第54話  お祭りの敵を撃退せよ!!6

フランが、カメボクサーを捕獲した頃。


猿王町の林では、戦闘形態のアニーが古代ムエタイ戦士が拳に縄を巻いたように

両の手足に自身の得物である魔界熱鎖まかいねっさアニーチェーン

を巻きつけてストレート、アッパー、フック、裏拳、鉄槌、諸手の突き上げ。


近代格闘技と言うよりは拳法と言うべき型で繰り出される突きが、蹴りが

炎を上げてとアップは十分だった。


正直、総出で成敗してしまえば早いが被害が出るのは自分達を含む島民

全体の不利益になるのはいけない。


この島では、ニュータントも一般人も楽しく一緒に暮らせてるのだ。


自分を律し、互いを思いやりこまめにコミュニケーションを取り共同体の

ルールを守って暮らせば人付き合いは大体上手くやっていける。


「何で魔界よそから来た私達が馴染んでるのに、こっちのニュータントは?

・・・・・・は!!もしや、地元だからイキってるって奴でちゅね!!」


そう思い至ると、確かに自分達も本国では気ままだったと思うが

自分達は自分達で帝国の法に沿った上で生きて来たと思い直す。


ヴォーパルと白鳥男を乗せたトラックが、まだ自分達が罠にかかっている

とも知らずに走ってきた。


怪人3人組を罠にかけて一人ずつ倒す算段である。


軽トラックは、ドアが片側なくなっていた。


怪人達は、軽トラックを捨てた。

「くそっ!!こんな田舎歩くのは嫌だ、ジークフリート俺を乗せて飛べ!!」

ヴォーパルが白鳥男のジークフリートに無茶振りを言う。


当のジークフリートはヴォーパルの横暴に耐えかねて

「貴様なぞもう知らん!!」

と叫び空へと飛び上がっていった。


「ああ、待て!!馬鹿鳥っ!!」

ヴォーパルがいくら吠えても、ジークフリートは無視して飛んでいった。
















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