林間学校④

風呂から上がり、部屋に戻ったら誰もいなかった。桜井さんと寺内さんはどうやらもう風呂に行ったらしい。


時刻は8時半。さて、俺の布団をどうするか。9時半からは班長会議だ。


部屋には布団が6つ綺麗に揃って敷いてあった。枕は東側を頭に寝るようにきっちり揃えられている。西に向ければテレビが、北に向ければ玄関とトイレ、洗面台がある。そして南に向ければ冷蔵庫とベランダがある。


とりあえず俺は玄関側の後ろで寝たいと他の5人にLINEで送った。ここが一番無難だ。風呂から上がってきたらちゃんと読んでくれるだろうか。


しばらくすると、相川さんと植田さんが風呂から上がってきた。


「さっきLINE送ったんだが読んだ?」


俺は2人にこう話す。2人ともまだ読んでいないという。2人はLINEを確認し、「そう、わかったわ」と言ってくれた。そして相川さんが俺の隣の、植田さんが俺の前の布団で寝ることも決まった。西側から見て寝る場所はこんな感じ。


渡辺 相川 寺内

植田 野村 桜井


俺は相川さんに、「2人の布団の間についたてを用意してほしい」と言った。しかし相川さんは「せっかく渡辺くんの隣で寝られると思ったのに~」と不満顔。お前は恥じらいがないのか。それでも相川さんはついたてを用意してくれた。本音を言えば布団全体、そして植田さんの前にもついたてを置きたいところだが、ついたてが1つしかなく枕に沿ってしかついたてを置けれなかった。


俺はその後班長会議に向かった。班長会議の内容は各班の今日の報告と明日の連絡事項だけだった。


俺は10時の点呼の少し前に部屋に戻り、5人に明日の連絡事項を伝えた。そして夜10時すぎ、俺たち6人がそれぞれ就寝の準備をする中、平野先生が点呼のためやってきた。平野先生は女子5人に対し、「今まで何かふしだらなことはあった?」と言った。「特に何も起こっていません」と5人が5人、同じ答えを返した。そして点呼の後、10時半をめどに消灯・それぞれ就寝した。




・・・に思われたが、女子5人が消灯後も色々話したり(俺も何度か絡まれた)、テレビを見たりしていたので、結局全員が寝静まる12時すぎまで眠れなかった。

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