第162話 いざ、森の探索へ
――――――――――――商店街:喫茶店
そして、注文してから少しして・・・姉さんや由里達が色々話し合いの末、この喫茶店で話す話題が決まり・・・耀子が仕切るように口を開いた―――――
「それじゃ、今回の話題を発表しま~す!!
話の内容は・・・由里と涼孤先輩がハワイでのグロリア土産について!!!に決定!!!」
「悠一が悠一なら・・・耀子も耀子ね・・・ところで、どうして現実のお土産じゃなくて、グロリアの方でのお土産なの?」
「そうか・・・日本のグロリアと違ってハワイにしかない名産品があるかもしれないって事か。」
「なるほどな、日本のグロリアがこれだけ進歩しているんだ・・・ハワイ辺りまで行けばグロリアの世界もがらりと変わるだろうしな・・・」
「でも、日本のグロリアと違ってハワイのグロリアの環境ってどうなんだろ・・・
だけど、そういった場所にしか現れないモブとかイベントとかあったら是非参加してみたいね、ね?涼子さん?」
由里のキラキラした目に姉さんも拒否はできず・・・参加できそうなイベントがあれば考慮しようと言っていると・・・カートで店員が飲み物とケーキ類を運んできた。
「きたきた~~~すっごく美味しそう!!」
「それに、いい香りね。」
「あぁ、今日の疲れが吹き飛ぶとはこの事だな。」
「悠一君、このアップルティーは砂糖なしで飲むのがお勧めで・・・まずは香りを楽しんでみて!すごくいい匂いがするんだよ。」
由里はカップを軽く鼻に近づけて匂いを楽しんだ後、一口飲んでホッとしていた。
それを見ながら俺も由里と同じようにすると、由里の言っていた通り・・・良い匂いと、砂糖を入れてもいないのに程よい甘さを鼻と口で感じた。
「どう?美味しいでしょ?」
「あぁ・・いい匂いだ、それに味も甘すぎず渋すぎなくて美味しい。」
「すまない、耀子たちに尋ねるが・・・2人はいつもあんな感じなのか?」
「そうだよ・・・いつもああやって見せつけるようにドラマ風にするんだよね~あの2人は・・・・・」
「そうね、私たちの事なんてお構いなしにいつも平然とイチャイチャしてる、私たちも慣れないと・・・・って思うのだけれど・・・未だに慣れないの。」
俺と由里のやり取りを見ながら3人はコソコソと話しており・・・俺たちは何を話しているか尋ねると・・・3人は口をそろえて「別に」と言ってカップに口をつけて俺と目を合わそうとしなかった。
「でも本当にここのケーキとかお茶は美味しいよね~」
「私もここがすごくお気に入りよ。」
「そうだな、お茶も何杯でも飲めそうなくらいに美味しいしな。
―――――ケーキも格別だ。」
「悠一君、ここの商品は全部手作りで紅茶も自家製なんだって。」
「へぇ~アップルティーとか家で作れるんだな。
俺、グロリアでもあんまり調理とかしないからなぁ・・・でも、こういうのが作れたら楽しいんだろうな。」
俺が調理の話をすると・・・待っていましたと言わんばかりに耀子がニヤッとしてカップを置き・・・俺に指をさした―――――
「悠一、その言葉を待っていたんだよ!!!
