつられて笑い・・・
「俺も早く帰ってみんなと会いたいさ・・・明日で期限の3日だから、明日には戻れると思うし・・・本当に楽しみだ。」
「そうだね、そろそろだよね・・・それにユキシロもレイもすごく楽しみにしてたよ?
あと、帰ってきたらみんなでクエストにでも行かない?」
俺は由里の提案に賛成し・・・「皆でクエストに行くか」と言うと・・・由里はクエスト選びは私たちに任せてといてと言い、俺はユリハにすべてを任せることにした。
「私たちの方で話せることは話したけど・・・悠一君の方は順調?」
「あぁ、俺の方は順調だ・・・今日はモブが大量に出てきて全然進めてないんだが・・・・・でも、キャンプしたところがすごい星空でさ・・・街じゃ、あそこまで多くの星は見れないだろうな。」
そう言って俺は由里にその星空のスクリーンショットの画像を送ると・・・由里は「すごく綺麗」と呟いていた。
「また今度、こんな夜空が見れたらいいね。」
「そうだな、でも・・・これからは遠出もできるし・・・
たまには2人で冒険もいいかもしれないな。」
俺の発言に由里は今度行こうとすごいテンションで食いつき・・・俺はイエスとしか言い返せなかった。
「んん~よし、明日もたくさん話したいことがあるし・・・今日は寝ちゃおっか。
―――――それじゃ、悠一君おやすみ♪」
「あぁ、由里・・・おやすみ。」
俺は最終的にヴァニスの事を話すことができず・・・悩んでいたが・・・どうにかなると自分に言い聞かせ、ベッドに横たわった。
そして、翌日・・・いつものように姉さんと朝食を済ませると、由里達との待ち合わせ場所に向かうと・・・由里達が楽しそうに話し、俺たちに気付くと・・・耀子が俺に突撃してきた。
「悠一おっはよ~~う!!!え~い!!」
「のわッ!?・・・よぉ、耀子・・・由里もコトハもおはよう。」
「悠一君おはよう、涼子先輩もおはようございます。」
「うむ、3人ともおはよう。」
「うん・・・おはよう、それじゃ悠一学校に行こ――――――」
コトハは俺の隣に来るとピッタリとくっついて移動を始めると・・・由里達が「やられた」・・・と、言う顔をして後を付いてきていた。
「ぐぬぅ・・・コトハめぇ・・・初めからこれを狙って・・・」
「あはは・・でも、こうやって見てるとわかるけど・・・コトハちゃんって悠一君と一緒だとすごく笑うよね。」
「そうだな、グロリアでも悠一と一緒だとウキウキしていると言うか・・・ご機嫌だな。」
「ねぇ・・悠一・・その・・・昨日の私の部屋の画像は見てくれた?」
「あぁ・・・本がすごかったな。
―――――あれは全部コトハのコレクションか?」
コトハはコクリと頷き・・・コトハがもじもじしながら口を開くと、ホームに戻ってきたら自分の部屋で一緒に本を読もうと誘われ・・・俺はコトハの誘いを了承すると・・・コトハはグッとポーズをとって喜んでいたのだが・・・・それを見ていた耀子も負けじと自分の部屋アピールにやってきた。
「コトハ~すごく楽しそうに部屋の話をしてたけど・・・私も混ぜてよ~~」
「はいはい、どうせ断っても入ってくる気でしょ・・・・」
「コトハも耀子の扱いに慣れてきた感じだな・・・で、耀子の部屋は写真を見た感じだとアイテムが展示してあったが・・・」
俺は耀子に部屋にあった展示されたアイテムの話をすると・・・・
「チッチッチ~~それだじゃないんだなぁ~~~
アレは展示品だけど、実は・・・全部私の所有物なんだよ!!
つまり、あの画像に載っていた激レアアイテムは私が持ってるんだぁ~すごいでしょ?」
「私はあまりアイテムに詳しくないんだけど・・・悠一君、あの画像に載ってたアイテムってそんなに貴重なモノなの?」
「そうだな・・・基本的にクーリアのジョブ的に装備はできないかもしれないが・・・価値は中々高いな、数に限りのある生成制限武器に稀にしか作成できない確立武器・・・どれも面白いアイテムばかりだと思うぜ?」
「私もそこまでだが・・・悠一がそこまで言うんだ、すごく貴重なモノなのだろうな、で・・・悠一私の部屋はどうだった?」
姉さんはどのタイミングで入ろうかと悩んではいたが、最終的に無理やり捻じ込んできていた。
「姉さんの部屋は、味のある部屋だな・・・落ち着きのあるって言うのかな?
グロリアの宿屋にもこういうアンティーク系の店が沢山あるしな。
――――――姉さんらしくていいと思う。」
「悠一って本当にグロリアとかゲームの話になると詳しいよね~
私が説明する手間とかいらないし・・・なんだか、悠一の方がいいモノ持ってそうで気になるから・・・ちょっと今度アイテム見せてよ~えへへ、悪いようにはしないからぁ~ね?ちょっとだけぇ~~」
「耀子、貴方のアイテムコレクションは自分で集めたが主なのよね?
それなら、悠一から貰ったりとか・・・しないわよね?」
コトハの一言に耀子は自分のプライドとアイテムを天秤にかけ・・・苦悶し、アイテムは受け取らないと言い・・・耀子のプライドがアイテムより勝っていた。
と、同時にコトハがニヤリと笑っていた・・・・
そして、由里が自分の部屋の話をしようとする前に・・・学校へ到着し・・・昼休みまでお預けになってしまった。
俺たちは自分たちのクラスに入り、席に着くと・・・俺はブロッサムを使って攻略サイトを見ていると・・・・
「ねぇ悠一・・・今日は・・・帰ってこれそうなの?」
「そうだな・・・帰ってログインしてみない事にはわからないな。」
「ムフフ、教室に入っても2人は仲良しですなぁ~~まさかデキたてり・・・アンギャッ!!!」
耀子がコトハに対して茶々を入れると、コトハは容赦なく耀子のほっぺをツネった。
「それ以上言うと・・・容赦しないわよ?」
「ご、ごめんてっば・・・でもさぁ~どうしてそんなにコトハはにやけてるのかニャ?イデデ!?ごめん、ごめんなさい!!!もう言いませんからぁ~~」
「2人は本当に仲がいいよなぁ・・・・」
俺がそう言うと、コトハと耀子は同時に「な、ワケない!」と強く言いながらも息もタイミングもばっちりだった。
2人がシャーシャー言っている間に予冷が鳴り・・・席に戻ると、担任がやってきてHRが始まった――――――
――――――――――学校
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