ツンデレなあいつ
藍上央理
第1話
来ない……もう二時間たっちゃった……
一時間前に蒼太君に電話したけど、やっぱり出なかった。この前もそう。寝てたって言ってるけど、本当にそうかわかんない。
あたしは前回のデートのことを思い出した。デート五回のうちの今日を入れて二回、すっぽかされた。
あたしが一方的に好きなだけなの?
諦めきれなくてもう一度携帯に電話してみる。コール音のあと、留守番電話に切り替わった。
「あの……穂乃香です……待ってます……おきて、ますか?」
携帯の留守番電話は二十秒で切れた。涙でそう……
竜崎蒼太と出会ったのは一年前の友人との飲み会の時。蒼太君は友人の四つ上の先輩で二十六歳の会社員。あたしは家で家事手伝いしている、どこにでもいそうな平凡な二十二歳。
それまで男の人と付き合ったことなんかなくて、男の人に対して気後れしてたけど、蒼太君と少し話してみて、すごくあたしの心をくすぐった。そんな気分にさせられたことがなかったから、あたしは勇気を出して何カ月もかけて彼をデートに誘って告白したのだ。やっと……やっと告白して彼女になれたのが二か月前。
でも、毎回彼はなんだか冷たい。本当にあたしのこと、好きになって付き合ってくれてるのか、わからない……
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