髪を切るということ(7,696文字)
大学で一番目立つ女の子。そんな子と、友だちになったりしたら、人によっては災難だと思うだろうし、人によっては名誉だと思うかもしれない。
わたしはどちらかというと、彼女と一緒にいるのが恥ずかしかった。語弊のある書き方だろうか。……いや、思いのまま書こう。これは単なる日記だ。自分以外のだれにも見せるつもりのない。
……美容師になるという夢、……とうとう言い出せなかった。わたしは、両親に対しても自分にも、中途半端な気持ちのまま、S県のS大学に進学した。……そんなこと、わたし自身は百も承知だろうけど、一応。
だって、それすら、はっきりしない日が来るかもしれないでしょう?
大学に通いながらでも、美容師の勉強をすることは不可能ではない。そのことに気付かされたのは、一年目が半分過ぎた頃だった。人づて、……つまり、Mの紹介で、わたしは個人経営の美容院であるWでバイトをすることになった。
美容院でのバイトに合格しても、いきなり髪を切らせてもらえはしない。客の立場に立てばわかる。たどたどしいハサミを向けられたいとは思わない。
わたしは雑用をしながら、美容師の仕事がどんなものかをノートに書き留めた。だいたい知っているつもりだったけど、バイトをして、はじめて気付くことも多い。それについてはべつのノートにまとめてあるから省略する。
美容院の時給は、雑用だから当たり前だけど、その辺のバイトと同等かそれ以下。わたしは稼いだお金で安物のハサミを一揃えとカット練習用のかつらを買った。それで残りなんてなくなって、仕送りをできるだけ貯金するよう努力した。通信制で美容師免許を取得するための資金だ。
その頃、わたしはちょっとしたノイローゼになっていた。Mが言うには、会う人会う人に「切らせて切らせて」とお願いしていた。そこまでひどくなかったはず。しかし、シザーウーマンの汚名は返上する必要があった。
お願いを口にしないようになると、いらいらしてくるのがわかった。焦燥感、進歩のないことで、夢が遠のいていく感じ。
ふと、わたしは空想のハサミを手にし、それを振り回しはじめた。ジャックザリッパーになったわけではない。わたしは空想のハサミで、大学内に空想の作品をつくり出していったのだ。
はじめは、重たそうな髪をすいて減らす程度だったが、ある日からは、空想なんだからと、好き勝手になり、たがが外れた。ロングをショートに、目に映る人すべてをマニッシュにもマッシュルームにもしたし、モヒカンにもした。カラーを変え、パーマをかけた。彼女らの要望なんて知らない。
じっくり時間をかけて、空想することもできるし、一瞬にすべての行程を空想しつくすこともできた。失敗しても、空想だし、またすぐに髪を伸ばさせることもできた。痛んだ髪も生まれ変わったように輝かさせることができた。
もともと、わたしにはそういう習性があった。子供時代、空想することが得意だった。空想の友だち、空想の世界、空想の自分、空想の自由。十四歳で脳みそのクローゼットに隠したそれらが、久しぶりに姿を現したというわけ。
いつしか大学では、わたしのわたしによるわたしのためのファッションショーが、連日開催されていた。いや、ファッションショーというよりも、ハロウィンパーティーに近かった。
だからといって、実生活を脅かすたぐいのものでもない。もともと左利きのわたしは、平然と講義のノートを取りながら、空想のハサミに指をかけることができたし、友だちと会話しながら、彼女たちの髪型が本当はドレッドやアフロではないことも左脳では理解していた。
バイトでも同じ、本物のハサミと空想のハサミを間違えることもないし、自分が未だに夢をかなえるには程遠いことも自覚していた。
現実がわかっていればいい。わたしは正気だ。
だけど、空想と現実にどれだけの違いがある?
