第161話 喫茶店での休息
――――――――商店街:水着店
そして、姉さんたちは何がいけなかったか考えながら再度水着選び行くと、コトハが水着に着替え終わり・・・脱力した俺の肩をチョンチョンと叩いた。
「悠一、着替え終わったよ・・・どう?
――――私の選んだ・・・水着・・・」
「おぉ~さっきのスク水よりも断然こっちの方がコトハに似合ってるぞ。」
コトハの水着は今の所耀子と姉さん以上にまともで、どこに来て言っても心配ない水着であった。
「やっと、まともな水着で助かった・・・さっきまで耀子と姉さんの危ない水着対決みたいになってたところでさ―――――」
「へぇ~その危ない水着に比べれば私の水着なんて・・・お子様と言いたいワケなのね?」
気付くとコトハの声のトーンが変わり、俺はコトハの何かしらの地雷を踏んでしまっていた・・・そして、俺は何が悪かったかわからないままただがむしゃらに謝り・・・ため息をついてコトハが許してくれた。
「悠一って・・・本当にデリカシーがないんだから・・・自分に対して他の女性と比べられたら腹が立つのは当たり前でしょ?
―――――その辺キッチリ考えた方がいいわよ?」
「ハイ、返す言葉もありません・・・・」
そして、コトハは制服に着替えに試着室へ戻ると・・・俺の指定した水着を着た由里が試着室から出てきた。
「コトハちゃんと話してたから出そびれちゃったけど・・・こんな感じだけど・・・どうかな?」
「あぁ、良く似合ってる。
―――――フム・・・こうやって見ると、由里って体細いよな。」
「ご主人様、由里を舐めまわすように見るのはおやめください。」
「変態マスター・・・ここは公共の場です、少しのゆるみが犯罪になりますよ?」
2人の話を無視しながら、俺は由里の感想を言うと・・・
「悠一君・・・恥ずかしいから着替えるね・・・・」
「あ、あぁ・・・ごめん。」
「な~にまたイチャついてるの!?
ここにはイチャイチャするために来たんじゃないでしょ!!!
ホラ、今度のは自身あるから水着を見てよ!!!」
「そうだぞ、やっと悠一の気に入りそうな水着が見つかったというのに・・・
こうして2人を見ていると、なんだか過激な水着を選びたくなる衝動は何なのだろうか?なぁ?何だろうな!?」
「涼孤先輩・・・落ち着いて、今回も悠一は由里の事しか見えてないと思うわ。」
コトハは着替えが終わり、出てくると・・・姉さんを試着室へと連れて行き、俺の側にやってきた。
「悠一、今回は由里以外にも私もみんなが水着を楽しく選んでいるのよ・・・だから、他のみんなの水着もちゃんと見てあげなさい。」
「あぁ・・・そうだな、だが一つ訂正だ。
俺はちゃんと皆を見て評価してたんだ・・・でも、あんな過激な水着はさすがにダメだと思ってだな・・・コトハもアレは駄目だと思うだろ?」
俺は姉さんが試着していた露出度の高い展示品の水着に指をさすと・・・コトハも顔を赤く染めながら言葉が出ずに湯気が上がっていた・・・・
「あ、えっと・・・そうね、アレは・・・さすがに悠一が正論だと思うわ・・・」
「あと、耀子も今回持ってきた水着には自信があるとか言っていたけど・・・・
何だか不安で仕方ないんだ・・・一緒に付いてみててくれないか?」
コトハは俺の頼みを断ろうとせず、小さく頷き・・・俺の側にもう少し近づいて2人の準備を待っていると―――――
「じゃじゃ~~~ん!!どう?このフリフリ付きの水着は?」
「その・・・ショートジーンズとセットの水着があったのだが・・・どうだろうか?」
「2人とも、すごくいいと思う・・・・」
「ふふ、そうね・・・今回は露出も高くなくて、私も安心。」
2人の水着は今まで持ってきた水着の中で、1番似合っており・・・俺とコトハが褒めると・・・2人はそれならと、来ていた水着を買うことにした。
「お待たせ、私もこの水着を買うことにしたよ。
―――――皆は買う水着決まった?」
「俺はこの普通のズボン型でいいからな・・・・」
「男の子って水着の種類が少なくていいよねぇ~
私たちなんてアレを着れば露出がどうとか・・・ヒモだからダメだとか色々言われるのにねぇ~~」
「うむ、適度な露出がよくわからないから悠一に聞いてみても・・・大体の水着は駄目の一点張りだったしな。」
「でも、それは私たちを外敵から守るためだと思うから・・・悠一の意見を無視もできない。」
コトハの一言に皆は俺を見ながら言葉を出さずにニヤニヤすると・・・俺は茶化される前に自分の水着を買い、店前に出てレイとルミ子にひと段落したことを伝えると・・・・
「ご主人様、私たちも水着が決まりました。
私はこのビキニと呼ばれる・・・軽量化されたモノにします。
すごく動き易く、胸も窮屈ではないので。」
「私はこの面白いデザインの水着にしました。
変態マスターから見て私たちの水着はどうでしょうか?」
「あ、あ・・・うん・・・いいんじゃないか?
