第108話 正面突破
―――――――――21時30分・・・盗賊団アラシャ:ギルド近く
森の中を隠れながら侵入経路を探していたのだが、予告したことが仇となったというべきか・・・警備体制が整いすぎており、プランの1つである門からの正面突破する作戦が無難となっていた――――――
「周りには警備しているプレイヤーが多数配置されてるが、門には数名の警備兵とあの鎧がいるだけ・・・そう考えるとアレは罠というべきだが・・・・」
「だな、あいつも馬鹿じゃなかったって事だな。
だけど、アレ・・・どうするんだよ・・・戦ってる間に騒ぎになるのは必須だぞ?」
「ですがあそこからの侵入が一番安全なルートであると私も推察しました。
障害が大きいことは確かですが・・・敵の数が少ない分やりようによっては何とか突破は可能かと―――――」
「アタイもレイレイと同意見じゃ。
わざわざ数を相手するよりデカイ相手を落とす方がよかろうて。」
「仕方ないか~ユリハ、私たちも頑張ろっか。」
「だね、みんなと一緒ならやれない事なんてないよ!」
話がまとまり、この先の門を突破し・・・中にいるバルトルを引きずり出すことになった。
「それじゃ、行くよッ!!!」
「先行は任せたぞスルト!」
「お気をつけて―――――」
「アタイも先行部隊じゃ~ワクワクするのじゃ~」
「遊びに行くんじゃないから気を引き締めていくよ!
お宝に何かないかなぁ~ウシシ~~」
「えっと・・・うん、皆頑張ってね・・・あはは―――――」
緊張感のないまま先行部隊のスルト、クーリア、ユキシロが門に向かって爆弾で先制攻撃をしながら駆け込むと・・・・
「お前らが統領の言う・・・俗か・・・・さぁここからは俺の大暴れの時間だ・・・・ウォオオォォォオォォォ!!!」
「出たぞ!あれがバーサクだ!!
ムクロの言ってたように鎧を壊しきるかアイツの体力をなくせれば私たちの勝ちだ!」
「うむ、それじゃ・・・アタイの一撃をお見舞いしてやるのじゃ!!!」
「はやッ!?・・・まだ、バフもかけてないのに!!
え~い、こうなったら戦闘しながら支援だぁ!!!
wアップ&ブレイクディフェンス!!!」
クーリアは全員にバフをかけると、周りにいる残存プレイヤーとの戦闘が始まり、ユキシロとスルトは鎧の男・・・デロンとの戦いが始まった―――――
「始まったか・・・あの光はバーサクの光だな。
それにクーリアのバフも発動してる・・・
この後、少ししてから俺たちも突撃するぞ。」
「うん!いつものだけど・・・無茶はしないでね。」
「そうです、ご主人様はいつも無茶ばかりするのですから。
たまには私たちにもいい所を作らせてください。」
2人がじっとこちらを見つめ俺がはいと言うまで続くと察すると・・・俺はしぶしぶ了承すると、レイとユリハの2人はハイタッチをして気合を入れていた。
「よし、そろそろ時間だな・・・俺たちもスルトたちと合流するぞ―――――」
「了解ですご主人様・・・さぁ舞い踊りましょう・・・剛腕装甲展開ッ!!!」
「うん、私だって頑張っちゃうんだから!!」
俺の合図でスルトたちが戦っている門まで俺たちは一斉に駆けだした―――――
「ウヴァアアアアアアアア!!!」
「ふんッ!!!でいやッ!!」
「ハッ!!トウッ!!!」
「2人とも素手で戦ってる・・・ジョブ的には
っと・・・ごめんごめん君たちの相手は私だったね・・・さ・・・どう調理しちゃおっかな~」
――――――シュコーーーー
――――――――シュコーーーーシュコーーーーー
フードを被った連中はクーリアを囲むように陣形を組むと、クーリアはふふふと不敵な笑みを浮かべ・・・・
「私が複数人数相手に対策していないと思ったのかなァ?
フレイムスピリット&ブリザードスピリット!!!
やっちゃえ!!!」
クーリアは新たなスペルである召喚スペルを使い2体の炎と氷の妖精を操り5人と同時に戦い始めた。
「こんのッ!!!バカみたいに厚い装甲を砕ければ早いんだけど・・・・
防具の耐久は目には見えないから壊れるまで叩くのが大変だな。」
「硬く、強く、そして暴れ狂うとはのぉ~もはやどちらがモブやエネミーかわからぬのぅ~」
「ウゴアアアアアアアアアアアアア!!!」
デロンは斧と自慢の鎧を纏った拳で攻撃を仕掛けるのだが、スルトやユキシロの方が身軽な分だけ早く攻撃がかすりともしていなかった。
「図体の割には早い方だけど・・・こっちの方が早くて威力も鋭いって事・・・忘れないでもらいたいねぇ!!!
