第131話 建国神話

「帝国と日本の時間の流れの差とかあるかわからんが、大体2千年前。」

と切り出すゴート66世。


「・・・・・だ、大体っていいかげんな。」

唖然とする元気。


「・・・・・すまん、俺もお祖父ちゃんと同じで時間差とかわからん。」

進太郎が元気に詫びる。


「その頃、帝国のある星はそれまでは人狼と人魚族が治めておった。」

続けるゴート66世。


「じゃが、平和に暮らしておった人狼と人魚の時代は終わる。」

と、両手をパンと合わせるゴート66世。


「次元を超えてきた邪悪な輩、ヴァンパイア族に侵略されてしまったのじゃ。

これが人狼と人魚にとって地獄の時代の始まりでな。」

よよよと泣くゴート66世。


「人造生命族って、どっから来たの?」

進太郎が尋ねる。


「人造生命族はあれも哀れな種族でなあ、人間族に似たハダカノサル族というのを

別の世界からヴァンパイア族が生死を問わず連れて来ては様々な器物と混ぜたりして造り出した種族なのじゃ。」


フランのルーツのハードさに、ショックを受ける進太郎。


「ヴァンパイア族にとっては、自分達以外は奴隷や家畜や道具でしかない。

だが、人魚も人狼も反乱を起こしてはいたが兵器と混ざった人造生命族や

中々死に難いヴァンパイア族を打倒することはできなかったんじゃ。」

一端、話を止めるゴート66世。


「・・・・・ひっでえ話だな、吸血夜会と変わらねえ。」

元気がヴァンパイア族に憤る。


「もしかして、吸血夜会とヴァンパイア族って同じなのか?」

進太郎が思い至る。


「・・・・・急くでない、人狼と人魚、最終的に人造生命族にとって

救いの手がこれもまた別の世界から来た、それがゴート1世じゃ。」

ゴート66世が、立ち上って叫ぶ!!


ざばっと、黒いお湯が元気と進太郎に降り注ぐ。


「・・・・うべっ!!・・・・・別の世界って、ご先祖様も外来種なんだ?」

進太郎が呟く、てっきり帝国産かと思っていた。


「ぐぐってはならん、ぐぐってはならんぞ進太郎、年寄りの話はラストまで。」

孫に釘を刺すゴート66世。


「・・・・てゆーか進ちゃん、ぐぐれるんだ。」

元気が驚く。


「・・・・・教室で臨死体験した時、ご先祖様達と対面してからコンタクト

取れるようになってより深くご先祖様の力とか使えるようになった。」

と、地味なパワーアップの話もする。


「法事とかで聞く先祖の声を聞くってのが比喩じゃなくて、ガチか!!」

元気が叫ぶ。


「・・・・・まったく、まあ吸血夜会の上の方の祖先にヴァンパイア族がいたか

今も生き残っておる可能性はないとは言えんのう。」

脱線に呆れつつ、ゴート66世がつぶやく。



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