第132話 アヤカvsバレル
―――――――――コロシアム:選抜戦
コロシアム内に割れるような歓声が響く中、ユリハはやり過ぎてしまったバーンに近づいて意識の確認をすると・・・
「あの、ごめんなさい・・・大丈夫ですか?」
「あぁ・・・何とかな、お嬢ちゃんメチャクチャ強いんだな・・・いやぁ~まだまだ分からんな・・・このグロリアは――――――
まぁ俺の事は気にせず・・・勝ち上がって行け。
そして、勝者は胸を張って皆の声援に答えてやりな!」
バーンが観客席の方に指をさす方へユリハが意識を向けると―――――――
―――――うおぉぉぉぉぉおおお!!!
――――――凄い嬢ちゃんが出てきたな!!!
――――ありゃ、確か・・・白百合の騎士のユリハだ!!!
――――――だよな!あの衣装は自前らしいけど・・・中々だよな!!!
――――――男はいつもコレだよ・・・ここはファッションショーじゃないっての!!!
―――――――だが、確かあの嬢ちゃんはムクロとか言うプレイヤーとよく見かけるとか色々話を聞くが・・・夫婦か何かなのか?
――――――夫婦でグロリアをプレイ・・・少しロマンチックですね~~
「その・・・ご主人様達は現実でご結婚されているのですか?」
「イヤイヤイヤイヤ!!!俺たちまだ高校生だ!!!」
「この反応・・・主殿も可愛い反応するのぉ~」
「ハァ~良かった・・・・――――――」
「ファム、何かボソボソ言わなかった?」
歓声が上がり、初戦にして激しい戦いに会場も沸き立ち・・・盛り上がる中、ゾーンがユリハに対してインタビューを始めた。
「いやぁ~お疲れさま~
初戦にして、いきなり激しい戦いをありがとう!!
に・・・しても、ユリハは強いね~ユリハはどうやって強くなったの?
何か秘密とかあったりする?」
「え、えっと・・・秘密なんてないですよ・・・私が変われたのは、とあるプレイヤーがいたからで―――――」
ユリハは会場を見渡し、俺を見つけると・・・俺の方を見ながら話すように話を続けた。
「そのプレイヤーは私にとって最大のライバルであり、とっても大切な人・・・なんです。」
「ヒューヒュー熱いねぇ~ユリハの強さの秘訣は愛って事だね!!
くぅ~~私にも男がいたら強くなれるのかなぁ~私はガンガンカレシ募集中何でよろしく!!!・・・・と、いうわけで・・・ユリハとバーンの初戦でした~~」
ゾーンが色々と自分に対してのアピールをすると、ユリハとバーンは歓声を受けながらフィールドから退場し、俺達の所へ戻ってきた――――――
「ユリハ、先程のアピールはご主人様は私の物だから手を出すなと言う宣言でしょうか?」
「あ、主殿は渡さないのじゃ~~~」
「み、皆!?まずはお疲れ様とか言うんじゃないの!?
どうして一部分だけを気にしてるの!?」
「あはは・・・皆はいつも通りだね、私はありのままの気持ちを・・・伝えただけだから。」
「ユリハってたまに大胆な事するよね・・・・現実でもこうなの?」
「実は、ユリハは現実でもたまに大胆な行動に出る時があってな―――――」
俺はアヤカにボソボソと小声で話したつもりだったが、ユリハに肩を掴まれ―――――
「ムクロ君・・・何をコソコソ話しているのぉ?
それに、ムクロ君は私をどう見てるの?」
「いや何も言ってない・・・・・うん、何も・・・な?アヤカ!
それに、俺もユリハの事を大切で掛け替えのない人だって思ってる―――――」
「ムクロ・・・この場合だとユリハの言いたかった事は・・・・私はムクロのライバルなのか?と聞いていると思うのだけれど――――――」
「アヤカ、それがご主人様なので・・・それにユリハも満更じゃない顔をして、むしろ喜んでいるようにも見えます。」
「―――――ウム、凄い嬉しそうなのじゃ!」
「何だろう、凄いイチャイチャしているようにしか見えない・・・」
俺はアヤカの発言でユリハの言葉の意味を理解すると、言い直そうとすると―――――
「シッーーーーーうん、私・・・ムクロ君からその言葉が聞けただけで・・・嬉しいから。
――――――えへへ・・・・」
「チッ・・・・それではユリハ、こちらへどうぞ―――――」
「レイレイから何か聞こえたような・・・・きっと気のせいなのじゃ!」
「すっごい顔して舌打ちしてたように見えたけど・・・・」
「うん・・・コレはレイに聞いてはいけない部分だよね、きっと―――――」
ユリハはレイに指定された席に座ると・・・ゾーンが第2試合の準備ができたのかアナウンスをし始めた。
「お待たせしましたァ!!!それじゃ、第2試合の組み合わせを発表するよ!!!
