第159話 国の防衛者

――――――――――――登校途中の道


俺のお守りは由里とお揃いと言うこともあって、耀子やコトハ達には見えないようにかばんの内側のポケットに入れていた・・・そしてやはり、勘のいい耀子たちは由里のかばんにぶら下げているお守りに興味を示していた。


「あれ・・・由里そのお守り・・・どうしたの?」

「そう言えば昨日までは付けてなかった・・・買ったの?」

「え、あ・・・うん、昨日商店街の雑貨屋さんで見てたら・・・すごく可愛くて衝動で買っちゃったの・・・あはは――――」

「ふむ、由里はやはりセンスがいい・・・私もこの手のお守りはいいと思う。」

「それはそうと・・・早くいかないと遅刻するぞ~」

俺は立ち止まってお守りの話をする4人を置いて歩いていると、慌てて4人は俺の後を追ってきた―――――


「それにしても、少しずつだけど暖かくなってきてるよね~~」

「そうだな、夏には早いが・・・確かに熱くはなってきている。」

「そう言えば、由里と涼孤先輩は学校行事でハワイに行くのなら・・・水着とか着ないの?」

「わ、私は・・・水着はどうしようか迷ってるの・・・涼孤先輩はどうするんですか?」

「ハワイかぁ~~熱くて日差しが強いんだろうな・・・・」

姉さんは由里の質問に少し考え、どうせなら今日の帰りにでも商店街に見に行こうと言い出し・・・耀子とコトハもその意見に賛成し、俺は「先に帰る」と言い出そうとしたが・・・強制参加で拒否権はなかった。


「私たちはハワイに行けないけど、この夏はみんなでプールか海に行きたいね。」

「そうね・・・私はあまり泳ぐことは得意じゃないけど・・・皆となら楽しそうね。」

「と、なれば・・・やはり水着は必須アイテムと言う事だな。

ちょうどここに審判役のがいることだしな!!!

―――――頼んだぞ、!!」

「悠一君・・・手加減してね・・・恥ずかしいから――――」

「私は特に気にしないから

「姉さんが俺を強制参加させたワケがコレじゃないと願っていたけど・・・裏目に出たか・・・」

俺は姉さんに肩を掴まれながら断ることもできず、しぶしぶ答えると・・・今日の放課後に商店街にある水着ストアに行くこととなった。


「それじゃ、またお昼休みに・・・」

「と、言うわけで・・・逃げるんじゃないぞ?」

「わかってるって・・・それじゃあ―――――」

「ねぇねぇ、悠一・・・悠一ってどんな水着が好みなの?」

「それは私も少し気になるわ・・・・参考までに教えて欲しいわね。」

耀子たちは教室に着くなり、俺の席までやって来て俺の好みを尋ねてきたが・・・・


「それを話したら由里たちとフェアじゃないだろ?

それに俺は・・・水着に特に興味はないし・・・耀子や皆ならどんな水着でも似合いそうだしな。」

「そ、そうだねぇ~由里達とフェアじゃないのは負けた気がするから、悠一の言う通りにしておいてあげるよ。」

「耀子はバレバレなんだから・・・でも、私も今日の・・・負けられない・・・女子として・・・」

久々にコトハは燃えており、放課後の水着を買いに行くだけの事がすごいことになりそうで俺は少しだけ不安になっていると・・・ホームルームが始まりった。


そして午前中の授業が終わり、俺たちはいつものように屋上へ行くと・・・由里と姉さんがブロッサムで水着の特集を見せあっている様子で、盛り上がっていた。


「このフリルのついた水着はどうだろうか?」

「涼孤先輩ならどんな水着でも着こなせそうですけど・・・私はどんな水着にしようか迷うなぁ・・・この、白とハイビスカス柄の水着カワイイ~~」

「2人とも待たせたな・・・それにしてもすごい盛り上がりだな。」

「悠一~~水着を着るっていうのは狙ってる男の人にアピールする大きなイベントなんだよ!?盛り上がらない女の子なんているわけないじゃん!」

「悠一はそのへんの女子の事はあまり興味がない・・・いえ、由里のこと以外興味がないという感じだと思うわ。」

コトハの冷静な分析に、耀子はため息と同時に・・・絶対に見返すと俺に指をさしてブロッサムで何かを調べながら弁当を食べ始めた。


「俺は別に由里だけにしか興味がないワケじゃ・・・」

「でも由里は他の子にデレデレする悠一を見ると何て言うかしら?

