第59話 魔術師の戦い
――――――――18時40分・・・・現在戦闘不能者:12名
所々で激しい戦闘が繰り広げられている中・・・・ひと際目立つ激しい戦いを
―――――――GOAAAAAAAAAAA!!!!!
「ふ~ん・・・・この大きな人形は機動力もパワーもある・・・・本当に面倒・・・それに所々に何かが仕掛けられている・・・・
ルージュはエリエントと炎の守護神との波状攻撃を回避しながら炎の守護神に仕掛けられた複数の魔方陣を睨みつけていた―――――
「ルージュが何かに気づいた・・・・これは直ぐに対処しないと・・・面倒な事になりそうですね・・・・ツインプロミネンス!!!」
――――――――――――GOAAAAAAAAAAAAA!!!!!
「ふ~ん・・・そう言う事・・・どうして炎魔法を使っているかと思ったら・・・・
「――――やはりルージュは相当な術の使い手・・・・すぐに根底がバレてしまった。
でも、まだ終われない・・・何も無し得てないこの状況では・・・・ムクロの元に帰れない・・・・
そうです・・・流石はあちら側の
どんな犠牲を出したとしても―――――」
エリエントはファイヤーボールを撃ちながら炎の守護神から距離を取り始めた―――――
「ふ~ん・・・魔法を撃ちながら逃げて何を言ってるのかしら・・・・クッ!
――――その大きな腕が邪魔ね・・・・左手の刻印、左足の刻印よ・・・混ざりて発動せよ・・・・
アレを捕縛せよ・・・
ルージュの腕と足の刻印が光り始め、地面に青い魔方陣が浮かび上がると・・・・そこから青薔薇が咲き誇り、棘の鎖が炎の守護神の腕に絡みつき腕を封じた・・・・・
「刻印は混ぜると違う効果が・・・・こちら側のスペル系統とは違って・・・奥の深そうな分野ですね・・・ですが・・・・腕を狙ってくる事は予想通りです――――
炎の守護神・・・その術式を魔力変換しなさい!」
エリエントが炎の守護神に指示すると、辺り一面に火柱が上がり・・・・炎の守護神を飲み込み、大きな炎の柱になっていた―――――
「ふ~ん、自らあの大きな人形を自壊させて・・・1vs1では勝ち目がないと言う事を知った上で消すはずもないでしょうが・・・・気は確かですか?」
「自壊・・・ですか・・・アレを見てまだそう言いきれますか?」
エリエントは炎の渦に指をさすと、中で何かが動く気配がした・・・・
「ふ~ん・・・そうですか・・・私の魔術を・・・喰らいましたね・・・・
炎の守護神が―――――」
ルージュが睨む炎の渦の中には・・・腕についた炎の鎖をじゃらじゃらと鳴らしながらこちらに向かってくる炎の守護神がいた――――
「私も1つ忠告します、真の一撃でない限り・・・私は負けません。」
「ふ~ん、鎖を解除し喰らった程度で・・・良い気にならないで欲しいです。
私にはまだ・・・刻印魔術が残されているのだからッ!!」
ルージュはそう言うと、全身の刻印が光り始め・・・無数の魔法が飛び出し、炎の守護神に全て命中したのだが・・・・
――――――――――GOAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!
「ふ~ん・・・出まかせじゃないようですね・・・一撃ですか・・・
先程の中には致死性の高い魔術もあったのですが・・・やはり真の一撃で全てを屠るしかなさそうですね―――――
全刻印解放・・・刻印眼起動・・・・魔導モード承認・・・
――――我が身に宿りし全ての魔の刻印よ・・・
――――――――――――――
ルージュの全身に刻まれた刻印が光り出したその光景は・・・天から女神が降りてきたかのようで・・・それは美しくもあり悪魔のように全てを飲み込まんとするオーラを放っていた・・・
そして、ルージュは自身の誇る最大級で最大の刻印魔術を放つと付近で戦っているライザーや移動中のクーリアにも被害が出るほどに強力で無慈悲・・・全てを無に還す名の一撃であった――――
「ゲホッゲホッ・・・何なの・・・アレ・・・―――――――ッ!?
