遠い記憶

少しずつ、少しずつ、記憶が遠くなる

昨日よりも今日

今日よりも明日

思い出さない時間が長くなる

どんどん、どんどん、引き離されていく

君と過ごしたささやかな日常


躰が自分を守るために

思い出を遠ざけようとしているのかな

空気のようにあたりまえに

空気のようにそばにいた君

そんな君がいなくなって

僕は途端に窒息したんだ


時間は君を奪っていく

君の不在がアタリマエになって

思い出さない日が増えても


それは忘れることじゃない

ふとした拍子に聞こえるんだ

君の言葉、君の声

きっと君ならこう言うと

優しい涙と共に

僕をあたたかな場所に導くから

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