第92話 取引の結果
――――――――――20時21分・・・プライベートホーム
俺達がホームに戻ると、楽しそうに3人で話しながら俺達を待っていたのだが、もちろん俺が取引所に流したアイテムの事は3人にも知られており・・・その事よりも売れた後に何をするつもりなのかと尋ねられ、俺は今回開こうとしている大宴会の資金を集めるためにアイテムを流した事を話すと3人は納得し・・・アヤカが少しそわそわし始めた。
「あの・・・私、そのイベントに参加していなかったのに大宴会にお呼ばれしても良いのかなって・・・・」
「そんなの良いに決まってるじゃん!
アヤカは私達の仲間なんだから!
きっとライザー達も新しい仲間とか連れてくると思うしさ、気にしないで楽しもうよ!」
「あぁ、そうだな・・・・そして、懐に入る大金を狙う輩はきっといるだろうから・・・気をつけておかないとな。」
「そうだね、グロリアの世界でもお金を狙ったプレイマナーの悪い連中もいるって聞くし・・・
用心に越したことはないよ。」
「プレイヤーにも色々いるんじゃな~
アタイは美味いものが食べて飲んで主殿と絡めたらそれでいいのじゃ!」
「絡みの度合いで止めが入ることをお忘れなく・・・・
皆さんも度の超えた行為、言動に注意をお願いします。
これも全てムクロ主催と言う事を忘れないよう。」
「ご主人様、お話の最中申し訳ありません・・・私の方で行っておりました開催場所の確保と黄昏戦争イベントに参加していた方への招待メールの発送が完了いたしました。」
「レイ、ありがとな・・・・っと・・・そろそろ取引所に最終結果締め切りが出る頃か・・・・
と、言う事で取引所に行ってくる。」
俺がホームから出ようとすると、ユキシロとレイがお供すると言い付いてくる事になり。
3人で取引所に向かうとそこには先程までとは比べ物にならない程にプレイヤーでがやがやしていた――――――
「主殿~凄い人じゃ~」
「これもご主人様が流したレアアイテムの値段が決まる瞬間を生で見ようとする野次馬でしょう。」
「だろうな、あと・・・武器をぶら下げてるやつに・・・気配を殺してるやつがいるから2人とも気をつけるんだぞ?」
「「了解」」
俺達は人の波をかきわけ、取引所のNPCに話しかけると最終結果を報告してきた。
「今回取引所でお預かりさせていただいたアイテムは12億2340万リムドとなりましたが・・・どういたしましょうか?」
「それで取引をよろしく頼む。」
NPCは頭を下げて取引を開始し、俺の持つリムド金額が落札額にまで振り込まれると・・・NPCが取引は無事に完了したと通告し・・・俺達はホームに戻ろうとしたのだが・・・・
「おいおい、あんちゃん・・・・そのリムド置いて消えてくれねぇか?」
「へっへっへ・・・こいつらどうやってあのレアアイテムを入手したかは知らねえが・・・Lv1だぜ?それにこの取り巻きのNPCも可愛子ちゃんを連れてると来たもんだ!」
「こんな野郎に横取りされたとなっちゃ俺達のギルドも地に落ちるってもんだ・・・・
悪く思うなよ・・・あんちゃん!」
男が俺に殴りかかろうとした瞬間、ユキシロが思わず力いっぱい殴りかかって来た男を殴り返すと再起不能となっていた。
「ありゃりゃ・・・Lvが高いもんだから強いのかと思って殴ってみたんじゃが・・・・
お前さん達・・・Lvだけの見せかけじゃろ?」
「あ~あ、やっちゃった・・・・穏便に済ませたかったんだけどな・・・・
なぁ、あっちの人気のない所で話さないか?」
「だ、誰がお前みたいなクソガキの言う事をきくかヨォ!!」
「そーだ!たかが俺達の仲間を1人ダウンさせて良い気になってんじゃねぇぞ!!!」
「待たせた!仲間を数人呼んできたが・・・コレはどうなってる!
やったのはどいつだ!?」
「は~い!アタイじゃよ~
あまりにも弱いんで・・・本気も出しちゃおらんがのォ?」
ユキシロの挑発的な言い方にブチギレたチンピラはユキシロに向かって殴りかかるが全くかすりもせずにチンピラの息だけ上がっていた――――――
「はぁはぁ・・・どうなってやがんだ!?
