俺の人生がラノベの主人公みたいにならないのはおかしい件
俺の名前は蜂須賀
「俺の人生がラノベの主人公みたいにならないのはおかしい件について」
ふと我に返った俺はチャットにそう打ち込んだ。
『ユウトさんまたその話ですか』
『いい加減卒業しろよ高2病』
『あたしは好きですよーユウくんの妄想話』
「猫マルさん、これは妄想じゃなく現実に起こることなんですよ」
『フィクション世界の現実に、だろ』
「あ、そうだ。突然引っ越した幼馴染が転校してくる可能性もあった」
『ユウトさん幼馴染いたんですか?』
「記憶にはないです。でも幼馴染との昔の記憶は大概忘れているものですからね。問題ないです」
『問題しかない』
『ユウトお前・・そんなんでリアルの生活大丈夫なのか?』
『もう手遅れで草』
『ユウくんおもしろーいww小説家になればいいのにー』
「小説家にはなりません。俺は小説の裏方じゃなく表舞台に立ちたいんです」
「あとクラスの輪にも割と馴染めてる方なんで大丈夫です。女好きのくされ縁友達だっています」
『なんだ、それならよかった』
『いやいいのかそれ?』
『その友達出会った女の子情報色々教えてくれそう』
『それだとギャルゲーの主人公だろ』
「いや、正直そっちでもいいです」
『いいのかよ』
『wwwwwwユウくんとベーコンさんほんと漫才してるみたいwwお腹痛いwww』
『猫マルさんってゲラですよねー』
『もう猫マルがヒロインでよくね。ここの紅一点だし』
なるほど、そういやその発想はまだなかった。
『いつから猫マルさんが女性だと勘違いしていた』
『あー、ゲストさんひどい!あたしは本当に女ですよ!い、一応・・』
『そこは自信持てよ』
『やあやあ、日曜の昼なのに暇してるみなさん。今日も楽しそうじゃないか』
猫マルさんにヒロイン属性があるか確かめようと思っていたら、アドさんがやってきた。
「アドさんこんにちは」
『アドさんや!』
『アドさんちっす』
『いらはーい。ていうかしれっとディスられたよな今』
『アドさーん!おじさん達がいじめるんですー!』
『【急募】』
『お?』
『アドさんどうした?』
『これは初めてのパターン』
『14時頃暇で野々浜市の天文台公園舞台前に来れる人』
『14時?あと2時間ちょっとか』
『まじで急募だな』
「何があるんですかアドさん?」
『実はね』
『ガルハピのライブがそこであるんだ』
「ガルハピ?」
『なんか聞いたことある。新人アイドルだっけ』
『あー!前動画見た気がするあたし』
『調べた。ガールズ☆Happy☆Cuteが正式名称らしい』
『あ!マイルームにそんな名前の配信者いた気がします。ポッピーちゃんと同じくらいの来場者はいましたね』
『そうそう。なんだ皆意外と知ってるじゃないか』
『で、俺らは何すんの?さくらをやれってこと?』
『もっさん、人聞きが悪い言い方しないでくれよー。別にファンを装えとは言ってないし』
『その時間に公園にいて、舞台前で足を止めてくれくれるだけでいい。人が集まったら帰ってくれても構わない』
『なるほど集団心理を利用するやつですね。人がすでに居た方が、足を止めやすいっていう』
『柏木さん、そゆこと。リアルでは全く他人の君らなら、リアリティも増すしね』
「へー」
『確かに言われたらそうだねー』
『何かその文、言い得て妙な感じ』
「俺行けます!アドさんの頼みなら、全力で応援だってします!」
『俺もいいっすよ。そこ近いし』
『私は難しいですね・・』
『地方民の俺は無理なんや・・』
『同じく厳しい』
『あたしはいけるよー!』
『しゃーなしやぞ』
『行けます』
『皆ありがとう・・持つべきものはネット仲間だねーほんと』
『で、なんでアドさんがそんなこと頼むわけ?』
『それはまあ・・関係者?みたいなものでして』
「アドさん芸能関係の仕事してたんです!?」
『なんだよその意味深な?は』
『違う違う!でもまあ・・察してくださいお願いします』
『その代わりお礼はちゃんとします。今度のモンウォ大会に向けて、欲しいパーツ1個ずつ用意させていただきます。あ、☆5までね』
『おお太っ腹!』
『さすがリーダー!』
『アドニキマジイケメン』
『口止め料ですねわかります』
『ゲストさん・・手厳しいなあ』
『まじかよアドさん最低だな』
アドさんとアイドルの繋がり・・一体何なんだろう。アドさんに限らず、メンバーのリアル事情はほとんど知らない。別に秘密にしなきゃいけないルールはないが、必要なければ話さないノリでやってきたからだ。
最後に猫マルさんが興味深い発言をした。
『ねえねえこれもしかして』
『プチオフ会みたいな感じになるのかな!?』
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