第58話 新たな敵・・・
―――――――18時34分・・・・・
激しいミストとサクラの斬り合う戦いを見ながら、ライザー達はゴーレムや死霊系モブの群の中で孤軍奮闘していた―――――
「くそ・・・バフが切れた・・・クーリア、エリエント・・・バフかけよろしく頼むぜぇ!!!」
「はいはい、ムクロっちの盟友だか何だか知らないけど・・・・仕方ないからかけてあげるよ!!
「本当に・・・・色々なモブいますね・・・・ムクロたちの方から赤い信号弾が上がったと言う事はユリハが帰って来てると言う事と・・・何かしらのイレギュラーが起こったと言うこと・・・・
ゆっくり防衛もできないということだから・・・本腰入れて私達も出るわよクーリア・・・・
「了解!!!ばんばんやっつけちゃうよ!!」
クーリアとミストはバフをかけ終えると、武器をぎゅっと握りしめ城門から駆け出しライザー達のいるモブの群に向かい始めたのだが・・・・
「この反応・・・・クーリアッ!よけてッ!!!」
「のうわぁ!!!!何コレ!?」
クーリアを狙ったように空から紫電が降り注ぎ、ギリギリのところでクーリアが回避する事が出来た。
「ふ~ん避けられるんだ・・・反応は良いみたいだね。
これなら少しは・・・魔法の練習にはなるかも――――」
避けられた事を評価しながら空から小さな女の子がクーリアとエリエントの前に降りてきた。
「この子が・・・あの雷の魔法を・・・・
魔方陣がなかったけどアレは一体――――」
「クーリア気をつけて・・・この子、あちら側のプレイヤーの1人で間違いない・・・・
何せ・・・体の部位に魔方陣が刻みこんであるわ・・・どこから何が飛び出すかわからいから気をつけなさい!」
「ふ~ん・・・この刻印魔法を見抜くなんて・・・こちらの魔法使いジョブも腐ってはなさそうね。
でも・・・こちらの世界には存在しない技術だと思うのだけれど・・・・
申し遅れたわ、私はあちら側のプレイヤー・・・ルージュ・・・さぁ・・始めましょう・・・クーリアにエリエント―――――」
名前を何故知っているかと聞く前にルージュは両手を前に構え睨みつけると、石の柱がエリエントとクーリアに向かって飛び出してきた。
「こんなの!何のへっちゃら!!
ウィンドスライス!!!」
「良い読みよクーリア・・・ブロックガード!!!」
エリエントはクーリアの後ろに回り込み、ガードスペルを使用し・・・クーリアは石の柱とルージュを狙いながら風魔法で迎え撃った――――――
「ふ~ん・・・逃げないその態度、そしてあなた達のコンビネーションは認めましょう・・・
ですが、私も並ではないので・・・・右腕の刻印・・・サテライトショット!!」
「クーリア・・・・上から――――――」
「ぐあぁあぁぁぁあぁぁ―――――――」
ルージュは右腕を空に構えスペルを発動すると・・・天空から紫電が降り注ぎ、クーリア達を電撃が襲った・・・・・
「ふ~ん・・・あのスペルを受けてもまだ体力バーが黄色になっていない所からすると・・・
魔法耐性が元々高いか、何かしらの装飾品で軽減―――――しましたか・・・・
なら・・・右手の刻印・・・サテライトバーストショット!!!」
ルージュは攻撃の手を緩めようとせず、右手を更に天に向かって構え・・・・更に大きな紫電を放ってきた―――――
「クーリア・・・体は動くのですか?」
「ちょっと・・・スタンしてるかも・・・ゴメン――――」
「はぁ・・・何を謝る事があるのですか?
お互いにあの紫電を受けてこうしてられるのも・・・クーリアの使ったマジックガードのおかげ・・・・でもかかりが薄かったクーリアはスタンになってしまって・・・でも安心して・・・私がコレを何とかして見せるから。
そこで大人しく休んでなさい―――――
具現せよ・・・灼熱の巨人・・・ヴォルカニクガーディアン!!!」
エリエントは大きく手を掲げ、スペルを叫ぶと天から降り注ぐ紫電を打ち砕く程の力を持った炎の守護者を召喚した。
――――――――GOAAAAAAAAAAAAAAAA!!!