現実なんてものは、すべての人たちの空想が混じりあった平均なんじゃないだろうか。喜びと怒りと哀しみ、それとつまらなさ、シェイクされたシンデレラの泡。そんなようなのが現実。
だから、だれかの空想が現実をおかすこともあるのだろう。ファッションがそうだし、キャッチャーインザライとか、アイフォンとかが、そうなんだろう。
……彼女がそうだった。大学で一番目立つ女の子。
一年近く、彼女を見つけられなかったのは、わたしにとって、不思議だし、人生の損失。彼女とわたしは入学式の日に出会っていても良かった。そうでなくても、彼女の噂くらい耳にしたはずだが、記憶にない。もうひとつ不思議なのは、わたしに髪を切らせてくれる人が、ひとりもいなかったこと。散髪代をけちりたい貧乏学生は大勢いたはずなのに。
その日、大学はスパゲッティナポリタンで満ちていた。教授も学生も、老若男女分け隔てなく、スパゲッティヘア。赤と白と緑と黄色、そんな彼らの頭からは湯気が立っている。完全にわたしの昼食の予定を模した、恣意的な空想のヘアスタイルだ。
そんな華やかな世界に異物が混入し、わたしの意識は月のように彼女に引きつけられた。あれは余計なお世話の黒胡椒なんて生易しいものではない。イカスミ、いや、墨汁、ともかくナポリタンは台無しになったし、そういえば、あれからナポリタンを食べていない。
彼女の髪は漆黒だった。にじむこともなく、たっぷりとしていた。人間の髪がここまで長く美しいまま伸ばせるものだとは知らなかった。少なくとも3メートル。実際には4メートルあることをあとで知った。その髪はくるりくるりと極力くせのつかないように大きく巻かれ、軽く結われ、それでいて頑丈に固定されていた。全体を透明なカバーで覆われている。
髪のほうが本体で、その隣に人間が生えている。そう感じてしまうほど、その髪の持ち主自体の存在感は薄く、儚く、白かった。髪の方が目方も大きいのだ。
わたしが彼女の月でいられた時間はごく短かった。彼女の髪の引力に捉えられてしまった以上、わたしは急速に吸い寄せられ、衝突し、消滅した。ある期間、わたしは彼女の一部のような存在だった。
最初のうちのつたない交流、どもったり、さぐりさぐりの言葉。彼女の特異性に比べ、とてもありふれた、人間的なものだった。おはようと言えば、おはようと返してくれるような。
わたしはむかし飼えなかった捨て猫のことを思い出していた。そのことを冗談めかして伝えると、彼女はにゃあとないて笑った。
彼女との関係は、短い期間でどんどん進んだ。言葉を交換し、ノートを交換し、触れあい、じゃれあい、助けあい、心の一部を交換したような気にさえなって、幼馴染、昔から、わかりあっているみたいな態度をしあうようになった。それがすごく心地よかった。
こう考えると、やはり、わたしは、彼女の友だちという立場を、名誉に思っていたらしい。
ある日、彼女は、重大な告白をしようとした。わたしはじっと我慢して、彼女の言葉を待った。彼女の瞳が三千世界をさまよって、彼女の上唇と下唇が密談するかのように何度か擦りあわされた。彼女がはっきりと口を開くまで、誇張ではなく、半時間ほどかかった。彼女はようやく決心し、現実に帰ってきて、語り出した。
「髪は女の命。母の口癖だった。まるで呪文のように聞こえた。母はわたしの髪をやわらかなブラシでなでた。髪を洗うのは、月の食費よりも高いシャンプーを使った。リンスと、トリートメントを欠かしたことはない。髪が黒く太くなるように毎日サプリメントを飲んだ。甘くて冷たいものや、塩気の強い食べものは口にしたことがない。だから、どんな味がするのか知らない。髪を守るためにうつ伏せで眠る。巻き貝みたいにまとめて、カバーをつけた髪は重くて、首と肩がこる。この髪のために運動をしたことは一度もない」
