2039年~2040年


玉藻たまも

■2039年

九尾きゅうびの狐、その七、八尾。妖魔として、かつては世界を二分した強さを持つ。細かいことを気にしない豪快な性格だが、スケールが人間とは違うため、人型をしているが妖魔だ。

■空歴に入ってから、ミヤコ・楠木くすのきという娘を持つ。

■コノミ・タマモと共に生きた時間もあるが、彼女にとってはそれほど長いものではない。ただ、柱になることもなく、比較的自由に世界を楽しんだ。




雨天うてんあかつき

■2039年

■雨天流武術の継承者。若い頃は口下手だが実力を有しており、同年代では頭一つ飛び抜けた武術家であった。しかし、友人を己の手で殺めたあと、より実践的な戦場を駆け回り、更にその実力に磨きをかけた。

■父親は雨天あきら小波さざなみ翔花しょうかとの間に鷺城さぎしろ鷺花さぎか、雨天紫花しかの娘と息子がいる。

■世界崩壊後は封印、隔離されたまま生きてきたが、翔花の死と共に長い眠りに入る。起きたのは空歴338年前後。その頃には落ち着いた物腰と共に、武術家の体現者として存在した。本当の名は雨天うてん降卯こうう紅月あかつき。天魔涙眼るいがんと同化した。





蒼凰そうおう蓮華れんか

■2039年

■未来の可能性を保持する法則をその身に宿し、それ故に策士としての立ち位置を保っていた。しかし、その技能ゆえに、策そのものを発揮できた回数は少ない。しかし間違いなく言えることは、蓮華がいなければ鷺ノ宮事件から先は繋がらなかっただろう。

一ノ瀬いちのせ瀬菜せなとの間に、蒼凰連理れんりがいる。

■世界崩壊に際して、法則が奪われることを理解しながらも、蓮華は考えることを決して辞めなかった。世代交代にも惜しまず、けれど後進を育てることもなく、ただ役目を終えたとばかりに、崩壊後にその姿を見ることはなかった。




雨天うてんしずか

■2039年

■雨天流武術を作った人物。語られるのは前歴から。見た目は老人であるものの、人の尺度では計り切れないほど長く生きている。天魔百眼ひゃくがんとの同化から、本質が妖魔に近く、だが人であるため、寿命で死ぬことがほぼないような状態を続けた。

■本当の名は雨天うてん露浬つゆり静香しずか




都鳥みやこどりりょう

■2039年

■都鳥流小太刀二刀術を扱う武術家。本名は都鳥涼刃すずは水良みずよし。半人半妖として生まれ、長く生きられないことを知り、それでも武術家で在ろうとしたことを評価しつつも、仲間たちは、それでもと否定をしたかった。

かがみ華花はなかとの間に娘、都鳥りんがいる。

■妖魔堕ちが決定的になったのが鷺ノ宮事件。最後の最期、友人である雨天暁の手によって終止符が打たれた。それこそが最高の手向けであり、ただ勝ちたかったと、その人生を終えた。




朧月おぼろづき咲真さくま

■2039年

■朧月槍術の継承者。男の名と勘違いされるが、れっきとした女性。三大意味の魔法師の一人、意味名の使役ネイムトゥ・ロジック。意味を常に補足してしまうため、両目を封印してアイウェアでそれを隠している。

数知かずち一二三ひふみとの間に、娘の朧月無花果いちじくがいる。

■本来は一二三が担っていた法則であったが、一二三が存在を消されたため、咲真が担うことになった。両目を封じなくてはならなかったのは、そういった経緯があるから。娘が生まれてから、再び槍を手にした。




五木いつきしのぶ

■2039年

■五木一透いっとう流の継承者。五木神社の神主として、若いながらも従事するが、草去更の一件で制約から解き放たれ、天魔九尾ここのおと共に自由を得る。頭の回転が早く、並列思考を得意とする。

一ノ瀬いちのせ二ノ葉にのはとの間に、息子の五木裏生りき、娘の一ノ瀬聖園みそのがいる。

■VV-iP学園の理事長であり、結界の要である重要な存在であった。長く刀を置いており、刀も息子に与えたが、しかし、世界崩壊の際には息子から刀を返される。最初から最後まで、刀を置いても五木一透流の武術家であった。




五木いつき舞枝為まえな

■2039年

■趣味で弓を扱う程度で、一般人とそう変わらない。楽天家で面倒嫌い。自由に生きている。五木の領域から出たあとは、ベルのマンションに住んで、悠悠自適。一室を改造して畑にしている始末だ。近隣の子たちは、近所のお姉さんと評判が高い。




一ノ瀬いちのせ瀬菜せな

■2039年

■一ノ瀬流小太刀一刀術を継承している。五木の領域から脱したあと、蒼凰そうおう蓮華れんかと共に生きる。表舞台には基本的に立たない。

■蒼凰蓮華との間に、娘の蒼凰連理れんりがいる。




一ノ瀬いちのせ二ノ葉にのは

■2039年

五木いつきしのぶとの間に、息子の五木裏生りき、娘の一ノ瀬聖園みそのがいる。




かがみ華花はなか

■2039年

■妖魔の領域に紛れ込み、都鳥みやこどりりょうと出逢う。半人半妖である都鳥と結婚できる家名であり、その風習は遥か昔に終わっていたが、この時期に再び出逢うこととなった。

