黄色いやかん
詩_YOKO_la
第1話 プロローグ
そうだ、エッセイを書こう、と思い立った。
実は、私は文章を書くのが得意なはずだった。随分と昔の話だけれど、学生の頃に読書感想文などを書くことに困ったことはないし、何なら賞などをいただいたりすることも多かった。「将来は作家になりたい」などと発言しても誰も不思議には思わなかったと思う、多分。
ところが最近、仕事関係の文章以外の「何かしらの思いを発信する目的を持ったまともな文章」を書こうとすると、フリーズしてしまうことに気が付いた。
あれ、おかしいな。どうしたんだろう、私。
そう、今も一瞬とは言えない長い間があって、次の文章が書けない状態になってしままった。これって、私の中が空洞化しているということかしら。私って空っぽな人になってしまったのかしら。
そう思うと、なんだかぞっとしてきた。
自分がすっかり空っぽになってしまったようだと気が付いた私は、焦った。そして急に思いついたのだ。
そうだ、エッセイを書こう、と。
エッセイを書くことで、私は自らの空洞化を止められるだろうか。満たされるだろうか。
どうなるかは分からないけれど、「思い立ったが吉日」ということで。
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