ここには数十名のいわゆる『山賊』と言われる人達が住んでいる。


 私は、前にも使われたお鍋とお玉を持ち

 全員を起こすべく、力強く音を鳴らす。


「みなさーん、ご飯の支度が出来ましたー!起きてくださーい!」


 カンカンカン!と目覚まし代わりに叩きながら廊下を歩いていく。


 すると、寝ぼけ眼な顔した人やもう既に起きていたのだろうと思う人、山賊達が自室から出てきた。


「おはよん、リョウ。今日の朝餉は何かなぁ??」

(男になった)自分と同じ歳くらいのオレンジ色の髪をした少年が聞いてきた。

 この子の名前はジーク。明るくて人懐こくて、一番下っ端な私に何かと面倒を見てくれるいい子だ。私の本当の年齢だと人周り下だから、もう可愛くて仕方ない。というか、今の自分の年齢がいくつかは分からないが。

 見た目からして、恐らく10代な事には間違いない。


「おはよう、ジーク。今日は和食だよ」

「和食??なんかわからんけどリョウの作るご飯は上手いから楽しみだ!」

 そう言って食事処へと向かっていく。

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