第149話 ジャカルゥ牧場
――――――――――草原フィールド:グリンフィールド
ユキシロと街の移動用ポータルを経由して草原フィールドまでジャンプし・・・そこから歩きで指定ポイント近くのグリンフィールドまでやってきたのだが、少し早く来すぎたのかユリハ達の姿が見えなかった。
「主殿、本当にここで合ってるのかのぅ?」
「あぁ、この辺りで間違いないと思う。
―――――指定ポイントを聞いた限りだと・・・この辺りのはずなんだけどな。」
俺たちは辺りに誰かいないか見渡していると――――――――
「―――――わっ!!!えへへ~ムクロッち驚いた?」
「なんだ、ただのクーリアか・・・その様子だと、ユリハ達と一緒じゃないのか。」
「主殿じゃなくてアタイが驚いたのじゃ~危うく気絶状態になるところじゃった・・・」
いつものように陽気に明るくクーリアが現れたのだが、ミストやユリハは未だ来ずで・・・アヤカに連絡を入れておいたが、夜更かしと大学の事を考えると夜からの参加が安易に想像できた。
「ただのって何よ!?これ以上珍しい私はいないよ!?あと、これでも私はムクロッちのPTの中ではマスコット的位置にいるはずなんだけど??」
「ぬぅ~~クーリアがマスコットかどうかはさておきじゃな・・・主殿のPTの中ではある意味イイ位置にいるのじゃ・・・うむ――――――」
「そんな事よりも・・・ユリハとミストがまだ来ていないんだよな。」
クーリアはユキシロの言葉に疑問を抱きつつ、考えていると・・・・
「悪いな、リアルで色々していたら遅れてしまった。」
「みんな、お待たせ~~私もリアルで用事があったから遅れちゃった。」
「私はユリハを待ってたら遅れた・・・」
「ウム、大丈夫なのじゃ!アタイたちもついさっき来たばかりなのじゃ。」
「それじゃ~お待ちかねの牧場探し行ってみよ!!!」
「牧場までのルートはクーリアだけが頼りだ、しっかり頼むぞ!」
クーリアは俺たちの先頭に立ち、地図を見ながら歩き始め・・・それに合わせて俺たちも歩き始めた。
「ジャカルゥ・・・楽しみだなぁ~攻略サイトじゃ・・・いろんな毛色があって、その色によってレア度とかなつき易さがあるらしいよ?」
「さすがユリハ先生だな、ジャカルゥの事に関して詳しいな。」
「ジャカルゥ・・・私も合うのは初めてだから少し楽しみ。」
「して、そのジャカルゥは何人乗りなのじゃ??」
「私の下調べだと・・・基本は1人だけど少し育ったら最大2人乗りができるらしいよ?」
クーリアの2人乗りのワードにクーリアと俺以外の足取りがピタリと止まり・・・・
「2人乗り・・・・ムクロ君と・・・2人乗り・・・・」
「お、おい・・・ユリハ?それにみんなも大丈夫か?
何かあったの―――――――」
「―――――主殿と・・・2人乗り・・・ムフフ・・・・」
「・・・・・・・・・・・ゴクリ・・・」
「はぁはぁ・・・2人乗りは・・・いいものだな!!!うんうん。」
「みんなどうかしたの?何かあった?」
クーリアが立ち止まって振り返ると、ユリハ達はクーリアに早く先に進もうと
――――――クエクエクエーーーーー!!!
「あ、あった!!あったあった!!!ジャカルゥ牧場だよ!!!」
「お~本当にあったんだな。
――――――ガセネタじゃなくてよかったよかった。」
「うわぁ~ジャカルゥが沢山いるよ!!!」
「これがジャカルゥ・・・噂に
「いっぱい走り回っているのじゃ!!!
―――――それにしても早いのぅ。」
クーリアの案内で、ガセや存在しないとまで情報屋の中でも噂されていたジャカルゥ牧場へと辿り着くと、俺たちクーリアを褒めながら牧場の小屋へと入っていった――――――
「ようこそ~ジャカルゥ牧場へ。
よくここが見つけられたね、ゆっくりジャカルゥを見て行ってよ。」
「あの~ジャカルゥにエサをあげたりできるんですか?」
「ジャカルゥに乗ってみたいのじゃ!!」
「あの毛並み・・もふもふに触ってみたい。」
「私は写真を是非とも。」
「ユリハ・・・それに姉さんたちまで・・・そんな急に要求したらダメだろ?
