第88話 吸血七面鳥を討て!! 後編

ヘルグリム帝国が、小学校で起こる怪事件の調査にやってきた。

フランがカメラを回し撮影をしつつ鶏小屋を一行が護衛していた時である。


すると、下駄箱の近くに設置されていた鏡から火の玉が出てきた!!

「火の玉発見ですわ!!」


メイがパドルを取り出し、パドルからビームの如く放水する!!

「ギャー!!」


水が直撃した火の玉は、叫び声を上げて黒いローブを纏った女の姿に変る。

「何者だ、貴様!!ジャドーの怪人か!!」

進太郎が叫ぶ。


「何だそれは、私は吸血夜会中米支部の幹部トラキーク!!」

ローブの女が叫ぶ。


「また吸血夜会でちゅかっ!!」

鶏小屋を守りつつアニーが叫ぶ。


「どちらにせよ容赦せん、変身っ!!」

進太郎がベルトを巻いて変身を始める。


「させるか!!」

トラキークが羽手裏剣を飛ばして妨害にかかる。


「それはこちらの台詞でございます!!」

メイが校庭から海水の壁を噴き出させて進太郎を守る、ヒーローの変身

は妨害できなかった。


「デーモンブリード、ただいま登場!!」

動画が撮影されているので、きちんとヒーローらしく名乗りポーズを取る。


「お前がデーモンブリードか、貴様ら全員生贄だ!!」

トラキークも怪人の姿に変身する。


それは、顔から首まで真赤な七面鳥が人間になったような姿であった。

「断罪の時間だ、行くぜ・・・デーモンファイトッ!!」

気合を入れ、トラキークと対決するデーモンブリード。


夜の小学校の校庭で、ヒーローと怪人の対決が始まる!!


トラキークがぶっ放した羽手裏剣を、全部受け切るデーモンブリード。

バラバラと地面に羽が落ちる。

「それだけか?かかって来い!!」

腰を落とし、突っ込んでくるトラキークに低空タックルで対抗する。

『あ痛っ!!』

組み合いになり、嘴で肩甲骨を突かれゴート66世が痛がる!!

突いているトラキークも装甲を貫けず顔が歪む。


「おじいちゃんなら大丈夫っ!!喰らえ、デーモン河津掛けっ!!」

祖父の痛みを無視し、トラキークの首に腕を絡め自分の体を横にずらしつつ

相手の足に自分の足を掛けて倒す。


相撲の決まり手の河津掛けだ!!


一部でやり過ぎと言われるヒーロー、デーモンブリード。

ドハデな必殺技を使えば、母校である小学校が壊滅しかねない。


「損害賠償とか、ネットで叩かれるのは怖いでちゅよね。」

後詰のアニーがつぶやく、堂々と活動している以上世間体は気にせねばならない。


倒されたトラキークに逆エビ固めを決めたデーモンブリードが勝利を収めた。

「ここでこいつを殺すのはまずいな、引き渡そう。」

メイド達にトラキークを拘束させて、変身を解いた進太郎が決める。


ヘルグリム帝国がトラキークを拘束して警察へ引き渡した5日後。


東京でトラキークをヴィラン対策室へと移送中の護送車が、ジャガーの怪人達

に襲撃され都内で活動するヒーロー達と交戦するのは別のお話。












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