屋上から落ちてきた女の子がヒロインだなんて俺は絶対認めない!

楠木黒猫きな粉

第1話俺と彼女の最悪な出逢い方

俺の名前は佐藤和樹普通の高校一年生だったんだ

彼女と出逢う前までは…

少しだけ話をしよう

俺と彼女の最悪な出逢いのお話を……正直思い出したくない出来事だけどね


一年前のある日の出来事だった


「えぇ…今日も占い最下位かよ…」

「兄さん、兄さんが占い最下位なのはいつもの事じゃないですか。逆に上位だった事のほうが珍しいのに」

「妹よ、今お前は俺の豆腐のようなメンタルを砕こうとしたのかな?それともそれが素の反応なのかな?お兄ちゃん泣くよ?16にもなって子どもみたいに泣きわめくよ?」


俺の豆腐メンタルにダメージを与えたのが黒のショートカットの学校の制服に身を包んだ俺の可愛い可愛い妹の佐藤伊織 15歳の中学校三年生だ。正直言うと万能人間と言われるぐらいなんでも出来る。そして凄まじく運がいい。後可愛い。


「兄さんはたかが占いで落ち込み過ぎなんですよ…」

「伊織に言われると何かなぁ」

「なんですか?文句でもあるんですか?」

「いいえ!全くございません!」


だって伊織って占いで大体上位にいてそんでもってすげぇ運いいんだよ?そんな奴に言われても…ねぇ


「むぅ、不満がありそうですがまぁいいでしょう。というよりは兄さんそろそろ学校に行かないと遅刻してしまいますよ?」

「時間を教えてくれるのはありがたいけど時計見てから言ってね。合ってるけどさ」

「え、まさか兄さんは時計を見ないと時間が分からないんですか?」

「当たり前のように言うけどそれ伊織が異常なだけだからね?」

「こんな可愛い妹を異常呼ばわりとは兄さんは本当に兄さんなんでしょうか?」

「正真正銘、伊織の事を心から愛している。君のたった一人のお兄ちゃんさ!」

当社比三倍位イケボで言っております

「流石兄さん気持ち悪いです」

伊織からの罵倒だ。だがこれは照れ隠し何故わかるって?ちょっとだけ顔が赤いんだよ!


ちらっと時計を見ると時間がヤバイ!


「ほら兄さん遅刻する前にさっさと行ってください」

「おう、えぇっと鞄はどこだっけ?」

「はい兄さんお弁当と鞄です」

「お、ありがと。んじゃ行ってきまーす」

「はい、いってらっしゃい」


妹に見送られながら家を出てそれからは自転車で走るだけだ

今日は時間がヤバイから全速力だが


(セーフだな)

マジでギリギリだった…伊織がいなかったらやばかったな感謝感謝


正直俺は伊織とは違って平凡だった

比べられることもあるが伊織が褒められているので別に気にしてはいなかった。

まぁ平凡な俺はいじめにあうこともなく彼女も居ないが気のあう友達と普通の日々を過ごしていた


「おうおうお前は今日も可愛い妹に見送られて来たのかい?かぁずぅきぃくぅん?」


今話しかけて来たこいつが俺の友人…まぁ今後出番も少ないし友人A君でいっか 


A君の紹介も終わった事だし話を進めるぞ?


少し時は進んで放課後になる


ここで俺は彼女と初めて出逢う


(今日も伊織のお弁当は美味しかったなぁ。帰ったらどうやって褒めようかな?)


そんなことを考えながら下駄箱から靴を出し玄関を出て駐輪場を目指す


その時だった

屋上から女子の悲鳴が聴こえてきたのは

そして俺は上を見る

一人の女の子が落ちてきている

俺の真上にこのまま落ちれば俺に当たる感じで

(あぁ、これは俺死んだかも)


落ちてきている少女と目があった

次の瞬間

体に感じた事がない程の衝撃が走る

(これは死んだな)

グシャ

何かが潰れたような音がする

そこで俺の意識は途切れたんだ 


そう、これが俺と彼女の最悪な出逢いである

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