文化祭で催そう!
中間試験が終わるとすぐに6月になった。6月1日より制服は夏服に移行するが、前後2週間は移行期間であり、夏服・冬服両方を着ることができる。
時は少し遡るが、中間試験明けの月曜日の昼休み、俺は演劇部・合唱部・軽音楽部の部員とともに平野先生・山口先生に職員室へ呼び出された。
「皆さんご存知だと思いますが、演劇部・合唱部・軽音楽部は9月に行われる文化祭で出し物を催すことになりました。そこで、夏休みに演劇部・合唱部・軽音楽部合同の合宿を行います。各部活動は1学期中に催す題材を考えるように」
平野先生はこう言った。ちなみに俺はここまで部活動にはほぼ毎回顔を出している。火曜と金曜の軽音楽部、水曜と土曜の午前の演劇部、木曜と土曜の午後の合唱部。ここまで俺が部活に顔を出さなかったのは、ゴールデンウィーク中で自主参加、なおかつ俺が帰省中だった5月の土曜日くらいである。ちなみに演劇部・合唱部・軽音楽部が文化祭で出し物を催すという話は部活動設立当初から聞いていた。とはいえ、9月までまだ時間があったので、文化祭のことはあまり考えず2ヶ月近く基礎のトレーニングばかりしていたのである。俺は演劇部や合唱部では唯一の男手であり、軽音楽部では日高とともにボーカルを務めている。
一応おさらいしておくが、俺以外の演劇部・合唱部・軽音楽部の部員は以下の通りだ。
演劇部(顧問・平野)・・・明石(部長)、栗山、増田、宮崎、矢野
合唱部(顧問・山口)・・・川端(部長)、小野寺、岸田、松井、村上
軽音楽部(顧問・平野)・・・日高(部長)、大沼、内藤、福原、山下
まず火曜の軽音楽部、水曜の演劇部、木曜の合唱部で何を催すかを考えた。軽音楽部は部員が希望する曲を数曲演奏し、合唱部は合唱曲集に載っているのを数曲歌うことが決まった。しかし演劇部は何を題材にするか結局最後まで決まらなかった。
そして金曜日は軽音楽部の活動があり、早速曲の練習が始まった。俺含め全員初心者でやっと楽器を扱えるようになったくらいなので、右往左往していた。翌土曜日の朝、演劇部の活動があった。この日ようやく文化祭で催す作品が決定した。ただし既存の作品ではなく、オリジナルの作品だ。脚本は明石が書く。午後は合唱部の活動。早速歌の練習が始まった。毎週歌のレッスンをしているせいか、みんな最初から上手かった。特別に来てもらった講師の先生曰く、基礎の段階はもうできているとのことだった。
月末には期末試験がある。試験1週間前からテスト週間に入るため、部活動は行わない。そのため、期末試験までに部活動が行えるのはあと2週間しかない。どの部活も期末試験までに一区切りつけて、夏休みに突入したいというのが俺の本音である。そしてみんなの本音でもあろう。
文化祭まであと3ヶ月少し、俺の夏休みはおそらく部活漬けだ。勉強もだけど、文化祭まではちゃんと部活も頑張ろう。
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