第15話 反射
鏡の反射率は100%ではない…。
つまり、劣化した自分を僕達は視ているわけだ。
コピーは繰り返す度に劣化している。
文字は潰れ…画像も、ぼやけていく…。
それは記憶も同じ。
時が経つにつれ…思い出す度に不鮮明になっていく…。
記憶は反射ではない。
自らの手で掬い上げる感情の
悲しみを消すために記憶を辿れども…幸せの
鏡の中の男…劣化した僕よ…
「きっと、お前は何も掴めない…」
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