沈黙。
わたしがなにも答えずにいたのは、彼女が長々と語ったことが、これまで聞いてきたことの要約でしかなかったからだ。
さらに待つと、彼女はぼそりと付け足すように言う。
「母が亡くなったの」
わたしは次の言葉を選ぶのにしばらくかけた。
「それが、一週間、音信不通だった理由ね」
「ごめんなさい」
「正直、一言あってもいいんじゃないって思うけど」
「ごめんなさい」
「謝らないで、わかったから、でも心配したのよ」
「ごめんなさい」
もちろん、もっと、言うべき言葉があった気がするし、頭のなかにはいろいろな言葉が浮かんでいた。
たとえば、お悔やみ申し上げます、とか、ご愁傷様です、とか。だけど、それらは上っ面の意味も中身もない形式的なだけの言葉である気がした。わたしは彼女を髪によって苦しめている、彼女の母親が嫌いだった。会ったこともない人物を憎んでさえいた。
あるいは、感情を示しても良かった。彼女の代わりに泣いたり、怒ったり。それか、わたしがついているからね、とか、悲しいときは泣いてもいいのよ、とか、知ったふうな偉そうなことを言っても良かった。
最終的に、わたしの選んだ言葉、いや、選んだというよりも、苦しまぎれにひねり出した言葉は、そういった形式的なものを剥いて剥いてやっと出てきた、本当の本心だったのだろうか。
「ねえ、お母さんのこと、好きだった?」
彼女が、わたしの言葉にきょとんとなった。それでも、わたしに後悔はなかった。きっと、ここで聞かなければ、永遠に胸につかえ続ける質問だと、直感していたからだ。
彼女は、答えた。
「わからない」
「わからない?」
わからないという彼女の言葉が、すべてを物語っていた。だから、わたしのオウム返しは、意味がわからないという意味ではなかった。
しかし、彼女は補足した。
「母は、わたしよりも、わたしの髪を愛していたのよ」
彼女はポエトなユーモアを披露する。
「花は、育ててくれた人を愛するかもしれない。でも土は? 土はなにか感じるのかしら? プランターは?」
そこには明らかな皮肉と、自嘲も含まれていた。
わたしは、はやまった言葉を誘われた。
「切らない?」
「え?」
「ごめん、忘れて」
「切るわ。切って」
言い訳したいんじゃないけど、決断したのは、たしかに彼女の方だった。
その日のうちに、彼女の家に招かれた。
真新しい仏壇に手をあわせる。まだ、骨壷の包みも置いてある。
彼女の家の二階の一室に、なにもない部屋があった。がらんどうの部屋。単に余った部屋というよりは、もう来ることのないだれかを待っているような部屋だった。きれいに掃除されていて、空気はよどみなく、清々しかった。
わたしたちは、その部屋に必要なものをすべて持ち込み、鍵を締め、ドアに椅子を立てかけた。
彼女は、自分の髪を留めている、枷のような一連の透明なカバーと紐や布を解いていく。黒髪はすぐ、フローリングにほとばしった。それはまるで人間の影のようだった。彼女が枷を解くほどに、巨大に広がっていく。恐怖さえ覚えた。その髪一本一本が、ヒルのように彼女の人生をすすって、美しく肥大したのだ。
彼女を救わなければ、というのは、今になって思えば、建前でしかなかった。わたしは切りたいだけだった。空想のハサミ、それをもってしても、彼女の髪は切れなかった。その髪には、魔法か、執念か、怨念みたいなものが込められていて、それがわたしの空想を大きく上回っていた。
髪を解く、彼女の所作は、淑女のようであり、娼婦のようでもあった。おかしたいと思う男も、おかされたいと思う男も、あるいは女であっても、そこに劣情を催すはずだ。わたし自身がそうだった。長いこと血反吐を吐き出すだけだった器官が、おもむろに強張り、役割をわめきはじめる。ばかで笑える。今日ここで、あなたがほしがっているものなど授かれはしないのに。
