バーカウンターに転がる話

謡義太郎

年下の方達とのつきあい方

 行きつけのバーで、常連さんや店主と話してることを書いてみようかなと。



 周りは見た目も中身も若いと言ってくれるが、丸っと嬉しいわけではない。

 体力とか、服のセンスとか、ダサくなりたくないと思っているだけで、中身は所詮オッサンだ。

 老眼鏡は必須だし、酒も残るし、朝早く目が覚めるし……。


 まあ、オッサンの愚痴はともかく。


 気が付けば、周りには、年上よりも年下の人達のほうが多くなっています。

 仕事でも、飲みに行っても、相談を受けることが多くなりました。

 飲みや食事に誘って頂けるのは嬉しいのですが、色っぽい話は減ってきたかなあ。

 よく、モテるって言われるけど、実際そういうモテ方をしてるわけじゃない。男女関係なく誘われるし。


 で、まあ普段、誘われた時にどうしてるかと。

 まあ相談リピーターさんは多いので、どんな風にしてるかって話になりまして。

 こうしてます。



 年下の男女問わず「ご飯連れてって」なんて言われたら、そりゃ連れていきます。

 お店のチョイスは「思いつかないような店」とか、「払えるだろう価格帯の隠れ家」とか、「次は彼氏(彼女)と来てみたら」的な選び方をします。

 行っても「チョイ背伸び」くらいまで。


 女の子の場合、飲みに行っても、食事に行っても、話の内容は彼氏(元も含む)かご両親か、仕事の愚痴を聞く感じ。

 吐き出して楽になるというのなら、いくらでも聞きますよ。

 なるべく、「どうして欲しかったのか」「どうして欲しいのか」「どうしたいのか」を聞きだすようなイメージ。

 調子に乗ってアドバイスとかしない。「そうなんだ」って確認するだけ。

 女の子は喋りたいだけで、問題を解決してほしいわけじゃないので。

 ほとんどの場合、その気持ちの存在を、誰かに知って欲しいだけなんじゃないかなあ。

 彼氏の連絡先を知ってる場合は、事前に告知しておきます。揉め事はご免です。

 ベストは食事の後とかに合流して、引き渡しちゃう。

 彼氏がいない場合は、タクシーに乗せちゃうか、送るか。

 絶対手は出しません。

 後が面倒です。


 男の子の場合も、話す内容は大体一緒です。

 ただ違うのは、男の子にはアドバイスします。

 否定は絶対しません。「駄目」とか「無駄」とか禁句です。

 問題の解決手法を教える感じ。大概は「問題はなにか」から始まりますけど。

 体験談・経験談はなるべく話しません。そのまま当て嵌まることなんてないので。

 同じように、「俺だったらこうする」も言いません。

 あくまで本人の問題なので、本人の言葉で、本人の価値観で話すように心掛けています。

 一言目は「大変だね」が多い気がします。

 その後は質問します。「それって?」「そうするとどうなるの?」「なるほどね。じゃあ、こうなっちゃったりするの?」「ならないんだ? じゃあこっちは?」なパターンで、教えてもらう感じに。

 人に話すことで考えや知識が整理されるので、これで解決しちゃったりします。

 それでも駄目な場合は、違う角度からの見方、見え方なんかを話します。

 考えて答えを出したり、行動したりするのは本人ですから、ああしろ、こうしろは言いません。

 で、次に会った時、「こないだのあれ、どうした?」とか絶対に聞きません。忘れたことにしておく。

 相手から「この間は、ありがとうございました」的なことを言われても同様。「楽しかったから、また行こうね」って返事するくらいです。



 と、そんな感じで若い方たちと交流させて頂いております。

 よく年齢差があると文化が違うとかいいますが、そんなことはないと思います。そんな変わんないじゃんって。


 そんなことを店主と飲みながら話していたのでした。

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