草原の美少女

浅田 英吾

出会い

1話 絶望

   ここは都会の片隅。


ボロアパートの一室。


今日も朝からネトゲに勤しみ、何もない一日が終わろうとしていた。


俺は25歳。


物心ついた頃には、親父は出て行って家にはお袋と二人、細々と暮らしていた。


もちろん、生活は苦しかった。


それが原因で、小学校の頃からいじめられ、彼女は愚か、友達すらできなかった。


高校を卒業してなんとか就職。運送関係の仕事に就いた。


仕事は順調で、周りはいい人達ばかり。


友達もわずかながらできた。


このまま彼女を見つけて、結婚して、子供ができて...


と、将来のことをぼんやりと考えていたある日、上司に呼び出された。




「失礼いたします。ご用件は...」




「君、今日からもう来なくていいから。」




「えっ...」




「クビだ。」




不況の煽りでリストラ。


頭が真っ白だった。


ショックで次の職も見つけられず、貯金を切り崩しながらの生活をしていた。


まあ、いわゆるニートってやつだ。


起きて、飯食って、ネトゲして、寝て。


「俺なんて生きてる意味あるのかなあ」


と考える毎日。


だが、この寂れた毎日が大きく変わることを俺は知る由もなかった。


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