第133話 アヤカの工作

――――――――コロシアム:アヤカvsバレル


バレルのスキルを防御スキルで相殺すると、アヤカは新たにライフル銃に武装を変えると・・・・走りながらバレルの長距離射撃を避けていた――――――


「ハハッ!!アヤカ!!!

お前の実力はその程度か!!!」

「くッ・・・・好き勝手に言って・・・・仕方ない、アレを使うか。

―――――――クリアシフト!!!」

アヤカはスキルを使用すると・・・アヤカの姿がフィールドから消え、バレルもコロシアムにいた観客もプレイヤーも全員がアヤカを見失っていた――――――


「ねぇ、ムクロ君!!アヤカが消えちゃったけど、あのスキルは一体―――――」

「アレはアヤカのアバター限定スキルと言ってもいいスキルだな。

俺も今までプレイしてきたが、あんなスキルは見た事が無いからな。」

「私の眼でさえ認識できないスキル・・・・隠密スキルとは違う自身の存在を消すスキル・・・・これはご主人様でも相手にするのは大変かと・・・・ですが、ご主人様はこういう方が燃えるのでしたね。」

「ノーマークじゃったアヤカも中々やるのじゃ、武器が特殊な上にスキルも見た事無いものばかりなのじゃ!!」

「あのバレルとか言う人のスキルも銃系のスキルで、アヤカとこれからどんな戦いを見せるのか楽しみだね!!!

―――――――――ガンバレーーアヤカ!!!」

「言われなくたって・・・やってやるっての!!!

でも、これからあのバレルを攻撃しようかしら―――――」

「ふむ、まさか実態を消すスキルを持ってるたぁ・・・・面倒な対戦相手に当たったもんだ。

それじゃ・・・俺も、プランを変えて行くか!!!」

バレルは武器を選択し、取り出した武器は・・・ガトリングであり、それもに装備してあった――――――


「なッ!?ヤバイ・・・・・・」

「いくゼッ!!!!

―――――避けれるもんなら避けてみなァ!!!!」

バレルは両手のガトリングを起動させると、砲門が回転し始め・・・・大量の弾丸を辺り一面に撃ち込み始めた―――――――」


「ひぇぇ~何なのじゃ、あのバレルとか言うプレイヤーの武器は!!!」

「ミニガンとかいう部類だな・・・・あの武器は凄い火力だが・・・あの背中に備えた武装を見ると、移動は難しいだろうからアヤカはきっとこの場面で行動に出るはずだ――――――」