わたしのハサミはまだ、生き物を切ったことがない。空想の方ではなく、現実の方のハサミ、購入後は、死んだ髪(かつら)しか切っていない。なんとなくもったいなくて自分の髪を切ったことはないし、だれかの髪を切らせてもらえる機会もめぐってこなかった。それは、この日のためだった。
髪から、頭に一番近い最後の枷が取り外され、今までになく、わっと広がった。彼女は花と喩えたけど、わたしにもそう見えた。彼女の髪は漆黒の花だった。
彼女は前髪をかき分けて、白い、幽霊みたいな顔を覗かせる。
「前髪も、どこの髪も、生まれてから、一度も、ハサミを入れたことがない」
「処女なの?」
わたしが思わず、そう聞くと、彼女は微笑して、答えた。
「処女よ」
彼女はブラウスのボタンに手をかけた。
これも今にして思えば、奇妙だけど、あのときは、自然と見入ってしまった。
彼女の肌は血色さえなく白く、すべてのメラニンが髪に集中しているかのようにシミひとつなく、間接の皮も赤ん坊のように柔らかかった。
頭髪と対比するように、体には産毛の一つも感じ取ることができなかった。局部の毛は、脱毛したというよりも、もともと生えないのではないかと思えるほど、子供っぽくつるりとしていた。
どういう経緯で、こういう体になったのか、わたしは問わなかった。最初からこうだったのか、変化させられたのか。どちらでもいい。ただ彼女はここにこうして存在している。
「どうして、美容師になりたいの?」
「むかし、すごく嫌なことがあって」
「うん」
「髪を切ったら、明るい気分になれたから」
「うん」
「だから、美容師になろうと思ったんだと思う」
「お父さんは、反対しない?」
「さあ」
「……」
「もしかしたら、気づかないかもしれない」
「そんなわけないでしょう」
「そうね、たぶん、喜ぶんじゃないかしら」
「先端は赤ちゃんの頃から、わたしだった」
「不思議ね」
「細胞は入れ替わってしまって」
「うん」
「髪はわたしよりもわたしなのかも」
いつしか、誘われ、わたしも生まれたままの姿でいた。
彼女に抱かれ、彼女という存在を前に、自分の醜さを、慰められるように、そっと撫でられた。
「お母さん、お母さん」
時間をかけて、ふたりの恥じらいがぐずぐずにとろけたあと、彼女は何度もそう呟いて、鼻をぶつけ、わたしの匂いを吸い込んだ。
彼女は、母の匂いさえ知らないのだ。それは燃えて煙に変わり、もう手の届かないところにある。骨壷に鼻を突っ込んでも、灰の匂いしかしない。クローゼットを開ければ、名残りがあるだろうが、それらは、やはり、名残りでしかない。
そして、わたしも彼女の母ではない。彼女はどこにも存在しないものを求めていた。空想でしかない母を求めていた。
火照った体に、彼女の髪が絡みつく。際限なく熱くなるわたしとは対照的に、彼女の身体は冷たかった。わたしの汗が、彼女の肌の上で、薄氷をつくるんじゃないかと思えてしまうほど。
「お願い」
わたしはその言葉を勘違いすることはなかった。
ハサミを手に取る。
「できるだけ、長く切って」
その意味を取り違えることもなかった。
彼女にとって長くではなく、髪にとって長くだ。
ばらばらになった彼女の髪を丁寧に愛撫するようにかき集め、束をつくり、できるだけ根本にハサミを入れた。彼女の毛は太く、たっぷりあって、わたしの手では何度も何度も何度も、それを繰り返さなければならなかった。輪を解いた、わたしの手から、はかなくこぼれ落ちていく髪は、無情と死とを思わせた。何度も何度も何度も、感じながら、わたしは恐怖と快感とに苛まれ、理性を失い、ハサミの音と一連の感触だけを求めた。