さぁ・・・畳みかけるよ!ついてきな犬っころ!!!」
「アタイは犬っころじゃないのじゃ!!!
そっちこそ、追いついてこれぬのかのぉ?」
2人はさらにスピードを上げながらデロンの装甲に痛烈な打撃のラッシュをかけ・・・デロンの装甲がベキベキときしみ、ひび割れ・・・甚大なダメージを負っていた――――――
「ゴガアアアアア・・・・・ア・・・」
「チェックメイトだな!!!その装甲に頼りすぎたのが運のツキってヤツだね!!
さぁ観念しな!!」
「もう少し張り合いがあればよかったのじゃが・・・・
少し物足りんの~」
「ハァッ!!!よし、こっちは終わり・・・・2人ともお待た・・・せ!?
って本当に2人でアレやっちゃったの・・・どんだけ格闘センス高いの・・・
んん・・・アレ?あの上にいるの・・・だれ?」
クーリアはギルドの天井にローブを被ったプレイヤーを見つけ、スルトやユキシロに教えると・・・・
「アイツ・・・私たちが叩こうとしてるここの仮の統領・・・バルトル!!」
「スルトよ・・・まだ生きていたのか・・・早く消えていればよかったものの・・・それに、お前たちはこれからやろうとしている重大な計画の邪魔になる・・・と、言うわけで・・・消えてくれないか?」
バルトルは両腕を伸ばすとバルトルの影からニョロニョロした影がこちらに向かって飛び出してきた――――――
「クッ・・・このスキルはやっぱ面倒だな・・・・
ネタバレすると・・・影操作っていうアイツの固有スキルだ。」
「この影・・・まともに攻撃しているのにびくともしないのじゃ!!」
「2人ともそこから離れて!!!バーニングカノン!!!」
スルトとユキシロはクーリアの放ったスペルにすれすれで回避したのだが、2人は影を焼き払った事よりもスペルを放つ合図を出さなかったことに対して腹を立てていた・・・・
「おい、お前・・・私たちごと焼き払う気か!?
撃つ前には撃つと言ってからだな―――――」
「危うくアタイは焼き狼になるところじゃったぞ!?
このモフモフな尻尾が少し熱で嫌なにおいがしておる・・・」
「だ、だって・・・知らせたら不意打ちじゃないし・・・
それに2人なら軽く避けてくれるって信じてたから!!!(大嘘だけど・・・)」
クーリアが2人なら余裕で避けれると言うと2人は当たり前と豪語しはじめた・・・・
「そりゃそうじゃ!アタイは狼じゃからな!!
回避も攻撃もしなやかで華麗じゃぞ!」
「私だって回避にも自慢があるぞ!
360°からの攻撃でも避けれる自信があるからな!!」
「うわ~面倒なことになっちゃった・・・・」
「どいつもコイツもふざけおって・・・・これで終わりにしてやろう・・・
――――――影操作二式!!」
バルトルがスキル名を叫ぶと・・・バルトルの影がまともに動けないでいたデロンのひび割れた部分から侵入し、鎧を修復するとともに強化し・・・新たなデロンが目の前に立ち塞がった―――――――
「ゴアアアアアアアアア!!!!」
「アイツ・・・強化して復活させやがったのか・・・面倒なことばっかりしやがって―――――」
「主殿からあの鎧は倒せって言われてるからアタイは何度でも何度でも倒れるまで戦い続けるだけじゃ・・・・」
「ユキシロが久々にかっこよく決めたのはいいんだけどさ~
バフもデバフもこっちだから少しくらいは気にしてよね~
でも、ムクロッちがやれって言ったんだし・・・やるっきゃないか―――――」
3人はデロンと対峙すると、互いにどちらか先に出るか攻撃のタイミングを窺っていると――――――
「悪い悪い・・・少し遅れた・・・・んだ・・・が―――――」
「ムクロ君・・・戦況が変わって大変なことになってるみたい・・・・
ほら、あの鎧の人・・・さっきよりも見た目とか放つプレッシャーとかが全然違うよ―――――」
「そうですね、もはや怪物とでもいうのでしょうか・・・・それならば私はあの天井にいるモノを捕まえるとします。」
レイはバルトルの方へ構えると、剛腕装甲を屋根や壁を突き破りながら豪快に飛ばし
――――――――――21時43分・・・バルトル戦・・・
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