「す・・・すごい・・・・って!あちちちち!!焼けちゃう!焼き兎になっちゃう!!」
「少しは黙っていられないのですか・・・私も熱いですが・・・
それと、今が体制を整えるチャンスです・・・キュワライト・・・キュワステータス・・・
これで良し・・・・さぁ反撃開始するわよ!」
「回復ありがとう、さぁ~て・・・反撃開始――――」
「私はここでルージュを食い止める・・・だからクーリアはライザー達の所に戻って、ユリハやムクロ達と合流するのよ・・・・ホラ、早く行きなさい!」
「それよりも2人で戦った方が勝ち目が・・・だから、私も残って――――」
「二度も言わせないで、クーリアがいると全力で戦えないの・・・・だから早く行きなさい!!」
「絶対に合流しに来てよ!!絶対だからね!!」
「わかったから・・・早く行きなさい。」
クーリアが回復すると、ルージュとの戦闘の巻き添えにならないよう・・・振り返らずにライザー達と合流するためにクーリアは駆け出した――――
「ふ~ん・・・この人形は私だけしか狙わないようになっているのね・・・・
この質量と力・・・召喚したあのエリエントと言うプレイヤー・・・1人を逃がして私とやり合う気ね・・・・でも・・・この大きな人形は・・・面倒ね――――――」
ルージュは移動するクーリアを見逃しながらくるりと回り、炎の守護者とエリエントとの激しい魔法の衝突が始まった。
―――――その頃、ムクロは・・・・・・・
「クソッ・・・・クイックシフトしてもゴーレムと大量のモブで道が塞がって移動できないな・・・・
ハァッ!!!!!ハッ!!!!」
ムクロはシフトを使用しながら移動しているのだが向かうよりも戻る方がモブの密集度が高くどうしても遠回りの移動になってしまっていた――――
「一刻も早くユリハや皆と合流しないと何が起こるかわからないって言うのに・・・・・
ん?・・・・誰かが戦っている?」
俺は剣と剣が擦れ合う音のする方向へ移動するとそこにはユリハと謎のプレイヤーとが戦っていた。
「ムクロ君!ロネッサはどうなったの!
ケガしてない?呪いも何もかかってないよね!?」
「だ、大丈夫だ・・・ロネッサには逃げられた・・・・その辺の話も皆と合流した後で話す。
それより、俺よりもユリハの方がボロボロじゃないか?
アイツ・・・そんなにも強いのか・・・・」
「うん、あのプレイヤー・・・・ウェルディムって言うんだけど・・・・
死神のような鎌を自由自在に使うすご腕のプレイヤーだよ。」
「これはこれは・・・・かの有名なムクロまでもきたか、コレは豊作豊作・・・
白い嬢ちゃんと黒騎士を両方相手にできるとは・・・・最高の戦争ですなァこれは―――――」
ウェルディムという名前のプレイヤーは鎌をブンブンと振り回しながら俺に挨拶をしてきた。
「親切にどうも・・・・俺達の名前は知られているのは良いんだが・・・・
2人で1人を相手にする時は相手がモブか化け物の時だけだ――――
これでもフェアプレイを
ウェルディムだっけか?お前もフェアプレイで戦う方が好きなタイプだと思うんだが・・・違うか?」
「ほう・・・何故そうだと言い切れるんだ?――――俺はあちら側の・・・いわば侵略者であり、女神の使徒・・・・もはやモブや化け物と何ら変わりないのではないか?」
「そんなことない・・・だって・・・ウェルディムさんの目は・・・生きてる・・・こんな場所だけど、ちゃんとした舞台で正式な戦いがしたかった・・・・」
ユリハがそう言うと、ウェルディムが大きく笑いながら鎌を振り回しながら構えなおした―――――
「そうか、そうかそうかそうか―――――――オモシロイ・・・・
ならばッ!!1対1のサシでの勝負で決着をつけようかァ!!!
俺は
その感謝を込めて・・・全力でお相手しよう!!!!」
ウェルディムは先程までとは比べ物にならない程に強い気迫と眼差しを浮かべながら、ユリハと対峙した――――――
――――――――18時40分・・・・
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