エ・・・リ?・・・・・・・・・・」
「今、何が起こりやがった!?・・・イテテテ・・・・
ッて・・・・なんじゃ・・・・こりゃ――――
バカでかいクレーターができてんじゃねぇえか!!」
――――――団長、何者かが使用したスペルのようですが・・・モブや辺りの地形も大分変わったようで・・・・余波で行方不明者複数、数名がこれにより
―――――団長、あのデカかった炎のヤツも少し小さくなってます!
――――――アレが街に落とされなくて良かったぜ・・・・あんなの落ちてたら一発で終わってるぜ・・・・まったくこの戦いは本当に勝てるのかよ・・・・・
ライザーの偵察隊とサポート隊の対応ですぐに情報が集まったのだが、このクレーターの大きさと規模からみてモブは大体が消滅、あの炎の大きなヤツは何とか耐えた様子であったが・・・・
クーリアはそのクレーター近くの炎の守護神の下で動かないエリエントを見て動けずにいた・・・・・・
その余波は、ミストとサクラの戦闘している場所やムクロとユリハのいる最前線の場所でさえ余波が届き、その地点を大きな煙とかすかに見える炎の塊でエリエントがいる事がわかったのだが・・・・各自、目の前の敵から目をそらす事は出来ずただひたすらに戦うことしかできなかった――――――
「逃げろとかカッコよくいいながら・・・・そんな所で寝てるなよ!!!!
皆と、合流するんでしょ・・・・・・ホラ・・・・早く立ってこっちに来てよ!!!
エリエント!!!!!」
「―――――っう・・・痛ッ・・・起こされる声が・・・よりにもよって、ムクロじゃなくてクーリアに起こされるなんて・・・・私もまだまだ・・・ね。」
「ふ~ん、まだ生きてたんだ・・・しぶといわね、でもこの大きかった人形も少しばかり小さくなったわね・・・諦めてログアウトしなさいよ。
貴女を刈り取るには惜しい・・・その力はまだまだ伸びる・・・だから、負けを認めてログアウトしなさい!」
空からゆっくりとエリエントの前にルージュが現れたのだが、その姿は殆どの刻印が機能を停止し、疲れた顔をしたルージュであった。
「・・・・くっ・・・そんな事を言われても・・・ハイわかりましたと諦めるわけにはいかない・・・・
まだ私は生きてる・・・ルージュの言葉で私は折れない・・・私が信じた彼が進む未来の為なら、その道に向かって私も共に
だから、貴女の言葉でなんかで・・・終わってやれないの!!!
炎の守護神!!今よッ!!!やりなさい!!!!」
「何ッ!?まだこの人形動けたのッ!?」
ルージュはすでに勝負は決したと思い、不用意に近づきすぎており・・・エリエントの掛け声で炎の守護神はルージュを掴みあげていた。
自分の脚で立つ事もままならず、体力も殆ど残っていない状態であったが・・・エリエントは杖を使いながら立ち上がると掴みあげたルージュを見つめていた――――
「ふ~ん、本当さすがね・・・・貴女も相当しつこいタイプよね・・・でも、片腕しかないこの人形とボロボロな貴女・・・そして防御モードのこの私とどうやって戦うっていうの?」
「私は、彼と・・・・ただ少しでも一緒に繋がれるだけで良かった・・・・
だけど、それをアナタ達が壊そうと言うのなら・・・私はどんな事をしてでも彼とこの
そして、その障害が目の前にいるのなら・・・・私の全力で
――――――
――――――――
――――――――GOAAA・・・・・
「ふ~ん・・・私も終わりね・・・・こんなにも思いの力が強いなんて・・・・
魔術以外の力ってのもあるのかも・・・・ね――――
本当に・・・・面白かったわ・・・エリエント――――――」
エリエントは微笑みながらヴォルカニクに最後の命令を伝えると、ヴォルカニクの全身が青白く光り始め・・・・臨界を超え、エリエントとルージュを炎の大爆発が2人を飲み込み消滅した―――――
―――――――――――19時12分・・・・
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