■都鳥涼との間に、娘の都鳥りんがいる。

■語られてはいないが、涼を失い凛を産んでから、ブティックを経営していた。




五木いつきしん

■2039年

■五木の領域を維持するため、存在を九尾に食わせたが、事件の解決時には九尾との同化に齟齬もあって、一尾いちおの力を僅かに残しながら、ほぼ妖魔として生存していた。

■息子の五木しのぶ、娘の五木舞枝為まえながいる。

■世界崩壊時には、七龍の一角である天龍ミカガミとなった。




九尾ここのお

■2039年

■九本の尾を持つ化け狐。弱気な性格をしているため、六本の尾を喰われ、残り二本は姉狐が喰い、最後の一本を抱えて己の内に沈み込んだ結果、ほかの狐たちが暴れ出した。天魔としての質は高く、強い。五木の領域を終えてからは、姉と同じ存在として一緒に生きる。そして世界崩壊後は、姉に八本を与え、己の一本を抱えるようにして、一人で生きる楽しみを得た。




鷹丘たかおかせんり

■2039年

■情報収集専門狩人。鷹目イーグルアイという名を持つ。野雨市全域に広がる情報収集システムを手掛けている。本人は引きこもりであり、〝はこ使い〟と呼ばれる魔術師。外界遮断系の術式を得意とする。

蒼凰そうおう氷鷲ひょうじゅの妻であり、養子として鷹丘少止あゆむがいる。




吹雪ふぶきふゆき■

■2039年

■狩人育成施設にも請われた腕の良い医師。診療所を営んでいたが、施設に請われてからは使っておらず、産まれた娘に譲った。

■吹雪えつかいの二人娘がいる。




御影みかげ美耳みみみ

■2039年

■吹雪ふゆきの弟子。面倒が嫌いで、とかく診療を早く終わらせるために腕を上げた。軍病院の関係者として腕を振るっていた。




数知かずち三四五みよこ

■2039年

■人形に魂を埋め込まれた存在。同一存在である数知一二三ひふみが帰還するために、場所を確保するよう存在していた。時間制限付きを自覚して、充分に楽しんだ一生であった。




都綴つつづり六六むつれ

■2039年

■橘の分家の一つ。つれづれ寮の管理人として働いている。身内の存在を感知できるような術式を扱うため、戦闘には直接関わりは持たない。顔が広く、やや特殊な立ち位置の人間を保護するような役割を担っている。




■レイン・B・アンブレラ■

■2039年

■電子上に生まれた存在。最初は車をボディとして、最終的には機械仕掛けの人形を躰にした。最初はレインの名を、そして得物を持ちアンブレラの名を。そして実力レベルの境界線ボーダーの名を得た。長く生きるための躰ではあったものの、彼女の魂が摩耗した方が先であった。最期は鷺城さぎしろ鷺花さぎかの手によって送られる。




■ネイキーディラン■

■2039年

■日本名は宗伊。これ以上ないと呼ばれるほどの人形師であり、人形の作り手。

二村にむら双海ふたみとの間に、息子の二村ひとしがいる。




管狐の使役者イヅナ

■2040年

■捜索専門狩人であり、五神と同じ施設にいたが、時期は遅く、彼らと同じ教育は受けていない。如月きさらぎ槻寝つきねの体術を教わり、二代目のキツネとなる。本来の名は根ヶ布ねかぶ慶次郎けいじろう

■ラルとの養女として引き取ったまどかつみれが娘になっている。

式情饗次術式オペレイションゼロワンを身に着けた魔術師でもある。相手を騙すことを楽しむのがキツネならば、イヅナは自分の本音を誤魔化すための手段として騙す。もっともそれは、先輩と彼が呼ぶベルたちには、一切通用していなかった。




如月きさらぎ槻寝つきね

■2040年

■初代キツネ。武術家ではないが、体術を練り上げた人物。しかしその在り様は戦闘技術というよりも、相手を騙すことに特化した体術。既に武術家と対峙して平然と生き残るため、武術の一旦として認めてしまっても構わない。イヅナの育成に関しては、ほとんど遊びであった。

■妻は美登里みどり、娘はよう

■かつて雨天うてんあきら、ジニー、転寝うたたねじゅくが遊んでいた頃、槻寝もまた関わりを持っていた。もっとも、彼ら三人にしてみれば、憧れの存在だった。




たちばなれい

■2040年

■橘家の長女。鈴蘭の刺繍が入ったチャイナドレスを愛用する、どこかぼんやりとした女性。世界あちこちを出歩いている。家業として、暗殺対象から次の対象を聞いて暗殺するという仕事に従事していたが、鈴ノ宮すずのみや清音きよねが対象となった際、暗殺家業を辞めた。それはどう足掻いても清音が殺害できないからであった。

■ベルとの間に、娘の橘ここのがいる。




■ウェル・ラァウ・ウィル■

■2040年

■元教皇庁魔術省に所属していた魔術師。エルムの楽園にて魔術の研究に没頭している。肉体時間の停滞オーディナリィループの影響を受け、死期が遠ざかり、他人の死を羨ましくすら思っている。専門にしているのは、誰かに魔術品などを移植ロードすること。



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