いつもの定位置、少し高めの台座に座る俺の前には、少年といってもいいくらいの見た目の一人の男。


 名前は、リョウと言うらしい。年齢は本人曰く、多分まだ10代だとの事。何故、多分なのかと言うと、どうやら記憶がないらしい。


 どこから来たかも分からず、ここがどこかも分からない。なのに、自分の名前だけは答えられる、とにかく怪しい奴だ。


 そんな奴は、ここに置いてくれなんて事を言い出した。最初は身元不明の男を住まわせていいのだろうかと悩んだが、自分も親がいない境遇の為、無下にする事が出来なかった。

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