第92話 吸血鬼化薬騒動その1
強くなろうとするのは生き物の性、ニュータントになれば強くなれると思う
一般人とそれを食い物にする輩は後を絶たない。
夜の神嶋港、ヴィランが利用する港として話題のスポットになりつつあるこの港
に瞬間移動のように現れた一隻のガレー船が接舷する。
船の名はゴーストシップ、どこにでも行ける幽霊船を作り出し操るヴィラン
『鉤爪船長』の船だ。
船から降りるのは、物憂げな表情のラテン系の美女とスーツ姿の男たち。
吸血夜会中米支部の幹部怪人、ラ・ルロロナとその手下だ。
彼女が持つスーツケースの中身こそ、人間を吸血鬼のニュータントに変える薬
『ヴァンピーナ』取引相手は日本のとあるヤクザ組織だ。
翡翠色のパワードスーツを纏ったヒーロー、キュアセイダー3号こと狗殿兵汰
は近くの建物の屋上から状況を確認している。
「トラキークが吐いた通りだ、中米の奴らが予定どうり来たぜ?」
上司である神威了に通信を行うキュアセイダー3号。
『奴らと取引を企んだヤクザどもは所轄を動かして片づけた、何としても
人間を化け物に変える薬などというおぞましい物を破壊しろ。』
神威の返答に承諾し、スコープを覗いてロングレンジ白血砲による狙撃を開始する
キュアセイダー3号。
彼の狙撃で吸血夜会の手下達が倒れていく、だが兵汰はこの状況に違和感を感じていた。
「・・・・・・おかしい、奴らにしては手応えがなさすぎる・・・・まさか!!」
兵汰の予感が的中するかのように、ゴーストシップが消える。
兵汰自身が連中を確認しに行くと、幹部であるラ・ルロロナの顔が溶けて別人の顔が現れる持っていたケースの中身は空だ。
「・・・・・ち、やられたな。こっちはダミーだっ!!」
神威へ報告する兵汰。
『・・・・・・くそ、奴が教えられていた情報自体がフェイクか!!
無駄足を踏まされたか、後は一般警察に任せて撤収しろ。』
「・・・・・了解、嫌な予感しかしねえな。」
夜空の月が雲で隠れるのを見てから、キュアセイダー3号は撤収した。
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