―――――私が由里の位置にいる場合だったら・・・処刑ね。」

コトハは俺の耳元でコソコソ話すと、俺は背筋がゾクゾクさせながら弁当を食べ始めた。


「ねぇねぇ、悠一君はコレとコレどっちがいいと思う?」

「ず、ずるいぞ由里!!!それは反則だろう!!」

「涼孤先輩・・・落ち着いて・・・由里お楽しみは放課後に取っておかないとでしょ?それに悠一に予備知識を与えたら面白みも何もないんじゃないの?」

「と、言うわけだ由里・・・この時間は弁当を食べながら違う話題を―――――」

と、俺が弁当を食べながら言うと・・・校内放送がかかり俺達に用があると言うことで客室に呼び出しが響き・・・弁当を急いで食べ終えて部屋の中に入ると見知らぬ黒いサングラスをかけた女性が1人椅子に座って待っていた。


「アナタたちが・・・・悠一君、由里さん、耀子さんに、涼孤さん・・・そしてコトハさんね。

全員揃ったわね、それじゃ・・・部屋に入ってカギをかけてくれるかしら?」

俺達の顔を見ながら名前を的確に言うと、その女性は俺にドアのカギを閉めさせ・・・カーテンを下げると・・・俺たちに自己紹介を始めた。


「貴重な学校生活の昼休みを割いてごめんなさい。

私は国の対サイバーテロ科の柴村如水しばむらいくみよ。

私がここへ来たの理由は貴方達にいくつかの質問と貴方達の協力を得るために来たの。

貴方達のアバター名等は把握しています、そして・・・悠一君のブロッサムとグロリアに共存する天使の存在もね。」

「その~私たちの事を色々知っているようだけど・・・如水いくみさんは何が聞きたいの?私たち何かヤバイ事したの?情報共有で少し危ない連中と話すことはあるケド・・・」

「それに、この高校生の私たちに協力して欲しいとはどういう意味だ?

私たち以上に国の連中の方が強い力を持っているのにどうして私たちに協力を仰ぐんだ?」

「俺たちに質問する前に・・・如水さんが本当に国のモノなのか・・・信用させられるものはあるのか?

その辺を話してもらわないと俺たちも協力どころか質問にも答えるつもりはない。」

俺は如水さんに本人証明と俺たちを信用させる情報の提供を尋ねると・・・・


「思っていたよりもしっかりしているわね~私は国の仕事だからキッチリカッチリしてたけど・・・こういうの私のじゃないからラフに行くわよ?

まず、私はこういうモノよ。」

如水さんはネクタイを少し緩め・・・自分の顔写真付きの証明手帳と俺たちのプロフィールの入った封筒を机に置くと、俺たちは内容を確認して返すと・・・如水さんの言っていた対サイバーテロ科の所属等の話は紛れもない事実であった。


「これで信用してくれた?

ついでに免許証も見せようか?

信用してくれたのならパパっと質問するから答えられる部分に応えて、私もお昼休みやってるから早く終わりにしてお昼にしたいのよね。

――――――コホン・・・質問は3つ、まず1つ目

アナタたちは先日起こった大規模の戦争イベントの際に違う空間に飛ばされなかった?

――――――2つ目

天使は今本当に2体があなたたちの近くにいて正しく働いているか・・・・

――――――そして、3つ目・・・

表向きに隠蔽していた謎のエラーモンスター(仮名)を倒したのは・・・貴方達?

―――――――――――質問は以上よ。」

「1の回答は俺と由里だけがグロリアではない場所に飛ばされた、それ以上は不明だ。

2の回答はレイもルミ子も俺たちと何気ない日常を送って、問題なんてない。

3の回答は・・・あぁ・・アレは俺たちが完全に葬った・・・だからこうやってコトハがここにいるんだ・・・その辺も調べはついてるんだろ?

それで、俺たちの回答はすんだが・・・何の疑いもせずに如水さんは信用するのか?」

俺は如水さんに質問に返答すると・・・その一つ一つの回答すべてを疑わずに受け入れて書類に書き加え・・・最後の協力をするかどうかを尋ねてきた。


「俺たちは日々、楽しくグロリアをプレイしているだけだが・・・何か手伝えることなんてあるのか?」

「そうね、あなた達は平凡に生活する普通の学生・・・だけど、貴方達はあのテロ行為のテストにも近い黄昏戦争を打破し、見事に打ち破った・・・私はその実力とあきらめない貴方達だからこそ協力を仰いでいるの、ちゃんと報酬は出るから安心して♪」

「どうする?悠一君・・・」

「だが、あの戦争は本当にこちらが勝ったのが奇跡のようだった。

他のプレイヤーの協力がなければ負けていただろう・・・」

「私は悠一についていくだけだから、悠一が決めて。」

「私は少し報酬の部分が気になるけど・・・お金が絡むことは大体は大変な目に合わされるんだよね・・・どうする?悠一・・・」

「そうだな、俺はグロリアが大好きだ・・・皆とこうやって繋がれるグロリアが・・・だから俺は必要な時だけ協力したいと思う。」

俺は如水さんに必要な時だけサポートするということで話、その件について如水さんは何も言うことなく・・・「協力を感謝する」と言ってカギを開けて部屋から出て行き、そして気付くと午後の授業が始まっている時刻であった――――――――


――――――――――午後の授業中・・・・

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