第118話 ハロウィンが来る前に

10月、末日がハロウィンである。

放課後の力華学園の教室では、進太郎と元気が駄弁っていた。

「ハロウィンの話題をすると、お前ら毎日ハロウィンだろ?と言われる時期だな。」

そんな事を言う進太郎。


「だよな、進ちゃんの家が来るまで島にハロウィンなんてなかったし。」

晴れて、レッドブレイズとしてヒーローデビューを果たした元気が答える。


「ヴィラン対策室でも、ハロウィンのイベントをするからお前らも出演しろと

いうニュアンスの連絡が神威さんから来たな。」

進太郎が自分の携帯電話をチェックする。


「俺にも来てる、ヒーローってこういう仕事もするんだな楽しいけれど。」

元気も自分の携帯を確認する。


「業界期待の新人だからな~レッドブレイズは♪」

進太郎が笑う、自分は通過儀礼は済んだという顔で。


「・・・・・親友だろ、助け合おうぜ?」

燃え尽きた顔の元気が、進太郎に助けを求める。


ヒーローデビューをした元気は、進太郎がそうしていたように机にうなだれていた。

後輩ができたことを喜ぶヒーロー達に、凄く世話を焼かれた事による気疲れだ。


「ヴィランと戦うより、ヒーロー仲間との付き合いの方が疲れるわっ!!」

新人と言う事で、経験を積ませるべくヴィラン対策室から実地研修の名目であちこちのヒーローの所へサポートへ行かされている元気。


「家に来れば良いのに?」

進太郎が勧誘する。


「・・・・・それは最後の手段で、しばらくは自分で頑張るわ。」

と返す元気。


元気の愚痴を、進太郎が聞く度に行われるやりとりだった。


そんな中、彼らは気づいていなかった。


空から箒に跨った魔女っ娘が、自分達の教室へと突っ込んで来る事にっ!!


ついでに、これが新たな事件の幕開けである事にも気づいていなかった。


ドバ~~~~ン!!


音にすればそんな感じ、教室の窓だけでなく窓をはめた壁までぶち壊し

不意を突かれた進太郎と元気を教室の外まで吹き飛ばしてそれは侵入してきた。


瓦礫にまみれて半壊した教室の中、気絶している魔女っ娘。


教室の外の廊下で気を失っている進太郎と元気。


登場人物達が目を覚ました時、ニュータントグリモワールの一冊を巡り

吸血夜会東欧支部との戦いが幕を開ける。











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