第20話 体温
猫が膝のうえで丸まっている。
重いし…動けないし…基本的に不自由だ。
だけど…その不自由を幸せだと感じる自分がいる。
不思議だ。
触れるだけで何かが伝わるわけではない。
言葉通じぬ同居人は、今日も僕の隣で眠りにつく。
彼の体温が僕の身体に沁み込んでいくように…暖かく…ただ暖かく…。
それだけで…僕の目から涙が溢れる。
ひび割れた心、その隙間を埋める様に体温が滲みていく…。
目に映らぬ傷を癒すのは、やはり目に映らぬ、ぬくもり。
僕の涙は…キミへの感謝なのかもしれない。
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