第62話 空中盆栽対空飛ぶ鯨 その3

ダイマッコウ号に餌を与えつつ人気のない海岸へとやってきた一行。

「よし、行けっ!!」


進太郎が勢いよく洗面器を海へシュートする、バシャーンと音を立てて

ダイマッコウ号は海へとダイブした。


ダイマッコウ号は大きな音を立てて沖へと出て行く。


「ああ!!勝手にどっかいってしまったでちゅ!!」

アニーが叫ぶ。


「がははっは!!安心せい、海にエネルギーを集めに言っただけじゃ♪」

ゴート66世が笑う。


一方海の中、ダイマッコウ号が鮫や魚などを喰らいまくっていた。


そして、魚を喰らう度にどんどんその体を大きくメカニカルな感じに

姿を変えていく。


やがて、ダイマッコウ号は体長50メートルほどのメカ鯨戦艦へと変形を終えると

進太郎達の元へ戻ってきた!!


グエエエエエエ~!!


と叫び声が電子音っぽくなり巨大化したダイマッコウ号が岸に戻ってくる。

「これこそがダイマッコウ号!!これで勝てますよ殿下!!」


メイが興奮する。


「・・・・・大きい。」

フランも唖然とする。


そんな一行を、ダイマッコウ号は口を開けてものすごい勢いで吸い込んだ!!

「な、何なんだこれ~~~~っ!!」

叫びながら吸い込まれた一行。


彼らはギュムッと言う音と共に怪我も無く、生物っぽい座席に座らされていた。


「・・・・・・フランの中に似てる。」


フランフォームに変身した時を思い出した進太郎の感想にフランが

「・・・・・・私の中が気持ち良いなんて♪」

と頬を染める。


戦艦の艦長席のような位置にゴート66世が座っていた。

進太郎は副艦長席っぽい位置だ。


「私が操舵ですわね♪」

メイの席の前は舵輪。


「火器管制や攻撃は私でちゅ♪」

アニーの席の前にはトリガー付きのスティックが。


「・・・・・・私がレーダーとか電算とか、任せて♪」

フランの席の前にコンソールパネルと。


「ダイマッコウ号には、居住ブロックがあるから食事などはそっちじゃな。」

と、ゴート66世がいうと三メイド達は目が光った。


「私、ベッドメイキングをいたしてまいります♪」

メイが席を立つと、自動的に道が開ける。


「・・・・・・私は、お風呂のチェック。」

フランも席を立つ。


「ああ、ずるい!!私はキッチンと食堂でちゅね。」

アニーも二人の後を追ってブリッジを出て行った。


「・・・・・・あいつら、戦いの前だってのに。」

進太郎は頭を抱える。


「ほっほっほ!!良いではないか孫よ。 どんな時も日常を忘れない。

悪魔は自由じゃ、これが我らの生きる道よ♪」

ゴート66世が笑う。


こうして、ヘルグリム帝国もぐだぐだしながら吸血夜会を撃退すべく発進した。



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