第95話  吸血鬼化薬騒動その4

連児が通う学校に戻ってきた進太郎、早速妙な噂を聞くことになる。

「おう、進太郎♪一緒に飯食おうぜ♪」


連児に誘われて、一緒に昼食を取る今日は皆野伴達は別らしい。


連児はパン、進太郎は大きめの弁当箱。


連児が弁当箱を見つめるので箱を開けて見せる。

「まあ、ハンバーグ食べんさい。」

ハンバーグを半分切って、連児に渡すと喜んで持っていった。


「おう、いただくぜ・・・・・・・うんめ~~~~っ♪」

彼の反応を見て、連児の残機が増えたようだと見る進太郎。


連児については、本人が秘密をばらしてるがこちらからはスルーしている。

連児はこちらの正体を知っているように見えるが、何も言わない。


彼自身が悪人ではないし友人なので、彼の人生を壊すようなことはしない。

彼の能力は、捕まればヴィラン対策室で実験材料にされかねない。


連児自身が知り合いだと話していた、シュランケンやアラガミオンも彼を黙認しつつ

それとなく保護してるようなので進太郎もそれに同調する。


同業で注意すべきは、ヒーロー界の生活指導教諭ことマイティロウだ。

面倒くさい、絡みづらい、言いくるめるのが大変なんだあのおっさん。


と思いつつ自分も残りを食う、アニーが自分の為に作ったのだから食うのは責務。

「・・・・・ああ、美味いよ本当に♪」

アニーに感謝である。


「・・・・・メイドに弁当作ってもらえて良いよな、シンジの奴もだけどよ~」

連児が気になることを言う。

「誰だそれ?」

知らない単語なので聞いてみる。


「ああ、太間慎二ふとま・しんじってデブでやな奴なんだぜ。

親が、マクタコーポレーションの重役の息子とかで金持ちだしよ~」


まあそれでもダチだけどなと連児が言うが、その慎二が学校を休んでるそうで

彼が休んだころからまほろば町で吸血殺人が起きだしたらしい。


犠牲者には慎二を嫌っていた女子生徒達などもいるとか。


「メキシコ人の美人メイド雇ったとか自慢していたぜ、羨まし~!!」

連児の言葉を聞いていて、こりゃ当たりだと感じる進太郎。


昼食を終えて午後の授業も終わる。

「連児、一緒に帰ろうぜ。」

と言い、進太郎は連児と一緒に帰宅する事にした。


連児は妙な運や人徳で善人も悪人も引き寄せる、それに乗っかることにした。

こっそりと、神威さんにもメールで情報を流しておく。


『情報提供ありがとうございます、引き続き調査とできれば今度は討伐まで

よろしくお願いします。』


と神威さんの返信に、その分報酬増額でならと返したのはスルーされたようだ。


そんな進太郎と連児の帰り道、空から自分達と同じ学生服の上に黒いフード付き

パーカーを着た細身の人物が拳を地面に突き立てるスーパーヒーロー着地で降臨。


「・・・・・れ~~~ん~じ~~~~~~ぃっ!!」

連児の名を呼びながら立ち上がったその人物はフードを外して素顔を見せる。


「・・・・・うお!!・・・・お前、デブのシンジ、シンジなのか!!」

フードの人物の素顔は、オールバックの細い顔のキザなイケメンだった。

口からは牙が生え目が赤く光を放つ。


「僕はもうデブじゃない!!ラ・ルロロナ様からもらったヴァンピーナで

吸血鬼になったんだ!!お前ら僕を馬鹿にしてた連中を皆殺しにしてやる!!」


連児に向かい襲い掛かるシンジ、進太郎は二人の間に割り込んで闇の触手を生やしてシンジへと振るう!!


「はぶぅっ!!」

ぶっとい触手で鞭打たれたシンジが吹き飛ばされる。


「キモッ!!そして触手ってエロいッ!!」

助けたのに散々な事を言う連児の胴体に触手を巻き付け、背中から闇の翼を出して

進太郎は空へと撤退した。


「くっそーーーーー!!逃げるなーーーーっ!!」

地上から襲撃者のシンジが悔しがっていたが無視した。








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