第84話 悪魔愛ずる姫君

女子力のあるオタ部屋、このある意味魔界の主は本当に何者なのか?


ラックのフィギュアも、よく見るとデーモンブリードの

全部のフォームが勢ぞろいしていた。


本棚の同人誌も、全てメイの描いた公式の漫画と趣味の作品だった。


おそらく、この部屋の主はヘルグリム帝国の事を当人達を除いて相当に

詳しい知識を有している。


検定があれば一級レベルの知識だろう、そんな魔界のドアが開き

一人の人物が入ってきた。


年齢は15歳から16歳、身長は170cmほどでバスとサイズは目測J65。


髪は水色で姫カットのストレート、肌は白く目も髪と同じ色で清楚なお嬢様

と言う言葉が似合う美少女だが頭頂部には一対の小ぶりな鹿のような金色の角。


ジャージの上を脱げば、大きい胸で変形したデーモンブリードのTシャツに目が行くが腕は鍛えられており両の手首の辺りに水色の爬虫類の鱗と昔話の龍を連想させる。


ジャージの下を脱げば、スパッツの上に廻しのように龍の尻尾が巻かれており足も

筋肉で鍛えられていて足首周りを鱗が覆っていた。


はっきり言って人間ではなくドラゴン少女である、ドラゴン少女はジャージをたたみ

クローゼットを開けて収納し入れ替わりに旅館にあるような浴衣に着替えた。


「・・・・・今日も鍛錬を頑張りましたわ♪自分へのご褒美に、デーモンブリード。うふふ、進太郎様の動画を視聴いたしましょう♪」


少女は机に座り、パソコンを立ち上げるとタタタっと操作して動画サイトの

公式チャンネルで放送されているデーモンブリードの記録動画を見始めた。


動画の中では、デーモンブリードが蛇のニュータントと霊園跡地で対戦していた。

「行くぜ、デーモンファイトッ!!」

ヒーローらしくファイティングポーズを構えるデーモンブリード。


「おのれ、デーモンブリード!!だが貴様を倒せば俺は幹部昇格間違い無しだ!!」

怪人の名はヘビジャドー、四国を荒らすヴィラン組織ジャドーの構成員だ。


ヘビジャドーの腰の銀のベルトは現場指揮官の証で、幹部は金のベルトらしい。


デーモンブリードと対する、ヘビジャドーは口から火炎放射を吐いて牽制するも

「デーモンシザー!!」

前転で近づいて来た、デーモンブリードに蟹挟みで倒されるヘビジャドー。


だが、ヘビジャドーの噴いた毒液をガードした隙に起き上がられて

コブラツイストをかけられてしまう。


「ああ、倒したらすぐに極めないといけませんわ!!」

動画を見ながら少女が叫ぶ、何と言うかプ女子っぽい?


最終的に「デーモン卍固めっ!!」と卍固めで怪人を倒して

拘束したところで動画が終わる。


「今回も素敵でしたわ、お会いするのが楽しみです♪」

ドラゴン少女は、尻尾で炬燵をばしばし叩き身悶えていた。















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