目を覚ましたとき、わたしは知らないベッドに寝かさせられていた。こういう場合に起こる困惑とか、記憶の不整合を数十秒かけて完全に解消すると、わたしはベッドから起き上がって、シーツを身にまとった。
どこからか焦げた臭いがする。わたしはそれを目指して、歩き、階段を下った。
キッチン、彼女の後ろ姿を目にして、だれだろうと思ってしまったことをよく覚えている。ボサボサの短い髪の毛。パンク。シドヴィシャス。ピストルズ。ブラー。カントリーハウス。ハーブルバス。
彼女はついさっきまで自分の一部だったものをシンクで燃やしていた。吐き気を催す異臭の正体はこれだったのだ。切り離された髪のほとんどはゴミ袋に詰められ置かれていた。髪の惨殺死体。
「火事になるよ」
わたしがそう言うと、彼女はあっけなく、その行為をやめた。
いろいろ相談した結果、というか、だいたいわたしが考えたことだけど、動物の火葬場というのがあった。いくつか当たって、こっそりと人間の髪の毛を焼いてくれるところを見つけた。
灰の一部だけをもらって、ほかは始末してもらうことになった。もらった灰の半分をわたしたちは海にまいた。残りの半分を彼女の家に持ち帰った。
彼女はわたしの目の前で、母親の骨壷を開け、自分の髪の毛の灰をそこに混ぜてしまった。彼女がごく自然に行った取り返しのつかないことを、わたしは見ていた。
そのことについて、問うことができず、わたしは言った。
「髪、整えようか?」
髪を切ってから、一週間、彼女はヤンキースの野球帽をかぶり続けていた。
彼女は答えた。
「いい」
その拒絶によって、わたしたちの関係は終わった。
大学で一番目立つ女の子は消えた。わたしも彼女という存在から切り出され、また無軌道に放浪する彗星に戻った。
「どうして、美容院のバイトやめたの?」
Mがそう聞いてきた。
「……空想」
「空想って言った?」
Mが首を傾げる。
「髪を切ると、気分が変わるじゃない?」
「わかる。たまにバッサリいきたくなるよ」
「髪は女の命って言うじゃない」
「知ってる。歯は芸能人の命だよね」
「怖くなっちゃったんだ。命を切るんだってことに」
「考えすぎよ」
「他人の髪を無理やり切ったら、傷害罪に問われるんだけど、わたしは殺人罪なんじゃないかって思う」
「彼女のこと?」
わたしは頷く。
「今度はあなたが、一生、髪を切らないつもり?」
「わからない」
わたしは伸ばしっぱなしの自分の髪を指でとかす。
「彼女はたしかに別人みたいになったわよね。いくつかサークルを掛け持ちしてるんだって、これまでの人生を取り戻すみたいに。それって、良いことじゃない?」
「別人みたいじゃなくて、別人になったのよ」
わたしのその言葉を、Mは聞き取れなかったらしい。
あるいは、理解できなかったふりをしているのか。
「わたしたちは、だれだってそう。生まれたときとは別人なのよ。好きなものが変わったし、嫌いなものを受け入れることもできるようになった。ねえ、細胞の話知ってる? 人間の細胞は六年で全部入れ替わっちゃうんだって」
「かもね」
Mはわたしの言いたいことがわかっていないと思う。
だけど、もうこれ以上、言葉を連ねるのもうんざりだ。
わたしは空想する。彼女自身が別人だとしたら、これまでの彼女は切り離された髪になったのだ。それは猛火に焼かれ、多くは動物の火葬場で始末された。大半は煙となって空に旅立った。残りは海にまいた分、それから、母親の骨壷に混ざった分がある。
彼女はあまたへ、そして、それはつまり、母とともにある。
全知全能の母は、花ではなく、土を愛していた。
……わたしはそう思いたい。
彼女の母は、髪を切るということ、その意味を知っていた。
おそらく、今のわたしがそうであるように。
――雨
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