でも、それは水着だ・・・日常生活じゃ絶対に着るなよ?
これは俺との約束だ・・・わかったな?」
俺はレイとルミ子に注意すると、2人は素直に了承すると・・・次元の穴に入って帰って行くと、由里達も会計が済んで店から出てきた。
「悠一お待たせ~この夏はこれで悠一を魅惑しないとね。」
「悠一争奪夏の水着の陣と言う事ね・・・わかったわ。」
「だ、ダメだよ!私の・・・う、うわぁん・・・誘惑は駄目なんだからね!!」
「2人とも、由里をからかったらダメだろ?」
「さて。これで今日のやる事は済んだし・・・これで解散か?」
俺はささっと帰ろうとした瞬間、かばんを掴まれ・・・
「まぁまぁ・・・悠一ィ~~今日は帰ってもどうせソロで探索するだけでしょ?
だったらもう少し私たちに付き合ってよ~~ねぇ?」
「悠一君は私たちと一緒にいるのに飽きちゃった?
それとも・・・買い物が長くて疲れちゃった・・・かな?」
「いや、そんなことはないけど・・・」
「なら、このまま私たちに付き合っても問題はないだろ?」
「少し強引だけど・・・悠一が嫌じゃなければもう少し遊ばない?」
皆にここまで言われたら帰るとは言い辛く・・・俺はみんなともう少し行動することにした。
「いつも由里達って集まったら何してるんだ?グロリア?」
「家でゴロゴログロリアしてる悠一と一緒にしないでよ~
私たちは喫茶店でお茶を飲んで・・・色々な話をしてたり――――」
「そうだね、私たちは揃うと何故か甘いものが食べたくなっちゃうんだよね。
何だか今日も甘いものが食べたくなってきちゃった。」
「よし、そうと決まれば悠一を連れて喫茶店にでも行くとするか。」
「そうね、店前で話すのも迷惑になるし・・・そうしましょうか。」
と言うと、コトハは俺の隣にやってきて俺の袖を掴んでいた・・・・
「その・・・邪魔じゃなければ・・このままで――――」
「はいはい、コトハの自由にしてくれ。」
「それじゃあたしは・・・悠一の手を握ってあげちゃう!!」
「フフ、やはり悠一は人気者だな。」
「その・・・私も――――」
俺は空いた手で由里の小さな手を握ると、由里は少し微笑んでいた。
そして、姉さんについていくこと数分・・・由里達がよく来る喫茶店の中に入ると・・・6人掛けのテーブルに座り、メニュー表を見始めた。
「由里~今日は何にする?
私はガトーショコラとストレートティー。」
「私は・・・富士抹茶ケーキとカフェモカ。」
「私はそうだな・・・今日はフルーツタルトにレモンティーの気分かな。
悠一と由里は決まったか?」
「俺は・・・あまりよくわかってないから・・・どれがどれなのやら。」
「それじゃ、悠一君・・・私と同じチーズケーキとアップルティーにしない?
―――――――――これがすっごく私のおすすめなの。」
俺は由里のおすすめに乗っかることにして、姉さんは慣れているのか店員に俺たちの分も注文を済ませるとここで話す話題を何にするかの話し合いが始まった・・・
――――――――――――商店街:喫茶店
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