縞のひと
縞のひと
あのひとが来るのを待っている。曇り空の下を、しっぽを立てたあのひとが通る。きっと私のことなんて見ていない。きれいで若い、うちの三毛猫ちゃんを見にきているの。
私は、ご主人が小さい頃からこの家にずっといる。ご主人が、生きている猫を飼いはじめたのはごく最近。
縞の猫が窓の外を歩くようになったのも、最近のこと。
撫でられて磨り減った私の毛は、すっかり日差しに焼けている。自慢の白さも今は昔で、私はぼんやりと外を眺めている。
うちの三毛猫ちゃんや、すてきな縞のひととお話するのが、楽しみの一つ。
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