第22話 今後の進展・・・・
―――――――――――22時59分・・・・「プライベートルーム」
俺たちはエリエントに最近グロリアで起きた事、起ころうとしている事に付いて話した―――
「そう・・・私が覚醒していない間にそんなことが・・・・なら、私も微力ながらムクロたちに協力するよ―――まだ、復帰して間もないけど・・・力にならせてほしいの・・・」
「あぁ、エリエントが加わってくれるのなら助かるよ。
でも、無理はするなよ。
エリエントは病み上がりなんだからな。
何かあったらまたミカゲに怒鳴られる。」
「エリさんが協力してくれるのなら、さらに安心だね。
これからよろしくお願いします。」
「エリ、これからよろしく頼む。
体を気遣いながらグロリアをプレイするんだぞ。」
「そうだよエリ~まずは体の調子を整えないとね。
ブランクはクエストをこなして元の勘を取り戻せばいいよ。」
俺たちはエリエントが戦争イベントに協力してくれる事に喜ぶと同時に体調の心配もあった―――
何せ、今日目覚めたばかりで体調が急変する可能性があったからだ・・・
今までプレイしてきて未帰還のプレイヤーがいた事がないため、どのように配慮すればいいかわからず、とりあえず病院側からOKが出るまでは安静にするようにとエリエントに伝えた―――
「うん、わかったよ。
明日もまた病院に行くから、その結果次第でだね。
それじゃ、私はそろそろ落ちるよ。
兄さんが戻ってくると厄介だから、それじゃ、バイバイ。」
俺たちはエリエントに挨拶をするとエリエントは光の柱になり消えていった―――
「さて、俺たちも今日は戦い詰めだからそろそろログアウトするか。」
「そうだね、時間も時間だし・・・明日また学校で。」
「だね~今日はエラーモンスターと戦って・・・秘境にも行ったりして・・・エリも無事に帰還できたし・・・そして、眠い!!」
「今日は本当によく戦った、そして有意義な一日でもあった・・・また明日からクエストで強くならないとな。」
俺たちは今日の疲れを感じ、お先にとクーリアとミストがログアウトした――――
「ムクロ君はまだログアウトしないんだね。」
「あぁ、俺は武器の整理をしてからログアウトしようかと思ってな。」
俺は今日エラーモンスターと氷山フィールドの戦闘で使った武器の手入れを始めた―――
―――また無理な使い方したな・・・俺は傷ついた武器を眺めながら横から覗くユリハの視線に気づいた・・・・
「へぇ~ムクロ君って武器の手入れは凄く丁寧なんだね。」
「こんなの見ててもつまらないだろ?
ユリハは先に落ちてればいいのに。」
「つまらなくないよ!こうして見てるだけで・・・何だろう少し安心すると言うか―――
もう少し見てちゃダメかな?」
「まぁユリハが見たいって言うなら構わないが・・・」
ユリハがジッと武器の手入れ作業を見つめながらソファーのクッションをもふもふしていた。
「ねぇ・・・ムクロ君。
私たちはクリアまで一緒にプレイするって言う約束だったけど・・・
私は、ずっとムクロ君とプレイしたいよ。」
「そうだな、俺もそう思ってるよ。
ユリハが迷惑じゃなかったらずっと一緒にプレイしたいと思って――――」
「じゃぁ契約更新・・・・ずっと・・・一緒、だね。」
俺が話し切る前にユリハが俺の背中に抱きついて来た――――
背中には私服のユリハのやわらかな感触があった・・・
「あぁ・・・そうだな、ずっと一緒だ。
俺たちはずっとフレンドだ―――」
「ッグ!?・・・・ムクロ君のバカッーーーーー!
どうしてこの状況で・・・もぉ、ムクロ君のバカバカバカ!!!
もぉ寝る!バイバイ!」
俺はユリハの気に障るような事を言ったのかわからないまま怒鳴られ、ユリハはログアウトして消えていった―――
―――なんだったんだ・・・俺は何か気に障るような事を言ったか?