「そうだね、でも・・・アヤカはこの弾幕の中でどうやって行動するのかな?」

「アヤカは前にこう言っておりました・・・・武器は傷つける物だけが武器ではないと。

それが今回出てくるかもしれないですね――――」

「―――――にしても・・・・まだ撃ち続けてるよ・・・・弾切れとかないの!?」

かれこれ数十秒はガトリングを撃ち続け、辺り一面が銃弾の後でボロボロになっていたが・・・どこにもアヤカの姿はなく、バレルが注意深く辺りを見渡していると――――――


「んッ・・・・・これはッ!?しまったッ!!!!!!」

「ヒットッ!!!」

バレルが何か足元に転がってきたと、確認すると・・・それは缶ジュースサイズのであった。

そのグレネードは足元で勢いよく煙を出し始め・・・辺りをスモークで充たしていき――――


「ぐッ・・・・ぐはッ・・・・どこから撃って・・・・くそ・・・この装備状態と煙の中じゃ勝ち目が無い・・・・装備を変えて煙の外に出――――――」

「よし、さらに頂くよ!!!」

バレルが煙の外に飛び出すと、足元に仕込んであった爆弾を起動させ・・・スモークを吹き飛ばす程に強烈な爆発が起こった。


「ムクロ君・・・コレって・・・・」

「あぁ、アヤカが地道に作っていたの・・・レイの言っていた仕掛けがコレなんだろう。」

「アヤカはアイテムを巧みに使い・・・誘導し・・・倒す、スペシャリストだったのですね。」

「何やら良くわからぬが・・・アヤカがすごいハンターだという事がよくわかったのじゃ!!!」

「これが、アヤカの戦い方・・・・ムクロとは違って、攻撃プランを何重にも重ねた戦い方・・・」

そして爆発の煙が消えると、少し負傷したアヤカが倒れたバレルに対して銃を構えて立っている状態であった――――――


「ぐッ・・・・ハハハ、アヤカ・・・お前さんは銃の腕じゃなく・・・罠の使い方まで熟知していたとは――――――

俺の武器も弾薬も尽きた・・・残ったのはこのナイフ1つ・・・見事に負けたよ。

ゾーン、聞こえただろ?俺の負けだわ――――――」

バレルが笑いながら負けを認めると、勝利のアナウンスが鳴り響くと・・・コロシアム内に更なる歓声が巻き起こり、アヤカコールが巻き起こっていた。


「バレル、あなたのその銃も中々のモノだった。

ガトリングを取りだしたとき、少しでも退避が遅れていたら私もどうなっていたか・・・・

本当にいい戦いだったわ。」

「へへ、そりゃどうも・・・・俺は全力でやったまでさね・・・・・・

まさか、罠でコテンパンにされるとは想像も付かなかったケドなァ―――――

ここまで凄いと、いっそ清々しい気分だわ―――――ヘヘッ・・・・」

「いやぁ~~~2人とも凄い銃撃戦お疲れ様ァ!!!!

バレルはそのガトリングで寄せ付けない超火力、アヤカは緻密な配置と誘導のテクニシャン・・・・マジで本当にいい戦いだった!!!

それじゃ、勝者からインタビューしちゃおっかァ!!!

アヤカ、勝者から何か言葉はあるかな?」

ゾーンはアヤカにインタビューすると・・・・アヤカは少し考え・・・恥ずかしそうにしながら話し始めた。


「え、えっと・・・・1回戦突破しました!

応援して下さった皆さん、ありがとうございましたッ!!!」

アヤカの腰の低い回答にコロシアムの歓声とテンションが高まり、さらに盛り上がりを見せていた。


――――――謙虚すぎるだろ、あの銃使いの姉ちゃん!!!

もっとドシっと構えてればいいんだよ!!!

―――――――そうよ、2人も女性陣が勝ち残って私は最高の気分よ!!!

男だけが強い何て言う事もないって事をどんどん見せつけちゃって!!!

――――アヤカ、マジサイコーーーー本当にマジなガチでサイコーなガンナーだぜ!!!

「アヤカ、アリガトーーーーそれじゃ、バレル惜しくも負けちゃったけど何かあるかい?」

「俺っちはそうだなぁ・・・・まだまだ修行不足だったってことさねぇ~~

だが、そんな事より・・・今回のアヤカとの戦いは本当に楽しかった・・・ただ、それだけだ。」

バレルがにっこりとしながらインタビューに答えると・・・・健闘したバレルにも盛大な拍手と歓声が巻き起こった。


――――――――バレル、お前も相当なガンナーだよ!!!

俺はお前の戦い方、嫌いじゃなかったぜ!!!

―――――――次はもっともっと凄い銃撃戦を見せてくれよ!!!

期待してるからな!!!

そして最後に2人に対して拍手と歓声が響きながら、2人はフィールドから出て行き――――


「よ~し、それじゃあ・・・ボロボロになったフィールドを・・・ちょちょいのちょいっと!!!

さぁ綺麗なステージになった所で、3回戦と行こうか!!!!

まず、3回戦目に選ばれたプレイヤーちゃんはコチラ!!!

――――――3回戦・・・ユキシロvsムクロ!!!

遂に遂に遂にィイィィィ!!!!

あの、噂のムクロがやってきたぁ!!!!

さぁ、準備を整え次第・・・2人はコロシアムにカモーンカモーーーン!!!」

ゾーンのテンションの高い発表に、対して・・・・俺はやっとかという気持ちでいたが。

ユキシロは感激のあまり言葉にならない状態でワクワクドキドキしていた―――――――


――――――――――コロシアム:ユキシロvsムクロ

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