夢モチーフの短編(ノベルアップ+)
生きることは、Bookでしょ!
ザッパーーーン! 思いきり飛び込む。
12ページから35ページまで、草原を一気に駆け抜ける。
家庭教師のケイトと子供達が勉強そっちのけ。初めて仲良くなるシーンだ。
じっくりよりも軽快にページを捲る方がいい。なにも考えないで突っ走る。
その分、12ページまでは焦らされる。モヤモヤとつらくなる。
母を亡くした子供らは、理不尽で無理解な大人に失望してる。
末っ子のメアリーがケイトに甘えようとしても、兄弟たちがそれを許さない。
12ページの三行目まで、またうんざりする展開だと油断したら、生意気な次男のラグビーボールをケイトが奪う。呆気にとられる子供達。ケイトは草原を駆け下りる。子供達もつられて走り出す。坂道に転ぶメアリーをU字に旋回してボールと反対の腕で拾い上げ、ケイトは尚も走り続ける。ころんだはずのメアリーが、ぷぷぷと口を押さえて笑ってる。ケイトの走りっぷりに、真昼の太陽も拍手を送る。言葉なんかいらない。走りすぎて立てなくなった頃には子供達はケイトのことが大好きになっていた。
やっぱりここはなにも考えなくていい。
体感するんだ。子供らの一人になって。
寝転んでハァハァと息をする。大地は頬にくっついて、空は呆れるほど高い。
火照った鼻孔に吸い込まれる、初夏の青草の香りがリアルで、むせ返るよう。
「きゃぁ! パンツの中に変な虫が!!!」
「おっとお嬢さん。変な虫は失礼だな」
「バ・バッタが喋ったっ!」
あ、ごめんごめん。これは違う物語。
35ページから先も含蓄に富んで心暖まる話なんだけど、僕はあのシーンが好きなんだ。特別にね。何度も読んだ箇所だから、もう別の本に飛び込んじゃった。
探偵レオンはバッタじゃない。
服装が緑なのとあまりに体が小さいから、この冒頭。
エッチな物語じゃないよ。だけど巨人との素敵な恋のお話でもある。
砂の惑星に巨大なワーム。重力が逆転して妙な気分。
村のみんなのために、京都の大名に魚を届けるんだ。
候補は7人。けど語り部が犯人なんて反則じゃない?
くすんだ街に佇んでる猫。可愛いね。だけどホラー。
ダイヤはシャンデリアに隠してる。気づかぬ主人公。
愛欲と私欲に負けそうな青年。紙ヒコーキはどこへ。
すれ違いみたいな会話。だけど二人は近づいてゆく。
北欧の風景が長々と退屈に描かれる。なのに美しい。
僕には私には夢がないなんて寂しいこと言うなよ。
中二病だって立派なものさ。けど忘れないでくれ。
飛び込めばそこはパラダイス。
図書館は天国で、本屋さんはお菓子の家。
出会えたなら飛び込めばいい。踊ったっていい。抱きしめたっていい。
悲しいお話は嫌い? だけどそれは君を強くするかも。
無意識に受け取ったその何かは、君の中に深く沈殿し、
それはやがて浮かび上がり、君の生きる力となる。
どんなに権力があっても大金持ちでも、二つの人生を人は歩めない。
なのに今、違う人生を経験してる。だから人の気持ちがわかるのさ。
悩んでる世界の外側に果てしない広さがあることに気づいてくれよ。
発想は無限で、翼をそこにある。言葉はいらない。文字は……ないと困る(笑)
状況は説明される。知的だね。そして描写は体感させる。
ピアノの
誰かを許せたり。逆に譲れないモノにはっきりと気づいたり。
僕? 僕は探偵レオン。全身が緑の衣装で、いつのまにか君は僕を体感したのさ。
そして僕も君を体感するのさ。やがて君の夢は僕の夢になる。だから忘れないで。
彼女はあの日、なぜ別れを選んだのだろう。答えは見つからないかもしれないね。
戦う意味を知り、逃げることを覚え、泥の中で花を咲かし、殺意にすら愛を。
理解出来ない狂気と抱えきれない絶望と。なのにどうして? 救いは訪れる。
正解なんてありはしないさ。だから探す。だってそこには、未来しかないから。
A book in your hand. 急がば回れ。そして開こう。きっとそこに夢がみつかる。
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