第16話 新しい我が家のデスクライト

長年愛用していたデスクライトが壊れた。


購入したころには斬新なデザインでスリムでおしゃれだと感じていたけれど、同じようなデザインのデスクライトが安価で販売されるようになり、いつの間にか買い替えたい家電のひとつになった。


息子がまだ小学校に上がる前、このライトを枕元に置き、手元だけを明るく照らしてたくさんの絵本を読んだ。指でスライドして明るさを調整するようになっていたので息子が明るくしたり暗くしたりして喜んでいたのを思い出す。


息子が大きくなってからは、私の専用のデスクライトになった。仕事柄、試験を受ける機会も多かったので、さぁやるぞとライトのスイッチをオンにして、今日はここまでとスイッチをオフにした。

そんな戦友ともいうべきデスクライト。代わりを探すものの、どれも何だかしっくりこなくてなかなか決めきれずにいた。


別の場所で使う時にコンセントを抜いて持ち運ぶのは不便だと実感していたので、パソコンデスクでもソファのサイドテーブルでもベッドサイドでも使えるように、出来れば充電式がいい。軽くてスタイリッシュで部屋の雰囲気を壊さない白いライトがいい。


ネットで探してみると、確かに充電式のデスクライトは何種類も販売されていた。価格もそれなりだったけれども購入に踏み切れなかった。どれも何となく大きすぎたり存在感があり過ぎるような気がしたのだ。


そういうわけで、買い物へ行く度に家電量販店の照明コーナーを覗くのが癖になっていた。昨日も雨だったので、ウォーキングがてらホームセンターの照明コーナーへ寄ってみた。大きなホームセンターだけれど、吊り下げられている照明器具の数も少なくくてコンパクトだった。当然、デスクライトも並べてあるのは数点だったので、全く期待をしていなかったのだが、そこに運命の出会いがあった。


それは棚の左端に置かれた小さなデスクライトだった。真っ白で小ぶり。例えるならば、一輪のシクラメンの花のようにスリムな照明。ハンドライト、スタンドライト、クリップライト、ウォールライトの4種類の使い方が出来ると書かれてあった。


懐中電灯もそのうち買わなければいけないと思っていたところだった。迷うことに疲れも感じ始めていた私は、即決でこの商品を買い物かごへ入れてレジへ向かった。


帰宅して、さっそく小さな箱を開けてみると、スタンドはベッドサイドの棚においても違和感がなく、クリップはパソコンのモニターの角に挟んでみるとちょうどよく手元を照らすことが出来た。


少し明るさが足りないような気もするけれど、明るすぎるのも目が疲れるのでこの程度で良し。今年はたくさん本を読むのが目標で、作者名「あ」行から借りることにしたのだ。これで図書館から借りたままになっていた本も読了できそうだ。ありがたい。


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