あたしも・・・そこまで料理には自信がないけど・・・教えられるモノを教えてあげるよ!!!」
「ム、それは聞き捨てならない発言ね・・・耀子、それは2人っきりで秘密の調理をするっていう事なのかしら?」
「だが、そう言うがコトハ・・・その甘い、秘密の料理訓練はこの目の前の悠一と由里が現にやっていると言ったらどうする?」
「いや、あれは・・・たまたまで・・・なぁ?由里?」
「――――――ぐ・・・ぐぐ・・2人っきりの調理なんてダメぇ!!!あ・・・えと・・・あはは・・・ごめんなさい。」
由里は我慢できず、椅子から立ち上がって2人っきりの調理に反対すると・・・そんな由里を見ていたら耀子も姉さんたちも2人っきりの調理はしないことを約束したのだが・・・・
「ねぇ、悠一?由里と2人っきりでの調理は・・・楽しかったの?」
「コトハ・・・ただのオムライスを作っただけだから・・・なんでそんなにトーンが低いんだ!?え、えっと・・・そうだ、姉さんも俺が作ったオムライス食べたよな?な?」
「ん~~どうだったかなぁ・・・急に忘れてしまった・・・・」
「こりゃ、見ものですなぁ・・・ふふふ・・・」
「あはは・・・涼孤先輩もグルになって・・・悠一君ドンマイ・・・―――――」
俺はコトハに質問攻めにされ、全部話したが一向に信じてもらえず・・・由里が助け舟を出して、やっと信じて納得する形となった。
「あ~久々にいいものが見れてスッキリしたよ~~」
「悠一も、安易に2人っきりの状況にはならない方がいいということがこのれ身に染みただろう。」
「私はまだ・・・許してはいないのだけれど・・・その分の埋め合わせはいつか悠一本人にしてもらおうかしら。
―――――異論はない・・・わよね?」
「あぁ、わかった・・・」
「そう言えば、プライベートホームのキッチン・・・広くなってたよね、アレだけ広いと皆で料理とかできると思うんだけど―――――」
由里がそう言うと、その意見に耀子が乗るが・・・・
「だが、その前に・・・悠一のレッドネームの解除を待たなくてはいけないな。」
「で、悠一は・・・昨日一日で何か収穫はあったの?
チャットに連絡すると言いながら全く連絡をよこさないんだから。」
「お宝とか、新発見とか・・・何か売れそうな情報は!!」
「何か、見つかった?」
「そうだな、オアシスを抜けたことは話したと思うが・・・そこからフィールドを変えてみたんだが、今いるポイントは俺も踏み入ったことのない謎のフィールドがあってさ――――――」
俺はその謎のフィールドの前で休憩所を作ったところまでを話すと、耀子がもっと情報を詳しくと尋ねてきたが・・・まだ踏み入っていない状態で答えられることが何一つなかった。
「こういう時に限って悠一は使えないんだから~~今夜はどうせソロでそこに向かうんでしょ?だったら・・・ちゃんと情報収集してよ?
大発見があるかもしれないんだからね!!」
「耀子は新しい情報を得たいのか情報で富を得たいのかどっちなのかしらね。」
「あはは・・・悠一君の言ってるのは、この・・・私たちのチャットに送ってきたポイントの事?
ん~だとすると・・・私もここまで森林フィールドの奥深くまで踏み入ったことがないから・・・何とも言えないなぁ。」
「これだけ奥深くに行けたのもブランの力があってこそだな。
それにしても、一体ここには何があるんだろうな?
だが、何かあれば絶対に私たちに連絡するんだぞ?いいな?」
「あぁ、アレだけ深い森だ・・・何が出てきてもおかしくないって感じだったのは確かだ。
だが、追加されたモノなのかただ誰も踏み入れていないだけなのか・・・それだけが謎なんだがな。」
ゲームの世界によくある不思議なことが現にこれなのかよくわからないまま、今夜俺のやる事が決まった・・・
「あ~美味しかった~それじゃ、女子組はプライベートホームで待ち合わせって事で。」
「うむ、了解だ。」
「今日を含めて約2日・・・あと1日くらい待てば悠一が戻ってこられるのね。」
「そうだね、悠一君が気持ちよく帰ってこられるように掃除とかしておかないとね。」
「ソロの旅もあとは残り1日か・・・・時間が過ぎるのは早いな・・・
よし、とりあえず今日も俺はソロで探索するから、何かあったら互いに連絡で。
――――――それじゃ、帰るか。」
俺がそう言うと、由里達は頷き・・・各自家を目指して帰路についた―――――
そして、俺は家に到着すると・・・真っ先にシャワーを済ませて着替えると・・・自分の部屋に戻りグロリアにログインした。
「さて、今日はここから探索開始だな・・・それにしても本当にココは不思議な森だな――――――」
俺は1人でブツブツ言いながら笛を使用し、ブランを呼び出し・・・移動の準備を始めた――――――――――
――――――――――――森林フィールド
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