―――――ほら、ブリーダーが困ってるぞ?」
ユリハ達はブリーダーに詰め寄って自分たちの要求を一斉に話し・・・ブリーダーの女の子は目をぐるぐるとさせていた。
「色々と急に言ってごめんな。
それに、自己紹介がまだだったな俺はムクロ・・・そして――――――」
俺たちは気が付いたブリーダーに自己紹介を各自済ませるとブリーダーが自分の自己紹介をし始めた。
「私はジャカルゥ牧場のオーナー兼ブリーダーのヒルミだよ、よろしく。
――――ここにいるジャカルゥは全部で・・・えっと・・・1・2・3・・たくさんいるよ。
あと、エサは500リムドで販売しているから買ったら自由に食べさせてあげてね・・・写真はフラッシュをたくとビックリするから気を付けて。
んん~基本的にジャカルゥに乗るには相性とかもあるけど・・・ペット登録しないと乗れないのと、それらをするのに手数料と契約料金がかかるから気を付けてね。
―――――触ってあげる分には問題ないけどね。」
ヒルミはユリハ達の質問に答えると、俺たちを牧場の中へ案内してくれた。
――――――――――クエクエクエ~~~
「みんな元気いっぱいで毎日走ったり日向ぼっこをして過ごしてるんだよ。」
「うわぁ~~~外から見てた光景よりずっとすごいよ!!!
――――――ね、ムクロ君もそう思うでしょ!?」
「あ、あぁ・・・そうだな、わかったからあまり揺さぶらないでくれ―――――」
「相性と登録手続きをせねば乗れないのは・・・いささか不便じゃの~」
「仕方あるまい、ペットである前に生き物・・・相性も必要だろう。
それに、ブリーダーのヒルミが認めないと手続きも行ってくれないだろうしな。」
「でも、この子たち・・・思ってたよりもふわふわ。」
エリはいつの間にかジャカルゥの頭や体をもふもふと触っていた。
そのエリの光景を見ると、ユリハ達は一斉にジャカルゥへと近づいて行った。
「うわぁ~すっごくモフモフだぁ~~ユキシロの毛といい戦いするね。」
「ユリハのそのキツネ耳とかたまに出してる尻尾もモフモフだけど・・・
いやぁ~こりゃ・・・別格だね。」
「うむぅ~アタイの毛並みが負けるとは・・・だが、本当にいい心地じゃ。」
「パシャパシャ――――――うむ、このジャカルゥはなかなかの面構えだ。
とてもいい目をしている。」
「なぁ、ヒルミ・・・あそこにいる白いジャカルゥは一匹だけでいるけど・・・どうしたんだ?」
「あぁ・・・あの子は巷ではレアとか言われる白い毛のジャカルゥで・・・・
他の子たちとはあまり一緒に遊んだりしない子で・・・それにプレイヤーの方でさへ近づけさせなかったり普段はおとなしいのだけれど凶暴な面を見せたりで・・・・ってムクロさん!!!
――――――――――私の話聞いてました!?
あ~もう・・・どうなっても知らないからね!!」
ヒルミが俺に白い毛のジャカルゥについて話をしてくれていたのだが・・・俺はその白いジャカルゥに興味を持ち・・・少しずつ近づいて行った。
―――――――――クエクエクエ!!!
「お、いい察知能力だ・・・この距離で俺が来るのを感づいたか。
まぁ、戦いに来たんじゃないんだ・・・もっと気楽に―――――」
俺が手を差し出した瞬間、ジャカルゥが俺の手を目掛けてくちばしで突っついてきた。
「ほら、言わんこっちゃない・・・・
他のみんなはエサやりしてたり仲がいい感じだね―――――うんうん。」
「あはは―――――くすぐったいよ~大丈夫安心して、エサはまだあるからね。」
「ムクロッち・・・何やってんのよ・・・ま、私は私でジャカルゥと戯れようかな!!!
うはぁ~~モフモフ~~~」
「本当にあなたたちは不思議な生き物ね、いくら見ていても飽きないわね。
―――――――そして、このモフモフは悪魔的にすごいわね・・・」
「ミスト、ミスト~~アタイもジャカルゥと写真が撮りたいのじゃ~~~」
「うむ、そこに立つといい・・・私が撮ってやろう。
――――――あ・・・・・・」
ミストはユキシロをジャカルゥの横に立たせると、ジャカルゥはユキシロの毛を草と勘違いしたのか、ジャカルゥはよだれをユキシロの頭に垂らし――――ユキシロはべっとりとした頭を食べられないように守りながらジャカルゥから走って逃げていた――――――――――
―――――――――――ジャカルゥ牧場
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