第42話 戦いの始まり

――――――――――21時22分・・・・分断戦中


――――――――――GAGAGAGAGAGAGA・・・・・


「クソッ!このスケルトン共を駆除しなければムクロの場所までたどり着けんな―――

――――フンッ!!」

「倒しても倒してもキリがないよ!――――このぉ!フリーズボム&ファイアーブリッツ!」

「クーリア・・・無駄口叩かないの!目の前の敵に集中!――――クロスファイヤー!」

「ていやッ!クッ・・・・数が多い、しかも普通のスケルトンと違って・・・強い!――――(待ってて・・・ムクロ君)」

倒しても倒してもゾロゾロとスケルトンが道を塞ぐように現われユリハ達は先に進めずにいた――――


「さぁ~て・・・どこから削り落しちゃおうかなぁ~~

その綺麗な顔からかなぁ~~~それとも指かなぁ~~アハハ~

でも、やっぱりコレかなぁ!!」

ロネッサは俺の体にナイフを這わせながら、俺の腹にナイフを突き立てた―――――


「ぐあぁッ!!!・・・・・PVPでもないのに・・・・モブと同じダメージ判定なのか・・・・」

「驚いたァ??反撃してもいいんだよ~同じようにダメージは入るからァ~

そこから・・・動けたらだけどねェ~~アハハ~~」

ロネッサは高笑いをしながら俺に挑発し、さらに2本のナイフを両手に持つとナイフをぺろりと舐めながら歪んだ笑顔を浮かべていた。


――――くそッ・・・・このままじゃ・・・


「お次は・・・どこにいこうかなァ~~っと!!!」

俺の顔にナイフを突き刺そうとした瞬間―――――――


―――――――そこまでです・・・異界のプレイヤー・・・


「なぁ~に~この・・・可愛くない人形はァ・・・・・」

「ご主人様、本来は命令がない限りは行動権がない私ですが・・・今回は特例で、戦闘介入が許可されましたので、微力ながら助力いたします。」

俺を間一髪でナイフから助けたのはレイであった――――――


「レイ・・・・そうか、あの女神が――――」

「ふ~んこれが機械天使とかいう・・・どれくらい強いのか・・・楽しみだなぁ~アハハ」

ロネッサはレイを見るや否や俺から少し距離を取って睨みつけている。


「ご主人様、少し痛みますが我慢してください――――」

「ちょっ・・・・まっ・・・イダダダッ!!?」

レイは勢いよく俺の体に突き刺さったナイフを引き抜き、ポイッと捨てると俺に抱きついて来た。


――――――少しダメージを受けておられますが、御無事で良かったです・・・・


「あぁ・・・ありがとう、レイ・・・・ここからは俺が――――」

「――――いえ、今回は私が・・・・ご主人様に牙剥くモノは何であろうと粉砕します・・・」

レイに束縛を解除してもらいながら剣を抜き戦おうとすると、レイが大きな装甲で道を塞ぐと同時にレイはメイド服から戦闘服に切り替わっていった―――――


「いつまでいちゃいちゃ見てればいいのかなぁ~~それにしても・・・便利な力だねぇ~~それに・・・・そんなに大きな胸だと邪魔にならないのぉ~

邪魔だよね~邪魔邪魔だよね~だから、切り落としてあげちゃおっかなァ!!!!!」

「いえ、結構です・・・・この体はマスターのモノ・・・傷つけるも壊すも汚すも、マスターのみですので―――――装甲展開!剛腕装甲:トールハンド!!」

ロネッサが奇妙な形のナイフでレイに斬りかかるも・・・・レイの装甲で塞がれていた。


「無駄です、貴女の武器では私を傷つける事はできません―――――」

「―――チッ!・・・硬い・・・・カチカチでデカイ・・・・腕ェ・・・・切り落としたいなぁ!!

武器チェンジ・・・・・チェーンソーなんて・・・どうかなぁ~」

ナイフでは意味がないと悟り、ナイフを捨てると新たにチェーンソーに変え・・・さらに歪んだ笑みを浮かべながらレイの装甲にチェーンソーを叩きつけた―――


――――――――――Grrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!


鉄と鉄が削り合うような鈍く鋭い音が辺りに響いていた。


「くひゃは・・・まだまだ硬いねェ・・・・こんなに斬りつけても全然傷も付いてないし・・・・

スケルトン隊で様子かなぁ~~召喚陣:骸骨兵スカルエンチャント~」

「まだ、スケルトン出せるのか・・・・あっち側の設定は一体どうなってるんだ・・・・

レイ、俺も援護を―――――」

「いえ、マスターは私の活躍を見ていてください、このカルシウムお化けは私が全て駆除いたします。」

レイは俺にそう言うとひしめくスケルトンの群の中に突撃し、その大きな剛腕でスケルトンを握りつぶしながら粉砕していく。


レイの剛腕の破壊力は凄まじく、辺りには握りつぶされバラバラになったスケルトンの破片が散らばっていた――――


「ほえ~~凄いパワ~~剛腕あんなのに捕まったら本当にバッキバキにされちゃうなぁ~

でもでもぉ~これならどうかなぁ~~~最終プランだけどこの状況なら仕方ないよね~」

ロネッサは歪んだ笑みの顔から真剣な顔に変わると奇妙なスキルを唱え始めた。


「無念に敗れし朽ちた屍よ・・・未だに彷徨いし動く屍よ・・・

混合せし命と屍は・・・巨大な屍渦がいかとなりて全てを壊さん・・・

―――――この世を死の世界に作り替えよ!混屍術カオスマジック縛命骨スケルトンオーガ!!」


ロネッサが唱えたスキルは、辺りに散らばったスケルトンの破片やユリハ達と交戦中のスケルトンの群が1つになり、巨大な骨の化け物になった――――


――――――――――GLLLLLLLLLLLLA!!!!


「な・・・ななな・・・ナニアレ!?」

「急にスケルトンたちが何かに吸い寄せられるように消えて行ったが・・・・

アレが元凶か・・・」

「あそこに見えるのは・・・・ムクロとレイ・・・・それに謎のプレイヤー?」

「ムクロ君!・・・・よかった・・・少し体力が減ってるけど無事でよかった―――

でも、その前に・・・あの巨大なスケルトン倒さないとね。」

壁となるスケルトンがいなくなった事でユリハ達は俺のもとに集まり、安否の確認を行っていると―――――


「はいは~い!ご注目~いちゃいちゃ始める前にコレと戦ってね~ん!

私は時間切れだけど・・・・この子はグロリアココで大暴れすると思うからァ~頑張ってね~ばいば~い!」

ロネッサが巨大なスケルトンオーガの肩に乗りながら自身の体が消えかけていることで時間がない事を知ると、スケルトンオーガにボソボソと命令を告げ、俺たちに向かって投げキッスをすると光の柱になって消えていった―――――


―――――――――――GLAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!


ロネッサは消え、指導するモノがいなくなった巨大なスケルトンオーガは大きく咆哮すると、目を光らせ、巨大な腕で俺たちに攻撃を仕掛けてきた。


――――――――――――21時38分・・・・スケルトンオーガ戦


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