第4話 地獄

 僕は天国へは行けない。

 生きている限り…僕は人を傷つける。


 僕には優しさが無い。


 だから…最も合理的で非人間的な答えを突きつける。

 一緒に悩んで…なんて考えない。

 視て見ぬふりもしない。


 地獄でいい…。


 きっと僕は、ソコでも鬼や閻魔をたぶらかす…。

 あざけり…あおり…そして…泣いて…悔やんで…普通に笑う…。


 僕は本音を口にしない。

 嘘つきだから…あの娘に傍にいて欲しい夜も、平気な顔して他の男に抱かせるために送り出す。


「平気だよ…」

 僕は嘘つきだから…地獄に落ちる…。


 上手くやれるさ…地獄でも…今よりマシかもしれないし…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る