第41話 里帰りと挨拶回り その3

進太郎が義理の母となるセレンと入浴した時、三メイド達も浴場に入ってきた。


「お母様♪娘の旦那様を返していただきますわ。」

メイは笑顔、だが闘気が体から出ている。


「おばさま、ひどいでちゅ!!」

アニーが抗議すればフランも


「・・・・・・年を考えて!!」

と語気が荒い。


だがセレンは動じない。

「奪いはしないさメイ、だが私も殿下が愛しいっ!!」

堂々と言う。


「セレンさん、あんたやっぱりメイの母親だよっ!!」

進太郎がツッコミつつ離れる。


「まあ、今は息子と風呂に入るという夢が叶いましたので満足しておきます♪」

と言うセレンの言葉に、不安を感じた進太郎であった。


三メイドにがっちり囲まれた入浴を終えると、次の目的地のアニーの実家で

下ろしてもらった。


アニーの実家は、牧歌的な山の上にある石造りの館だった。


玄関の前に立つと扉が開き、簡素なドレスを着たお腹の大きな

赤毛の人狼と、3人の小さい赤毛の人狼の女の子達が出迎えてくれた。


「お帰りアニー♪いらっしゃい殿下♪」

お腹の大きな女性人狼、メアリーが優しい声を掛けてくれる。


「姉様達、お兄様、お帰りなさい♪」

アニーの妹達も出迎える。


「メアリーさん、支えさせていただきます。」

進太郎がメアリーの横に立ち、アニーも反対側で支える。


「殿下、宜しければママと呼んでくださいな♪」

メアリーの言葉に頷く進太郎。


「フラン姉ちゃん、メイ姉ちゃん、構って~♪」

の声と共にフランが妹達の二人に肩の上に乗られ、メイが残る一人に抱きつかれる。

二人ともそれを受け入れ屋敷の中へ入っていった。









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