第9話 履歴書の終わりに

1999年4月、私は精神病を発病した。精神科を受診し、躁うつ病という病名をもらったのだ。私の履歴書はここで終わる。ここからは「狂った季節」に書いている、精神病の歴史になるのだ。

いや、職歴だけが履歴書だろうか。まだ、書いておくべきことがあるのではないか。はたして、履歴書とは何か。それは、就労のためのものでしかないのか。

1999年、38歳。以降、将棋、バックギャモン、酒、女。

2011年、アサヒビール株式会社を自由定年退職。

黒崎玄太郎研究所設立。「ロバート劇場」出版。「次世代文明の誕生」出版。

2014年、離婚。2015年、自己破産。

2021年現在。60歳の精神障害者。一人暮らしの生活保護。

人生はすでに終わっている。履歴書は、もういらない。

ロバート。そんな時代があった。

超アナリスト・黒崎宣博氏。そんな時代もあった。

お気楽文化研究所所長。そんな時代もあった。

タロットGEN。そんな時代もあった。

白井京月。そんな時代もあった。

波乱万丈の生涯。これから。わからない。

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