俺は手入れが完了した武器をしまうと何故怒らせたのか考えていると台所の方からレイが近づいて来た―――
「コホン、失礼ながらご主人様は乙女心がまるで分かっておられないですね。
先程のユリハさんは・・・・いえ、これはご主人様が自ら考えるべき問題ですのでこれ以上は申し上げられません・・・ですが、もう少し女性の気持ちを考える事をオススメします。」
レイは頭をペコリと下げると次元の狭間へ消えていった―――
―――ユリハの・・・女性の気持ち・・・かぁ・・・
――――何だ、このモヤモヤした気持ちは・・・モブやプレイヤーとの戦闘で味わうモノではないな・・・・この気持ちに整理ができないまま俺はグロリアからログアウトし、ベッドに潜り眠りに付いた―――――
――――――――――――23時31分・・・・就寝
――――――――――
―――――
――――――4月21日(木)・・・・7時5分・・・・
「悠ちゃーーーん、朝ごはんできたよ~
早くしないと学校に遅れちゃうわよ~」
下の台所から姉さんの呼ぶ声が聞こえてきた――――
―――――ふわぁぁ・・・・もぉ・・・朝か・・・
俺は寝ぼけた顔をしながら階段を下りると姉さんが待っていた・・・・
「ふふふ・・・早くしないと遅れるって言ってるでしょ?
悠ちゃん?」
俺は姉さんの顔を見ると眠気が吹っ飛びすぐさま洗面所に向かい身だしなみを整え台所に戻ってきた――――
「姉さま、おはようございます!今朝の朝食も豪華ですね!こんな弟の為に朝からお勤め御苦労さまです!!」
「はい、悠ちゃんおはよう。
そのコテコテの言葉も全然愛がこもってないぞ~」
姉さんに指で額をツンツンされながら朝食が始まった・・・・
―――――俺は昨日の事を考えながら朝食を食べていると・・・
「ねぇ、悠ちゃん・・・何かあった?」
「うぇ!?あ、えっと・・・その・・・どうしてわかったの?」
「そりゃ・・悠ちゃんのお姉ちゃんだもん、悠ちゃんの事なら何でもわかるのよ。」
また姉さんは俺の額をツンツンして頬をグニーーーと、し始めた――――
「姉さん、痛い・・・グニーーー止めて。」
「ふふふ・・・昔から悠ちゃんは何かあると1人で考えるような素振りを見せるから・・・
それで、どうしたの?私でよければ相談に乗るわよ?」
俺はゲームではそこまで悩む事はないのだが、今回は特別な事情でネットで調べる事もできず姉さんに昨日2人がログアウトしてからの事を話すと―――――――――
「ぶはッ!!けほっ・・・ケホッケホッ・・・・・はぁはぁ・・・・(由里さん・・・なんて言う子・・・数段も早いペースじゃない・・・予想外だわ。)
あ・・・あのね、悠ちゃん・・・これは、私にもわからないかなぁ・・・はははぁ・・↓」
姉さんは俺の話を聞くや色々なところで咽て苦しそうにしていた――――
「姉さん大丈夫!?」
姉さんにもわからない事を考えないといけないのか・・・これは困った・・・
俺はブツブツ言いながらベーコンをハムハムと食べていると姉さんが震えながら話し始めた―――
「だ・・・大丈夫よ。
――――ねぇ、悠ちゃんは・・・由里さんの事どう思う?」
「え、どうかと言われても・・・そうだなぁ・・・ゲームが上手くて、料理が上手で・・・いい笑顔をする――――」
「はいはい、ストップストップ・・・はぁ・・・悠一ってゲーム以外の事って本当に鈍感よね・・・」
姉さんは何かを諦めるかのようにそっとコーヒーを飲みながら悲しい目で俺を見つめていた。
――――なんだろう・・・この俺だけわかってないみたいな流れ・・・・
「はぁ・・・朝食も済んだことだし、学校に行きましょうか。」
「う・・うん、その、姉さん・・・この事は由里には秘密に・・・」
「大丈夫よ、私は悠ちゃんの味方だからそんな事はしないわよ。
でも、ちゃんと由里さんを見てあげなさい。
悠一にはちゃんと由里さんのいい所が見えてる筈だから・・・」
姉さんは少し寂しそうな顔をしながら家を出て、俺たちは学校へ向かった――――
―――――――7時45分・・・通学路・・・・
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