こいつぁよぉ!!!」
「こんなクソガキに舐められて良いわけがねぇ!!!」
「やっちまえぇ!!!!」
急に乱戦PVP状態になり辺りにいた関係のないプレイヤー達は巻き込まれないように一目散に逃げていき乱戦が始まった――――――
「ご主人様、私はそろそろ我慢の限界です・・・・ユキシロ達に良い様に言いましたがコレ以上はダメそうです・・・・」
「そうか、良く頑張ったなレイ・・・暴れてくるといい
ユキシロ、お前も少し下がってろ・・・」
「主殿の命令ならば仕方ない・・・」
ユキシロは俺の真横に立つと、レイがゆらゆらとしながら真ん中に立つとチンピラがまた吠え始めた―――――
「おい、コラ!逃げんじゃねぇ!!!」
「くそ・・・・あのクソガキの連れてる
「とっとと金を巻きあげて帰ろうぜ~
あんなガキに相手してる暇があるならもっと楽しい事できるぜ?」
「なぁ、そこのメイドさんよぉ?あそこにいるクソガキにお金を置いて消えねぇとボコボコにするって言ってくんねぇかな?
俺達そんなに暇じゃないだわ?」
「あなた方、最後に1つだけチャンスを上げましょう・・・・今ここでご主人様に対し悪態・言動を撤回し、命をささげるのであれば見過ごしましょう・・・・」
レイの口から放たれる言葉に重さが交りチンピラも少しざわざわしたが・・・・・
「うるせぇんだよ!!!とっととそこのクソ主人からお金とってくりゃいいんだよ!!」
「あぁ・・・良かった・・・あなた方が改心したらどうしようかと思いました・・・・
この激情はもはやどうしたらおさまるのやらと・・・コレで心おきなく・・・粛正できます。」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃ――――――――ガハッ!!」
チンピラはレイに殴りかかる瞬間、レイの反撃により壁に張り付いていた。
そして、チンピラ達が止まっている間にレイは次々とチンピラに粛正の拳を叩き込み、数秒以内にチンピラ達の群は誰1人として立ちあがる気力も仲間を呼ぶ力も、何も残されてはいなかった―――――――
「まだ、私の怒りが収まりません・・・・
アナタの大切なものを奪えば怒りは張れるでしょうか・・・・」
「ひぃッ!?だ、誰か助けッ!!!」
レイがチンピラの1人を手で貫こうとした瞬間――――――
「レイ止めろ!ほら、よしよし・・・・・お疲れさん。
お前たちも相手を選んで行動しろよ・・・じゃないともっと怖い目にあうぞ?」
「主殿は優しいのだか怖いのだかわからんのじゃ・・・・お前たちそれじゃの~」
「はッ!ご主人様お見苦しい所を・・・・わ、私は・・・ご主人様に対するあの方達の発言をどうしても許す事ができませんでした・・・・なので――――――」
「知ってる、だからほら・・・ホームに帰ってゆっくりしよう。」
俺はこれで奴らが何もしてこないと察しレイとユキシロを連れてホームに帰って行った。
「ただいま・・・・ユキシロ、俺はレイをベッドまで運ぶからユリハ達に連絡しておいてくれ。
無事に取引は成功したってな。」
「任されたぞ、主殿!」
ユキシロはユリハ達のいるリビングに走り、俺は意識の薄いレイをベッドに運び、ベッドから離れようとすると・・・・レイが俺の服の端を掴み、もう少しだけここにいて欲しいと小さな声で呟き俺は分かったと言うと椅子に腰かけた。
「―――――ご主人様、そこにいますか?」
「あぁ・・・ちゃんといる・・・今日は本当にレイの大活躍の日だったな。」
俺は笑いながらレイが今日1日頑張った事を本を読み聞かせるように語ると、レイの意識が少し戻ったのか・・・話しに入って来た。
「私は頑張ったのでしょうか?」
「そりゃ・・・レイは今日すごく頑張ったと俺は思ってるぞ!
レイがいなかったらファフニール戦は大変だったのは事実だしな。」
「そうですか・・・・それなら、ご主人様から私に何か御褒美を頂ければなと思いますが・・・・
ダメでしょうか?」
「あぁ、そうだな・・・レイの頑張りに見合った御褒美を上げないとな!
レイは何が欲し――――――」
俺は目を閉じてレイに何が欲しいか尋ねようとした瞬間・・・レイに唇を奪われていた・・・・
「私の御褒美は・・・これで結構でございます・・・ご主人様――――――」
「そうか、これでレイが満足してくれるのなら安いものだな。」
俺は笑いながら体調が戻り元気になったレイと共にユリハ達のいるリビングに戻って行った――――――――
――――――――――21時30分・・・・プライベートホーム
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