REPEACH

城多 迫

プロローグ

 信じがたいとは思うが、受け容れてほしい。


 俺は、から生まれた。


 15年前のことだ。ばあちゃんがいつも通り川に洗濯へ行くと、上流から大きな桃が流れてきた。

 ばあちゃんは悩むことなく家に桃を持って帰った。小腹が空いていたらしい。

 山へ芝刈りに行っていたじいちゃんも小腹が空いていたので、謎の巨大桃に疑念を抱くことはなく、食べることに賛成した。

 そして、いざ食べようと桃に切れ込みを入れたら、中から赤ん坊の俺が飛び出したのだ。


 こんな与太話、もちろん信じられないだろう。

 しかし、根拠はある。

 俺には、ある特殊ながあった。詳細については追い追い述べるとしよう。


 申し遅れたが、俺は桃から生まれた桃太郎。


 これは、俺の物語だ。

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