第171話 訓練の成果
――――――――――学校
やっと午前中の授業が終わり、背伸びをしていると・・・俺はコトハ達に用意を急かされて用意し移動すると・・・いつもの場所に姉さんたちが弁当を広げて食べながら待っていた。
「3人とも遅かったな。」
「クラスが遠いからね~・・・グロリアで表現すると、現在の私たちと悠一くらいの距離の放れ方だよね~~それに今回は悠一がもたもたしてたし~」
「そうね、悠一がもたもたして遅れたのは事実・・・・だけど、早ければ今日にでもホームに・・・悠一が街に入れるようになるのは、少し楽しみね。」
「うん、私もすごく楽しみだよ。
―――――ね、悠一君!って・・・アレ?どうしたの?汗かいてるけど・・・」
由里は俺の
「そうだ!それなら今日・・・皆で悠一を街の外から歓迎しようじゃないか!!!
どうだ?悠一?この私のプランは!!」
「あぁ・・・良いんじゃないか?あはは・・・・」
「ムム、悠一ぃ~何か私たちに隠してない??
まさか・・・あぁッ!?私たちに内緒でクエストに行ってレアアイテムをGETしたでしょ!!!
あ~あ~いいないいなぁ~私も連れてってくれればいいのに~~~」
「悠一君、そうなの?レアアイテムの事で汗をかいてたの?」
「・・・・・・・・・・」
「あ、あぁ・・・そうそう、耀子にはバレたか~秘密にしようと思ってたんだが・・・あはは――――――」
俺は耀子や由里達に対して適当に話していると、コトハは黙って俺をジッーーっと見つめていた。
「それじゃ、今日は悠一を街の前で迎えるとしよう。」
「うん、花火も用意して賑やかにしないとね!!」
「悠一君、それじゃ・・・また校門前で、じゃあね。」
「あぁ、またあとでな。」
「ホラ、悠一・・・クラスに戻ろう。」
俺は由里達と手を振って別れると・・・チャイムが鳴る前に自分たちのクラスに戻り、席に着くと・・・ブロッサムにメールが届いたが見ようとしたタイミングでチャイムが鳴り、メールを見れずに授業が始まり・・・・
休憩時間の間にも見ようとしたが、移動教室等があり見る暇がなく・・・ついには午後の授業が終わっていた。
そして、やっと俺は昼に届いていたブロッサムのメール内容を読むと、ヴァニスからのメールで、3通ほど来ており・・・最初の2通ほどは今晩のクエストの内容や時間の指定であったが・・・3通目は少し寂し気な部分と無視?という単語が目立っていた。
最初に来ていたメールの内容と言うと、今夜の19時に昨日別れた地点からのプレイ開始と指定があり、俺は3通とも内容に目を通し・・・ヴァニスに謝罪を込めてメールを返信し、先に落ちあっている耀子や由里達のいる校門前に向かった。
「よし、悠一がきたな・・・それじゃ帰るとしようか。」
「うん、今日は本当に楽しみだね・・・悠一君とホームに戻って、またみんなとお茶ができるね!ね、コトハちゃん!」
「そ、そうね・・・・私も楽しみ。」
「な~にソワソワして言ってんのコトハ~学校じゃいつも同じクラスで寂しくないって言って・・・イデデデ!!!ご、ごめんって・・・もう冗談が通じないんだから・・・・」
「お~い、コトハ~気が済んだら来いよ~」
俺は後ろにいるコトハ達に声をかけると・・・すぐに俺たちを追いかけてコトハ達がやってきた。
そして、今日は何もないまま別れ・・・俺と姉さんは家に帰り、姉さんは回るところがあると言って服を着替えて商店街に出て行った。
その間、俺はヴァニスの事を話すべきかどうするべきかさらに悩んでいると、ブロッサムにルミ子がやってきた――――――
「変態マスターこんにちわ、何やら昨日あたりからずっともやもやして悩んでいる様ですが・・・私に何かできることはありますか?」
「やっぱりこういう時にルミ子は頼りになるな、そうだったな・・・ルミ子は俺の考えてることがわかるんだっけか・・・・
―――――そうだな・・・俺はみんなに多少隠していることがあるんだが・・・話すべきかどうなのか迷っててな。」
俺は現在の悩みを打ち明けるべきかどうすればいいかルミ子に尋ねると、ルミ子は顔を横に振ってこう言った・・・・
「そんなこと、私が言っても答えにはならないと思います。
マスターはユリハ達の事を思って行動しておられることですし・・・自分の思った通りにやるべきかと・・・ですが、秘密や隠し事はできるだけしないことをお勧めします・・・あおれと、私で変な妄想もお止めください・・・それでは。」
「ルミ子、話を聞いてくれてありがとな・・・あと、この件については・・・まぁルミ子には言わなくても伝わってるよな。」
帰り際にルミ子がシーっとジェスチャーをしながら次元の穴に入って行くと・・・俺は今日・・・皆と街で迎えられる際に堂々と話すことを決心し・・・体力を養うためにヴァニスとの合流地点で仮眠をすることにした。
「んん~~~今日はいい天気だなぁ~~そうだ、ブランも呼んで一緒に寝たらきっと最高だろうな・・・よし。」
―――――――――クエクエクエ~~
俺はブランと昼寝をするために笛を吹くと、ブランが次元の穴から姿を現し・・・俺が寝転がると、ブランも横について寝転がり、優しい光を浴びながら目を閉じて眠りについた。
「お~~い、もしも~~~し・・・・チョット!!!ムクロ!!!起きなさいよ!!!」
「ッ!?・・・・・蹴らなくたっていいだろ?