―――――――第2試合、アヤカvsバレル・・・それじゃ、準備ができ次第フィールドに入って待機よろしくゥ!!!」
「さッ・・・今度は私の番だね。
皆、心配しなくていいよ・・・私も狙うプレイヤーはムクロだけだから!
こんな所で負けないから、新しい私を楽しみにして見ててよ。」
「私もって事は・・・ユキシロもファムもアヤカも皆・・・俺、狙いで参加してるのか!?」
「ムクロ君・・・私も狙ってるから、忘れないでね!!」
「ウム!まさかの主殿が参加となるとアタイは是が非でも主殿と戦いたいのぅ。」
「わ、私だってそうだよ!このランスがムクロにどこまで通用するのか本気で戦ってみたかった・・・・だから私もムクロ狙いだよ!」
「ご主人様は方向が違えど皆様に愛されていますね。
これを喜ぶべきか悲しむべきか、私も参加するべきか―――――」
アヤカが背を向けて手をひらひらさせながらポータルでフィールドに移動すると・・・・・・・
「先に入場したのはアヤカだ~~~~
私の権限でアヤカのプロフィールを確認した所・・・・何と彼女は珍しい武器を使うと書いてあり、今回の戦いも目が離せない大変注目の一戦となる事でしょう!!!!
それでは、アヤカ選手に意気込みを聞いてみましょう!!!
さぁさぁ、言いたい事、意気込み等あれば話して頂戴!!!」
「そうだね・・・それじゃあ・・・私はッムクロ!!!私は
その為に寝る間を惜しんで身に付けたこのスキルをあなたに撃ち込んであげるから待ってなさい!!」
アヤカもユリハと同じように、俺に向かって宣戦布告を告げると・・・ゾーンが目をキラキラさせながらタイミング良く入ってくると―――――
「おぉっと~~またもやムクロに対しての宣戦布告ゥ~~~ユリハにアヤカ・・・こんな美人2人に狙われるなんて、何て男だァ!けしからん!!
そこで見ているムクロォ!!首を洗ってしっかりと彼女達の雄姿を目に焼き付けろォ!!!」
「そろそろいいですかい?
俺・・・割とまってるんだけどなァ~~」
フィールドの隅の方でゾーンとアヤカのトークの間に入って来たのは・・・アヤカの対戦相手である、バレルというプレイヤーであった。
「いやぁ~ごめんごめん、見えていたんだけどついつい熱くなっちゃって~
それじゃ、バレルの意気込みを聞いてみよ~~~
ハイ、ドーゾ!!」
「え、あ・・・そうだな~俺は・・・・特にナイッすねぇ。」
バレルの緩いトークにコロシアムが笑いの渦にあったが、アヤカはバレルの持つ・・・布に包まれた、おそらく武器であろう物に注意して見ていると――――――
「君が、アヤカか~多少の噂は聞いている・・・・俺はバレル、よろしくな。
そんでもって、コイツがアヤカが気になっている俺の愛用の・・・
「なッ!?・・・・銃使い!?
―――――私だけかと思っていたけど・・・そうか、私がトリガーとなって武器が急速に広がりつつある可能性が・・・・・これがムクロの言ってた、解禁のトリガー・・・・」
「おっとおっとぉ!!!コレは熱い展開だぁ!!!
なんと、新武器である銃使いがここに2名!!!
これはグロリア史上初であろう、銃vs銃の激しい撃ち合いになる事間違いなし!!!
今回の戦いも本当に瞬きをせずにご覧あれェ!!!!
それじゃ互いにいい試合を・・・・レディーーーーファイッ!!!!!!」
ゾーンの掛け声と同時に、アヤカは服に仕込んでいたハンドガンで間合いを取るバレルに撃ち込むが・・・バレルは短剣を使い弾を弾きながら移動し・・・ハンドガンの届かない位置まで移動すると、長い銃を構え・・・・アヤカにロックオンアラートが鳴り響くと同時に撃ち込んできた。
「ブチ抜け!!!
――――――――ブラスターバレット!!!」
「くッ・・・・・こんな所で落ちられないッ!!!!
――――――――フェザーガード!!!」
バレルのスキルにより、撃ち貫かれる瞬間・・・アヤカは防御スキルを間一髪で使用し、強烈なスキルと相殺し・・・フェザーガードが消滅していた――――――――
――――――――コロシアム:アヤカvsバレル
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