―――――ヴァニス」
ヴァニスは中々起きない俺の頭を蹴りつけ、その際にヴァニスのスカートの中身が見えたが・・・俺は気にせずに立ち上がり・・・時計を見ると・・・・
「おい、まだ17時じゃないか・・・
――――まだ2時間くらい早いんじゃないのか?」
「うぅ、そんなの・・・ログインする時間なんて私の勝手でしょ!!!
早くてもいいから、ホラ・・・訓練してよ。」
俺はヴァニスに言われた通り、訓練を開始することになったのだが・・・・・
「ん~~手ごろな大きさのモブがいないな・・・ヴァニス少しだけキツイ感じにしてもいいか?」
「べ、別になんだってやってやるわよ!!!
わ、私にだって隠された才能の一つや二つ・・・あ、あるんだからね!!!
―――――――見くびらないで!!!」
ヴァニスがにやりと笑っていたのだが・・・・俺はヴァニスには少し早いとは思いながら、何の
「ムクロッ!!!こんなバケモノ相手に私が1人で勝てると思っているの!?」
「だよな・・・だったら・・・俺が助力してやる。
――――――それなら文句ないだろ?」
俺は剣を抜いてヴァニスの横に並ぶと・・・ヴァニスは少しうれしかったのか、ニヤケながら・・・・・
「し、仕方ないわね・・・高貴な私の隣で共に戦うことを許してあげ―――――」
「ヴァニス!!!避けろッ!!攻撃が飛んできている!!!」
ヴァニスが目を閉じながら喋っている間にゴーレムは近くの岩石を持ち上げて飛ばしてきていた。
「きゃッ!!!もう・・・何なのよ!!人が話している最中に攻撃なんて!!!
マナーがなってないわねあのモンスターは!!!」
「ごちゃごちゃ言ってないで、どっちがあのゴーレムに最後の一撃を入れるか勝負だ――――――――ヴァニスッ!!!!ハァッ!!!!!」
俺は先手でゴーレムの打撃を剣で防ぎながら切りつけ・・・・腕を粉砕すると・・・昨日までとは違うヴァニスがゴーレムに飛び込み、勇敢に攻撃を仕掛けていた。
「私にだって、そのくらいできるんだからね!!!!!
――――――――ヤァ!!!」
―――――――――Gooooooo・・・・・・
ヴァニスはゴーレムの足を切りつけるが・・・ゴーレムの素材で作った武器とはいえ、消耗が激しく刃がボロボロになっていた。
そこで、俺はヴァニスに剣を返すと・・・ヴァニスはニヤリと再び笑い・・・・
「剣を返したことを後悔しないでよ?
――――――あ~~コレよコレ・・・私ほど高貴だとコレくらいは必要よ!!!ねッ!!!!」
「本当に昨日とは違って見違えたな・・・・もしかしてアレから1人でトレーニングしてたのか?」
俺の質問にヴァニスは・・・顔を赤く染めながらコクリと頷き・・・再びゴーレムを見て突撃していった―――――――――――
――――――――――――森林フィールド
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